2025年度前期情報システム設計論

曜日・時限 月曜日2時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング HT330706
開講学科等 総合情報学部-情報学科
教員名 中原 匡哉
中原 匡哉
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e4%b8%ad%e5%8e%9f%e3%80%80%e5%8c%a1%e5%93%89

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目的

情報システムや組み込みシステムに用いられるソフトウェアの開発には、プログラミング以外にも様々な工程(プロセス)が必要になる。本講義では、ソフトウェア開発の全体的な流れを理解し、ソフトウェアの分析、設計、プログラム実装、試験、およびプロジェクト管理のためのソフトウェア工学と呼ばれる基本的な技術を習得する。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 授業ガイダンス
・「設計」とは何か
事前学修 シラバスで授業の流れを把握する。(1時間)
教科書第4.1章を読み、内容を把握する(1時間)
事後学修 設計活動の段階を整理し各段階を説明する(2時間)
2 A ソフトウェア開発プロセス(モデル)
上流工程と下流行程
事前学修 教科書第7章を読み、内容を把握する(2時間)
事後学修 ソフトウェア開発のプロセスや典型的なモデルを整理し、それぞれの利点や欠点を整理する。
上流と下流の工程と自分の適性を考える。(2時間)
3 A システムの動的要素の表現
・フローチャート
・アクティビティ図
事前学修 教科書第4.4章を読み、アクティビティ図の概要を把握する(2時間)
事後学修 身近なシステム(組織)の振る舞いを、フローチャートやアクティビティ図で表現する(3時間)
4 A システムの相互作用の表現
・シーケンス図
事前学修 教科書3.4.4「相互作用図」を読み、シーケンス図の概要を把握する(2時間)
事後学修 授業内で作成したプログラムについて、部品間でのやりとりをシーケンス図で表現する。(2時間)
5 A システム設計法
・状態遷移モデル,状態機械図
事前学修 教科書3.3.2「状態遷移モデル」,3.4.5「状態機械図」を読み、同図の概要を把握する(2時間)
事後学修 身近な装置が取りうる状態を状態機械図を用いて表現する(3時間)
6 A データ処理の表現
・データフローダイヤグラム
・実体関連モデル(E-Rモデル)
事前学修 教科書3.3.1「データフローモデル」を読み、同図の概要を参考資料などで把握する(2時間)
事後学修 一般業務の中で実施されるデータ処理の流れをDFDを用いて表現する。(2時間)
7 A 前半の振り返り
確認テスト
事前学修 ソフトウェア開発プロセスおよび設計で用いる表現手法を再度復習する(4時間)
事後学修 確認テストの誤りを見直し、再度解答する。(3時間)
8 A オブジェクト指向分析
・クラス図
ソフトウェアのパターン設計
・アーキテクチャパターン
・デザインパターン
事前学修 教科書3.4.3「構造図」を読み、同図の概要を把握する(2時間)
事後学修 具体的なシステムの静的構造をクラス図を用いて表現してみる(2時間)
9 A ソフトウェアテスト
・単体テスト,統合テスト
・機能テスト
事前学修 教科書5章を読み、ソフトウェアテストの手法を一通り確認する(2時間)
事後学修 プログラムの具体例を用いて,テスト項目を抽出する(2時間)
10 A ソフトウェアテスト
・システムテスト
・非機能テスト
事前学修 教科書5章を読み、前回学んだ内容と合わせてソフトウェアテストの手法を確認する(2時間)
事後学修 ソフトウェアの実例をもとに、テスト項目を抽出する(3時間)
11 A ソフトウェアの品質評価
・ソフトウェア品質特性
・品質管理手法
事前学修 教科書9章を読み、ソフトウェア品質管理の概要を確認する(2時間)
事後学修 これまでに作成したプログラム、利用したソフトウェアの品質評価を行う(4時間)
12 A ソフトウェア開発環境
・ソフトウェア開発ツール
・プロジェクト管理
事前学修 教科書8章,10章を読み、ソフトウェア開発環境手法やプロジェクト全体の管理方法について確認する(3時間)
事後学修 構成管理、コード管理のツールを調べ、その特徴や課題をまとめる(4時間)
13 A 後半の振り返り・総括 事前学修 これまでの学習内容を整理し、不明点を明確にする(4時間)
事後学修 ソフトウェア設計の手法を今後の研究に活かすためには、どのようなプロセスを設定すべきかを考える(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

○修得する資質・能力: 知識・理解力【DP-T-1-1】
・ソフトウェア開発における各種設計モデルを理解している
・ソフトウェア開発にかかる設計図を正しく読み解ける
・ソフトウェア工学の全体像について正しく理解し,説明できる
・ソフトウェア工学に関連する様々な用語を,英単語とその意味も含めて知識として修得している
○修得する資質・能力: 応用力 【DP-T-2-1, DP-T-2-2】
・ソフトウェア開発における設計手法を,適切に活用できる
・自身の設計・開発したソフトウェアの構造を,他者に誤解なく伝え,共有することができる
○修得する資質・能力: 創造力 【DP-T-4-1】
・修得した手法を活用して,ソフトウェア開発のための適切な行動を起こせる
・問題解決の手法として,適切なソフトウェア設計が行える

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 50% 50% 25% 25% 100%
小テスト、小論文 20% 40% 30% 30% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 60% 20% 20% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 51% 24% 0% 0% 24% 100%

教科書・参考書

・教科書:鰺坂恒夫:「ソフトウェア工学入門」,サイエンス社(ISBN:978-4-7819-1193-9)

必要に応じて授業内で利用する資料を、Moodleにて電子資料として配布する。
対面参加の場合は,資料の閲覧に必要,また必要に応じてノートパソコンを利用した活動を行うことがあるので,持参しておくこと.

オフィスアワー

1-220:中原匡哉
金曜日12時40分~13時20分
※アポ無し訪問では不在等で対応できない場合もあるので,要事前連絡.

その他

前提知識:
各プログラミング科目で学ぶ知識を予め習得していることが望ましい.

授業内活動について:
授業では,必要に応じてノートパソコン・スマートフォンを積極的に利用することを想定する.ただし授業目的の利用に限る.

成績評価について:
授業内で適宜実施する小テストについて,その記入内容によって授業参加度を測る.そのため未提出,また記入が不十分な場合は"欠席相当"扱いとすることがある.
なお,授業を5回以上欠席(欠席相当含む),課題の未提出数が半数以上,定期試験未受験の場合は,その他の評価に関わらずE評価とする.

授業計画に記載しているトピックやその分量などは,受講生の理解度に応じて柔軟に変更していくことがあります.授業内で随時連絡.

その他:
今後の社会情勢の変化や学科内の調整等によっては,遠隔授業に切り替える可能性もある.その場合は事前に全員に周知する.
授業の形式については,Moodleにおいても周知するので必ず確認をすること.

実務経験のある教員による授業科目

PG(プログラマー),SE(システムエンジニア),PM(プロジェクトマネージャ)として情報システムの開発・実務経験を有する教員がソフトウェア開発の全体的な流れだけでなく、ソフトウェアの分析、設計、プログラム実装、試験、およびプロジェクト管理方法を説明する。