2025年度前期コスチュームデザイン

曜日・時限 木曜日3時限 期別 前期 週時間数 0
ナンバリング HB430219,HW430219
開講学科等 総合情報学部-デジタルゲーム学科
総合情報学部-ゲーム&メディア学科
教員名 田川 とも子
田川 とも子
職務履歴

目的

 本科目は「コスチュームデザイン」というタイトルです。
 ただし、デザイン企画や型紙起こしや縫製実技などは行いません。ヒトがまとう服飾をさらに広義にとらえ、多角的な視点からメディアとしての身体を考えていく講義です。

 ヒトの奇妙な形の身体は、衣服をまとうことで社会的かつ人間的なものとなります。着衣を前提とするからこそ、裸体にも大きな意味が生じます。服飾は人を人間たらしめる文化的行為であり、モードやファッションは私たちを支配する目に見えぬコードといえるでしょう。人体の誕生とその理解の歴史、ファッションの登場、服の暗示する符号、ピアスやタトゥの本来の理由、美容のための整形手術、デザインの役割と意味、コスプレという倒錯技法などから、21世紀における「盛り」と「映え」にいたるまでを概観し、究極的には人類の文化の本質に迫っていきます。

 本科目に触れることで、身体と世界の間にあるものについて理解し、コスチュームというインターフェイスを生身の肉体とグローバルな世界へ繋ぐ思考の筋力を身につけられます。
 リアルな人体の構造、身体変工の根拠、服飾のコード等の知識の裏付けは、ゲームやアニメーションをクリエイトする際にもそのクオリティを高め、受容するときにも愉楽を深めるでしょう。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A オープニング : ヒトの身体は星のカケラ 事前学修 シラバスを読んで、疑問符と好奇心を大きくふくらませておく(2時間)
事後学修 想定外の講義に大いに混乱しつつ、授業内容を反芻し更にイメージを膨らませておく(2時間)
2 A 人体のかたちとその成立 : 裸のサルが服を着るヒトになるまで 事前学修 人類の誕生に思いをはせ、ホモサピエンスになるまでの過程を下調べする(2.5時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2.5時間)
3 A 身体観の医学史的な変遷 :  ルネサンス時代の解剖学による静的人体とバロック時代の生理学による動的人体 事前学修 現在のような医学が発達する以前の身体観について想像をめぐらせておく(2.5時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2.5時間)
4 A モード化,ボーダレス化する時代へ : 自由な服が着られるということ 事前学修 流行がうまれてくる背景について、あらかじめ条件などを考えておく(2時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2時間)
5 A デザインとは何か : プラスティック化する現在 事前学修 身のまわりにあるプラスチック製品の特性について、考えておく(2.5時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2.5時間)
6 A 民俗的な身体加工から個票的な加工身体へ : ボディデザインの諸相と文身のもつちから 事前学修 紀元前の人がほどこしていた身体加工と、現在のピアスやタトゥなどのモチベーションの違いは何かなどを、考えておく(2.5時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2.5時間)
7 A アイドルの国:日本語の纏う「コスチューム」と日本文化 事前学修 みずからがそこに含まれている日本文化を客観的にまなざす準備をしておく(2時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2時間)
8 A オタクの国:サブカルチャーとコスプレという身体技法 事前学修 オタクという言葉は常用されているが、その歴史や定義について自分なりの言葉を探しておく(2.5時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2.5時間)
9 A 「量産型」の時代 : 盛りと映えと加工という自己デザイン 事前学修 インスタグラムやSNSなどで見られる加工の背後にある欲望や目的を考えておく(2.5時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2.5時間)
10 A バレエの衣装の変化 : トゥシューズとチュチュのもたらすイメージ 事前学修 いわゆる古典的なバレエ(「白鳥の湖」など)の映像を見ておくなど、バレエのイメージをふくらませておく(2時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2時間)
11 A 道化師の衣装や異性装 : アトリビュートとしての服 事前学修 ピエロやクラウンの特殊な衣装とその共通点を思い描いておく。(2.5時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2.5時間)
12 A 異性装の歴史とその生業:カストラートとヒジュラ 事前学修 異装の歴史や必然性について想像をしておく(2.5時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2.5時間)
13 A アンコール 事前学修 いままでの講義内容のカオスをいったん整理しておく(2時間)
事後学修 授業内容を反芻し、解釈を急がず気になる箇所などを調べ、面白いと思う部分について考えておく(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-W-1-1】【DP-B-1-1】
 ・コスチュームをまとう支持体としての人体と、そのデザインについて説明できる。
〇修得する資質・能力:態度・志向力【DP-W-3-1】【DP-B-3-1】
 ・コスチュームをまとう支持体としての人体と、そのデザインについて、その社会性も含めて系統立てできる。
〇修得する資質・能力:創造力 【DP-W-4-1】【DP-B-4-1】
 ・コスチュームがコード(規範)であり、デザインがサイン(記号)に関わるものであることを関係づけできる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 50% 20% 20% 10% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 10% 70% 20% 10% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 20% 70% 20% 10% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 56% 14% 0% 20% 10% 100%

教科書・参考書

特に指定しません。
講義内でその都度参考となる文献を紹介します。手書きのレジュメを毎回配布する予定。

オフィスアワー

質問等がある場合、授業終了後に受け付けます。
また、授業内で周知するメールアドレスを利用してください。

その他

毎回コメントシートを回収し、翌週にフィードバックする時間を少し設けます。
授業計画にあげたトピックスは順番が前後する可能性もあり、時事的な話題も入れていくなど変動もあることをご了承ください。

実務経験のある教員による授業科目