2025年度後期3Dグラフィックス演習1

曜日・時限 月曜日3時限,月曜日4時限 期別 後期 週時間数 4
ナンバリング HW130101
開講学科等 総合情報学部-デジタルゲーム学科
教員名 和田 真一
和田 真一
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e5%92%8c%e7%94%b0%e3%80%80%e7%9c%9f%e4%b8%80

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目的

3DCGのデジタル彫刻分野における事実上の標準アプリケーション「ZBrush」の基本的な機能と操作方法を学びます。講義を通じて3Dデジタル彫刻を作成するための考え方、ワークフローを習得し、最終的にオリジナルの人型キャラクターデジタル彫刻作品を作成出来る技術を身につけることを目的としています。毎時間、講義内容に沿ったスピード彫刻課題に取り組みます。それらをこなしていく事でZBrushの機能の理解を深めると同時に、モノを見る目を養い、質の高い作品を作ることができるようになります。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,E デジタルスカルプトソフト、ZBrushとは 
3Dデジタル彫刻とはなにか?ZBrushを使用するにあたって習得が必須のキャンバスナビゲーションについて学習します。
基本的なスカルプトブラシ。ダイナメッシュとは何か。
学習した機能を使用し、テーマに沿った3D彫刻の作成。
事前学修 「ZBrush キャンバスナビゲーション」「ZBrush スカルプト」といったワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 授業内で作成した3Dモデルを見直し、ダイナメッシュの機能について確認する(1時間)
2 A,E ブラシの基本 
デジタル彫刻をするうえで最低限必要なブラシの機能を学習します。スカルプトブラシ、スムーズ、マスク、セレクトブラシ、ブラシのストローク。
学習した機能を使用し、テーマに沿った3D彫刻の作成。 
事前学修 「ZBrush マスキング」「ZBrush ビジビリティ」「ZBrush アルファ」「ZBrush ストローク」といったワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間) 
事後学修 授業内で使用した重要ブラシの挙動を再確認しておく。(1時間)
3 A,E 複数メッシュを使用した造形物作成方法 
PolyMesh3Dとは?複数メッシュで構成された造形物の作成方法、SubTool、Gizmo3Dの使用方法を学習します。
学習した機能を使用し、テーマに沿った3D彫刻の作成。
事前学修 「ZBrush Gizmo3D」「ZBrush SubTool」といったワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間) 
事後学修 Gizmoの使用方法を復習し、確実に3Dモデルをコントロールできるようにしておく(1時間)
4 A,E キャラクターをポージングする 
第2回で学習したマスク機能と第3回で学習するGizmo3Dの詳細な機能を習得し、人型のオブジェクトをポージングさせます。
事前学修 「ZBrush ポリグループ」というワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 マスク機能について復習・挙動とショートカットの確認をしておく。(1時間)
5 A,E スカルプトブラシ詳解 
3D彫刻におけるもっとも重要なツール。スカルプトブラシを詳しく解説します。
学習した機能を使用し、テーマに沿った3D彫刻の作成。
事前学修 第一回で配布する資料のブラシの項目を復習しておく。(1時間)
事後学修 授業内で解説された特殊なブラシを一通り試してブラシの効果を調べておく。(1時間)
6 A,E ポリペイントによる着色 
3D彫刻に着彩できる機能、ポリペイントについて学習します。ZBrushは形状を彫刻するだけでなく、着彩することも可能です。
学習した機能を使用し、テーマに沿った3D彫刻の作成。
事前学修 「ZBrush ポリペイント」というワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 ポリペイントとテクスチャの違いについて調べておく(1時間)
7 A,E ベースメッシュの作成、ZSphereについて 
DynaMeshでベースメッシュを作成していく方法以外にも、ZSphereという機能を使用してスカルプトのベースメッシュを作成する方法があるということを学習します。
学習した機能を使用し、テーマに沿った3D彫刻の作成。リファレンス画像をSpotLight機能を使用して表示する方法も同時に学習します。
事前学修 「ZSphere」というワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 授業内で作成した人型のZsphereを作成し、ポリゴン化できるか試しておく(1時間)
8 A,E レンダリングによる絵づくり 
作成した彫刻を2D画像として書き出す方法を学習します。ZBrushで作成した3Dモデルを無料の3Dアプリケーション「blender」でレンダリングして仕上げます。
事前学修 blenderを自分の個人用PCにインストールして基本を学習しておく。(1時間)
事後学修 blenderについてインターネット検索し、調べる。(1時間)
9 A,E ディテール彫刻カスタムアルファ 
ブラシのアルファ画像の利用。はじめからZBrushに用意されている画像だけでなく、自分で自由に作成した画像を使用する方法を学習します。
学習した機能を使用し、テーマに沿った3D彫刻の作成。 
事前学修 「ZBrush アルファ」というワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 授業内で作成したカスタムアルファを、自身の制作環境でも作成できるか試しておく。(1時間)
10 A,E 衣服の作成とMulti-Resolution Mesh Editing 

型のオブジェクトから衣服のオブジェクトを作成する方法を学習します。ZBrushでスカルプト作品をつくる上で避けては通れないMulti-Resolution Mesh Editingについて学習します。それにともなって必要なZRemesher、Projectの機能も解説します。 
事前学修 「Subtool Extract」「ZBrush Multi-Resolution Mesh Editing」というワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 ダイナメッシュと Multi-Resolution Mesh Editingの違いを調べ、理解しておく。(2時間)
11 A,E 毛髪の作成方法 
キャラクターに毛髪を追加するための制作方法を学習します。 
最終課題制作開始。デザイン案チェック。 
事前学修 「ZBrush CurveTube」というワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 ダイナメッシュと Multi-Resolution Mesh Editingの違いを調べ、理解しておく。(2時間)
12 A,E 多様な部品の作成 
ロングコートや衣服の襟、プリーツスカートなど、いままでの学習してきた機能を組み合わせて、様々な部品を制作する方 法を学習します。
最終課題制作。スカルプト
事前学修 これまでに学習してきた機能を一通り復習しておく。(2時間)
事後学修 課題作品制作に必要となる機能を復習しておく。習っていない機能を使いたい場合は質問する。(1時間)
13 A,E,G 複数SubToolを持ったオブジェクトのポージング 
単一のSubToolを持ったオブジェクトのポージングは第4回で学びますが、この回では複数のSubToolで構成されたオブジェクトのポージングを学習します。 
事前学修 作品提出に向けて作業を調整しておく。(2時間)
事後学修 最終課題で出来なかったこと、やりたかったことをリストアップしておく。(1時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

(1)専門知識・技能を修得し、実践する力
・ZBrushの基本的操作ができる
・ZBrushを使用して人型のキャラクターをデジタル彫刻し、作成することができる
(3)課題を発見し、問題を解決する力
・デザイン画に沿って3Dデジタル彫刻キャラクターを作成することができる
・演習各回のテーマに合わせた小作品を作成することができる
(5)自らを律し、学び続ける力
・理解が難しい部分を言語化し、振り返って調べられる習慣を身に付けることができる
・デジタルツールに対しての親和性を理解できる

科目に関連するディプロマポリシー項目
〇2024年度以降入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科/専攻名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 10% 50% 25% 25% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 40% 60% 10% 30% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 50% 50% 25% 25% 100%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 54% 19% 0% 27% 0% 100%

教科書・参考書

教科書
使用しない

参考書
BLESTAR ZBrush ベーシック
スカルプターのための美術解剖学
フィギュアスカルプティング 粘土で作る全身像:アナトミーと面からの構築
ZBrush キャラクター&クリ―チャ― - ZBrush Characters & Creatures 日本語版
ZBrushフィギュア制作の教科書
ZBrush スタジオプロジェクト: リアルゲームキャラクター~DVD付~
ZBrush キャラクタークリエーション - 高度なスカルプティングテクニック -(DVD付)
The Art of Mystical Beasts ZBrush、Photoshopほか、デジタル技法で描く幻獣アート

オフィスアワー

○オフィスアワー(授業期間中)について
月曜日17:45-18:45 対面またはオンラインにておこなう。
対面:6号館3階6-322和田教員室  
オンライン:Google Meetを使用
※授業期間外、オフィスアワー以外の時間以外に質問がある場合は、授業内および事前に、メールでアポイントメントをとることが望ましい。
※学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が不在の可能性がある。

その他

本授業は2単位の科目であるため、30時間以上の授業外学修が求められる。
「事前・事後学修」に取り組むこと。毎回の授業内容を丁寧に復習し、次回の授業に向けて予習をすること。
最終課題では、ZBrushを使用して人型のキャラクターまたは、人型のクリーチャーを作成します。前もって自分の作りたいオリジナルキャラクターのデザインを考え、造形に必要な資料を集めておくようにしてください。
毎時間の講義内容の積み重ねによって、最終課題を作成することができる技術が身につきます。一日の欠席が技術の習得に大きく影響を及ぼします。積極的にノート(アナログ、デジタル不問)をとり、わからない部分がでてきた場合には積極的に質問し、すぐに解消していくようにしましょう。
原則、欠席した授業回の課題提出は必要ありません。また、後からの提出も受け付けません。(やむを得ない事情がある場合は個別に相談してください)

○受講人数
・演習室環境の収容可能人数により、履修制限を行う可能性があります。
○講義・課題のフィードバック
・提出された課題は、フィードバックと共にクラスで共有されます。
・課題制作に必要となる材料などは、その都度連絡し学生各自にて用意する。
・授業内容については、理解度・進捗等を見て変更する場合がある。
・このシラバスの内容は既に修得しているという方は、個別に相談してください。
○欠格条件等
・原則、2/3以上の出席がない場合は不合格とする

実務経験のある教員による授業科目

商業原型としてフィギュア・玩具のデザイン・設計・3D造形。コンシューマーゲームタイトルのコンセプトアート・デザイン制作。大手ゲーム会社、造形会社へのデジタル彫刻技術指導。