2025年度前期先端医工学特論

曜日・時限 月曜日3時限 期別 前期 週時間数 0
ナンバリング FL431210
開講学科等 医療福祉工学部-医療福祉工学科
医療健康科学部-医療科学科
教員名 長倉 俊明
長倉 俊明
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e9%95%b7%e5%80%89%e3%80%80%e4%bf%8a%e6%98%8e

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目的

医療現場で使用される治療方法と医療用機器について解説を行う。そのためには臓器の構造・機能と機械の原理と治療応用を学習する。特に生体の構造や機能などの特徴を利用したデバイスは工学だけを学んだだけでは理解できないが、本学のように医学と工学の双方を学んだものだけが理解できるものが多く、なおかつ低侵襲であることが多い。よって、今後使用されるであろうデバイス技術についてもについても学習する。現在最も新しい技術が導入され実践されている心疾患用のデバイスを中心に学習する。
原則は対面授業の予定ですが、COVID-19の状況で遠隔授業に変更することがあります。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 臨床支援技術に必要な実践的知識の基礎(心疾患を中心に)
 心臓の構造
 心臓の生理
 心臓の疾病
事前学修 心臓の疾病を予習(1時間)
事後学修 該当分野などの復習(1時間)
2 A 電磁気学と医療
 電気メスはなぜ切れるのか
 人体は光を通過しないのか
 除細動とキャパシタンス
 医療の電気安全とトランス
事前学修 該当分野などの復習(2時間)
事後学修 電磁気学の復習(2時間)
3 A 臨床支援技術に必要な実践的知識の基礎(心疾患と人工心肺装置)
 人工心肺とは
 人工心肺による治療
 新しい人工心肺装置
 抗血栓治療
事前学修 人工心肺の復習(2時間)
事後学修 該当分野の復習(2時間)
4 AC インターベンションと治療・検査の手技
 PCI
 アブレーション
 ペースメーカーデバイス
事前学修 インターベンションの予習(2時間)
事後学修 該当分野の復習(3時間)
5 A PCI(デバイス)関連機器、他
 材料工学
 高分子化学
 金属工学
  生体材料
  抗血栓剤
事前学修 PCIの予習(2時間)
無機・高分子材料工学
事後学修 該当分野の復習(3時間)
6 A 臨床支援技術に必要な実践的知識の基礎(肺疾患と治療)
COPD
人工肺
ECMO
事前学修 肺疾患の予習(2時間)
事後学修 該当分野の復習(3時間)
7 A 臨床支援技術に必要な実践的知識の基礎(肝疾患)
 肝炎と肝臓癌
 肝臓癌の治療方法の発達
  ハイパーサーミア
  TAE(Transcatheter Arterial Embolization)と、TIPS(Transjugular Intrahepatic Portosystemic Shunt)術など
事前学修 肝疾患の予習(2時間)
事後学修 該当分野の復習(3時間)
8 AC 内視鏡治療(外科的治療を含む)・検査の関連機器
 1内視鏡の歴史
 2内視鏡の技術
 3内視鏡の管理
事前学修 内視鏡の構造と原理予習(2時間)
事後学修 該当分野の復習(3時間)
9 A 内視鏡による治療・検査の手技
 内視鏡による治療・検査
 新しい概念による診断・治療デバイス
  電磁波と医療
  ESDとEMR
事前学修 内視鏡治療の予習(2時間)
肺癌、胃癌、大腸癌
事後学修 該当分野の復習(3時間)
10 A 圧電素子と超音波
 超音波診断装置と応用
 超音波と治療
 超音波診断機器と超音波治療器
事前学修 超音波診断装置の構造と原理を予習(2時間)
事後学修 該当分野の復習(3時間)
11 A ミニマムサージェリについて
低侵襲外科治療について紹介
事前学修 低侵襲治療について予習(2時間)
事後学修 該当分野の復習(3時間)
12 A 臨床支援技術に必要な実践的知識の基礎(腎疾患)
 腎臓の構造と機能
 腎不全治療と医療機器
  人工腎と濾過・拡散
 腎不全と移植治療
事前学修 腎臓(解剖・生理)の予習(2時間)
事後学修 該当分野の復習(3時間)
13 A IT技術と医療デバイス
1病院のIT
2医療とIT技術
3ITを使った診断・治療デバイス
事前学修 情報技術の予習
病院情報システムの予習(2時間)
事後学修 該当分野の復習(3時間)
総括

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

修得する資質・能力:知識・理解【DP-L-1-1】【DP-L-1-2】
 疾病の特徴と医療現場で使用される医療用機器の原理と構造を理解する。
  1そのためには医学的基礎知識と工学的基礎知識を身につける。
  2医療機器は発展し続けるので、それに対応できるような見識を身につける。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 60% 70% 20% 10% 100%
小テスト、小論文 10% 70% 30% 100%
グループワーク 10% 70% 10% 20% 100%
プレゼンテーション 10% 50% 20% 30% 100%
レポート、宿題 10% 70% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 68% 21% 0% 0% 11% 100%

教科書・参考書

臨床工学技士標準テキスト 第4版
金原出版
編集小野哲章他

オフィスアワー

金曜4限(15時?17時)、会議や出張などで不在の場合があります。

その他

原則対面講義であるが遠隔も併用する場合があります。
事前学習
解剖学と生理学
高校物理学の教科書などで電気・電子の分野、さらに無機・有機化学を読んでおくこと。
課題(プレゼンテーション)については講義テーマから課題を与える。

実務経験のある教員による授業科目

臨床現場で医師をしていた教員が、先端診断・治療に用いるデバイスを中心に、工学的な構造・原理だけではなく、生体への適応の際に応用される医学的理由にも言及する。特に生体の構造や機能などの特徴を利用したデバイスは工学だけを学んだだけでは理解できないが、本学のように医学と工学の双方を学んだものだけが理解できるものが多い。よって病院の中でもこれらのデバイスの特徴を熟知した人材は少ない。さらに特筆すべきは患者への負担も少ないことも好条件であり、これらが広く普及している理由でもある。しかしながら教科書も追いついていないほど日進月歩の分野であるので、このようなデバイスを適切に使用するだけではなく、これらのようなデバイスの技術開発ができる人材となることを目標にしている。