2025年度前期集中映像・映画概論

曜日・時限 不定期その他 期別 前期集中 週時間数 2
ナンバリング HB130901
開講学科等 総合情報学部-ゲーム&メディア学科
教員名 林 ケイタ
林 ケイタ
職務履歴

目的

19世紀末に誕生した映像技術は、現在に至る百数十年の間に多くの技術革新を経て、多様な映像体験を人々にもたらしました。そして“映像の世紀”と呼ばれた20世紀には、映画・テレビ・ビデオなどが日常的な生活圏内にまで浸透し、一般的なコミュニケーション手段となったのです。映像はその範疇にとどまらない諸分野との交叉を経て、私たちの思考や感性に多大な影響を与え続けていると言えるでしょう。本講義では、映像・映画に関する基礎知識を学ぶ機会として、映画をはじめとした映像コンテンツについて、周辺領域を含めた様々な角度から総論的に概観します。
また、21世紀に入るとコンピュータや携帯端末の加速度的な普及と、通信環境の高速化と相まって、個人が映像をより容易に扱うことができるようになりました。誰もが映像の受け手にとどまらずに送り手(表現者)になる状況が広まってきたのです。そのような現代の映像を取り巻く状況を踏まえながら、映像・映画のあるべき姿や可能性についても模索していきます。自らを送り手の立ち位置に据えて映像・映画に対する認識を深めることも目的です。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 対面 オリエンテーション
「映画の誕生」映画前史ー黎明期の映画初期映画における映像表現
事前学修 シラバスを読んで、授業の目的を理解する。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞した作品や映像装置について考察する。(3時間)
2 対面 映画①
「前衛芸術における映像1」アヴァンギャルド映画の実験
事前学修 ヨーロッパの前衛芸術の動向について下調べする。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞した映像作品について考察する。(3時間)
3 対面 映画①
「前衛芸術における映像2」ドイツ表現主義とソビエト・モンタージュ派
事前学修 脚本に注目して映画を鑑賞してくる。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞した映像作品について考察する。(3時間)
4 対面 映画②
「ハリウッドの黄金期の映画」娯楽映画とスタジオ・システム
事前学修 ハリウッド黄金期(1920~1950年代)の映画の特徴について下調べする。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞賞した映画について考察する。(3時間)
5 対面 映画②
「日本の美意識と映画」日本映画の表現形式 
事前学修 日本の映画監督(溝口健二、小津安二郎、黒澤明等)の映画を鑑賞してみる。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞した映画について考察する。(3時間)
6 対面 映画②
「拡張する映画」実験映画とその周辺
事前学修 実験映画を制作した映画監督・美術家について下調べする。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞した実験映画・映像作品について考察する。(3時間)
7 対面 芸術と映像
「美術と映像」現代美術における映像表現
事前学修 近代から現代にいたる美術史について下調べする。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞した映像作品・現代美術作品について考察する。(3時間)
8 対面 芸術と映像
「デザインと映像」モーション・グラフィックス
事前学修 デザインと映像の関係性について下調べする。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞した映画のタイトルシークエンスなどについて考察する。(3時間)
9 対面 芸術と映像
「音楽と映像」ヴィジュアル・ミュージック
事前学修 音楽と映像の関係性について下調べする。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞したMVなどについて考察する。(3時間)
10 対面 技術と映像
「テクノロジーと映像」映像技術が可能にするヴァーチャルな世界
事前学修 映画やゲームなどで使われているCGIについて下調べする。(1時間)
事後学修 授業で取り扱った映像や技術について考察する。(3時間)
11 対面 技術と映像
「情報伝達装置としての映像」デジタルサイネージが作り出すヴィジュアルスケープ
「映像がもたらす祝祭性」公共空間における映像イベント
事前学修 街中で見かける映像について事例とその効用について下調べする。(1時間)
プロジェクションマッピングの事例に関して下調べしてくる(1時間)
事後学修 授業で取り扱った事例について考察する。(2時間)
授業で取り扱った映像・イベントについて考察する。(3時間)
12 対面 社会と映像
「広告と映像」消費社会における映像、広告的発想と表現手法
「記録と映像」ドキュメンタリー映像にみる記録と記憶
事前学修 過去のCFについて変遷とその特徴について下調べする。(1時間)
ドキュメンタリー映画を鑑賞してみる。(1時間)
事後学修 授業で鑑賞したCFについて考察する。(2時間)
授業で取り扱ったドキュメンタリー映像および事例について考察する。(4時間)
13 対面 社会と映像
「サイバー空間と映像」SNSを取り巻く映像体験
まとめ
事前学修 SNS上での自らの映像体験について振り返ってみる。(3時間)
事後学修 授業で鑑賞した映像および事例について考察する。(4時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

1)過去から現在に至る映像・映画の歴史を認識できる。
2)映像・映画の幅広い制作理論・技法の存在を認識できる。
3)映像・映画と関わりのある周辺領域との関係性について認識できる。
4)映像・映画が利用されている様々なメディアの存在を認識できる。
5)映像・映画の芸術性と社会性について双方から考察することができる。
6)現代社会に及ぼす映像・映画の影響と可能性について考察することができる。


1)過去から現在に至る映像・映画の歴史を認識できる。
2)映像・映画の幅広い制作理論・技法の存在を認識できる。
3)映像・映画と関わりのある周辺領域との関係性について認識できる。
4)映像・映画が利用されている様々なメディアの存在を認識できる。
5)映像・映画の芸術性と社会性について双方から考察することができる。
6)現代社会に及ぼす映像・映画の影響と可能性について考察することができる。

科目に関連するディプロマポリシー項目
〇2024年度以降入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

〇 2023年度以前の入学生
修得する資質・能力: コミュニケーション力 【DP-F-2-1】 【DP-F-2-2】
態度・志向力 【DP-F-3-1】
創造力 【DP-F-4-1】
本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 40% 80% 20% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 40% 60% 40% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 20% 50% 50% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 66% 34% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

教科書は特にありません。授業内容に沿った資料等を配布・配信します。
参考書・参考文献については授業内で随時提示します。

オフィスアワー

質問等がある場合、授業後およびメールで受け付けます。授業内で周知するメールアドレスを利用してください。

その他

各回授業中および授業後に提出するワークシートの記述内容に対して、次回授業でフィードバックします。

実務経験のある教員による授業科目

映像作家、映像制作・デザインを専門とする、株式会社法人の代表としての経験と知識を活かし、映像・美術業界の現状を紹介しつつ、理論と実践、さらに理論を超える総合的試行を目指す包括的な授業内容としている。