2025年度前期生体材料工学

曜日・時限 月曜日4時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング FL231102
開講学科等 医療福祉工学部-医療福祉工学科
医療健康科学部-医療科学科
教員名 水野 裕志
水野 裕志
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%b0%b4%e9%87%8e%e3%80%80%e8%a3%95%e5%bf%97

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目的

医療機器や人工臓器で使用される材料を生体(医用)材料という。生体材料は、生体組織や血液に接触もしくは生体内に埋め込んで初めて生体への効果が発揮できる材料である。生体材料を理解するには、材料の構造や特性を理解するための化学・物理だけでなく、生体に対しては血液凝固や毒性・異物反応などを理解するための医学的知識も必要であると同時に、各医療分野で使用されている医療機器に「どのような材料が使われているのか?」「この材料はどのような目的で用いられているのか?」「どのような性質を持った材料なのか?」などを理解しておく必要がある。この講義では、実際に使用されている生体材料である高分子系・金属系・セラミックス系、さらにタンパク質などの天然高分子系などを取り上げて生体材料について理解することを目的とし、臨床工学技士関連の資格試験問題を理解して解答できるように学修することを目標とする。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A、C ガイダンス(シラバス、評価方法等の確認)
医用材料として条件と医療用デバイス
・医用材料とは
・医用材料の必要条件
事前学修 シラバスを読み、目的、講義計画、到達目標を知る。また、医用材料の必要条件について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 医用材料やその必要条件について復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)

2 A、C 医用材料と医療機器
・人工心臓、人工血管、カテーテル、ステントなど
事前学修 各種医療機器に使われる材料について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 各種医療機器に使われる材料についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
3 A、C 医用材料の安全性と評価方法1
・医用材料のための安全性の保証
・医療機器のクラス分類
・機械的安全性試験
事前学修 医用材料の安全性を保証する規則および医療機器のクラス分類について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 医用材料の安全性を保証する規則および医療機器のクラス分類等についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
4 A、C 医用材料の安全性と評価方法2
・溶出物試験、生物学的安全性試験、無菌試験
・生物由来製品の安全性
事前学修 医用材料の安全性と評価方法について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 医用材料の安全性と評価方法についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
5 A、C 医用材料に求められる生体適合性
・異物反応
・生体反応
・初期(急性)反応、後期(慢性)反応
・生体適合性
事前学修 用材料に求められる生体適合性としての異物反応や生体反応について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 医用材料に求められる生体適合性として異物反応や生体反応についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
6 A、C 高分子系医用材料の基礎と医療応用1
・高分子材料の基礎
・医用材料としての高分子
・合成高分子系の医用材料の種類と用途①
事前学修 高分子材料の基礎および医用材料として用いる高分子について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 高分子材料の基礎、医用材料として用いる高分子およびその種類と用途についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
7 A、C 高分子系医用材料の基礎と医療応用2
・合成高分子系の医用材料の種類と用途②
・天然、生体吸収性高分子の種類と用途
事前学修 医用材料として用いる高分子、天然および生体吸収性高分子の種類と用途について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 医用材料として用いる高分子、天然および生体吸収性高分子の種類と用途についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
8 A、C 金属系医用材料の基礎と医療応用1
・金属材料の基礎
・医用材料としての金属材料
事前学修 金属材料の基礎および医用材料として用いる金属材料について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 金属材料の基礎および医用材料として用いる金属材料についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
9 A、C 金属系医用材料の基礎と医療応用2
・金属系医用材料の種類と用途
事前学修 医用材料として用いる金属材料の種類と用途について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 医用材料として用いる金属材料の種類と用途についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
10 A、C セラミックス系医用材料の基礎と医療応用1
・セラミックス材料の基礎
・医用材料としてのセラミックス材料
事前学修 セラミックス材料の基礎および医用材料として用いるセラミックス材料について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 セラミックス材料の基礎および医用材料として用いるセラミックス材料についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
11 A、C セラミックス系医用材料の基礎と医療応用2
・生体不活性セラミックスの種類と用途
・生体活性セラミックスの種類と用途
事前学修 生体不活性および活性セラミックスの種類と用途について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 生体不活性および活性セラミックスの種類と用途についての知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
12 A、C 再生医療における医用材料の位置づけと応用
・再生医療の基礎
・再生医療の現状と医用材料の役割
事前学修 再生医療の基礎およびその方法と医用材料の役割について、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 再生医療の基礎およびその方法と医用材料の役割についての知識を復習する。(2.5時間)
13 A、C 臨床工学技士関連の資格試験問題を用いた総合的復習
学習到達度の確認
事前学修 これまでの学修内容について復習しておく。(3時間)
事後学修 臨床工学技士国家試験問題を用いて総合的に復習し、生体材料工学に必要となる知識を整理する。(3時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

1)医用材料の種類とその用途を説明できる。
2)医用材料に求められる条件と生体への影響を説明できる。
3)医用材料の安全性について説明できる。 
4)臨床工学技士国家試験問題などが解けるようになる。
5)学習内容を整理したドキュメントを作成できる。
6)学習内容に関連した技術が利用されている応用事例など調べることができる。

〇2024年度以降の入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

〇 2023年度以前の入学生
修得する資質・能力:知識・理解【DP-L-1-1】【DP-L-1-2】
修得する資質・能力:汎用的技能【DP-L-2-1】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 60% 70% 30% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 20% 80% 20% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 20% 100% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 58% 22% 0% 20% 0% 100%

教科書・参考書

【教科書】
・講義内容、臨床工学技士関連の資格試験問題を自主的に行える独自のテキストをmoodleに掲載もしくは配布する。
・上記のテキストとは別に資料プリントを配布することがあります。
【参考書】
・臨床工学技士標準テキスト 新版、金原出版株式会社
・臨床工学講座生体物性・医用材料工学 新版、一般社団法人日本臨床工学技士会教育施設協議会監修、医歯薬出版株式会社

オフィスアワー

【日時】講義期間:月曜日(5限目)
【場所】8号館301(水野の居室):変更することがあります。会議や出張などで不在の場合があります。
【その他】質問等についてはOECUメールで随時受け付けます(google meetなどのビデオ会議アプリケーションを提示することも可能です)。

その他

この講義は、学習状況の確認と要点整理、質疑討論を含めた対面形式です。
社会情勢によっては講義形式を変更する可能性があります。詳細は、moodleにて案内しますので確認するようにしましょう。

実務経験のある教員による授業科目

健康・医薬・医療機器の総合医療系企業における技術開発者としての経験を活かし、医療機器を設計開発するために必要となる医用材料の知識について解説します。
生体材料工学の知識は、臨床工学技士や医療機器エンジニアに重要であり、工学の基礎知識に基づく科目です。工学の基礎、化学、生物、生体物性工学などと合わせて勉強してください。