2025年度前期ゲーム開発実習

曜日・時限 木曜日1時限,木曜日2時限 期別 前期 週時間数 4
ナンバリング HB330710,HW330710
開講学科等 総合情報学部-デジタルゲーム学科
教員名 沼田 哲史
沼田 哲史
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%b2%bc%e7%94%b0%e3%80%80%e5%93%b2%e5%8f%b2

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目的

本授業ではゲーム開発の実習を通じて、ゲームの多彩な要素を幅広く学びます。受講生は、提供されたサンプルゲームのコードを解析・改良しながら、プログラミングやシステム設計など実践的なスキルを獲得します。

また、アーケードゲームを題材として、その特徴や設計思想を理解しつつ、ゲームの歴史的背景やジャンルごとの進化を振り返ります。これにより、ゲームがどのような文化的・技術的変遷を経てきたかを探究する姿勢を身につけます。

さらに、ゲームデザインの基礎であるカメラ、ライティング、フォント、配色について学び、視認性やUI設計を考慮した開発手法を理解することを目指します。こうした知識の積み重ねによって、よりユーザーにとって遊びやすいゲームを設計できるようになります。

最終的には、各自がコードやデザインを改良したオリジナル作品を制作し、作品をポートフォリオとしてまとめることを目標とします。このプロセスを通じて、完成度の高いゲームを制作すると同時に、開発の過程で培った技術やデザイン力を体系的に整理する力も養います。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 授業ガイダンス:イントロダクション・環境設定
・授業の流れ・評価基準の説明 / 開発環境の確認
・サンプルゲームの紹介・基本構造の説明
事前学修 C++の基本的な文法を復習し、ゲーム開発でよく使う構造に慣れる。(1時間)
事後学修 授業で学んだ内容を整理し、基本的なコードを実際に書いて試す。(1時間)
2 A,C ゲームの基本設計とコード解析
・OpenGLやDirectX, WebGLなどのグラフィックスAPIの基礎(描画・座標系)
・ゲームループとクラス構成の解析
事前学修 前回の授業で学んだコードを復習し、グラフィックスAPIに関連する情報を調べる。(1時間)
事後学修 授業で学んだ概念を実際にコードに書き起こし、動作を確認する。(1時間)
3 A,C,E デザインの基礎1: カメラとライティング
・実際のカメラの基本と3Dゲームにおけるカメラ操作(視点移動・拡大縮小)
・照明(ライティング)の基礎と演習
事前学修 前回の授業で学んだコードを復習し、カメラやライティングに関連する情報を調べる。(1時間)
事後学修 カメラの移動や拡大縮小を実際に使用し、プレイヤーの動きに応じて視点が変化するようにする。また、カメラの特性を様々に変化させ、表現の変化の仕方を確認する。(1時間)
4 A,C,E デザインの基礎2: フォントとUI
・フォント描画・スコア表示の実装
・HPゲージ・メニューの作成
事前学修 前回の授業で学んだコードを復習し、グラフィックス・デザインのフォントや、ゲームのスコア表示などのUIに関連する情報を調べる。(1時間)
事後学修 フォント描画とスコア表示を実装し、ゲーム内で視認しやすいレイアウトを検討する。(1時間)
5 A,C,E デザインの基礎3: 配色と視認性
・カラー理論(コントラスト・補色)
・UI・背景の配色調整と実装
事前学修 前回の授業で学んだコードを復習し、カラー理論やUIの配色に関連する情報を調べる。(1時間)
事後学修 カラー理論を適用し、UIや背景の配色を調整して視認性を向上させる。(1時間)
6 A,C,E 敵の行動パターン改良1
・敵の基本AI・移動パターン(ジグザグ・円運動)
・敵のフォーメーションと攻撃パターンの追加
事前学修 事前学修: 前回の授業で学んだコードを復習し、敵の動かし方や単純なAIの実装方法に関連する情報を調べる。(1時間)
事後学修 授業で学んだ敵の移動や攻撃などのパターンを実装し、様々なフォーメーションを試してみる。(1時間)
7 A,C,E 敵の行動パターン改良2
・敵のランダム性・プレイヤー追尾AI
・出現タイミング・バランス調整
事前学修 前回の授業で学んだコードを復習し、ゲームにおける乱数の使い方やプレイヤー追尾のアルゴリズムに関連する情報を調べる。(1時間)
事後学修 授業で学んだ敵のランダム性について考慮しながら、自分のゲームにおける敵の出現タイミングやバランス調整を行う。(1時間)
8 A,C,E 弾の制御と改造
・プレイヤーの弾・敵の弾の基本(発射角度)
・ホーミング弾・拡散弾の実装
事前学修 前回の授業で学んだコードを復習し、シューティングゲームにおける弾の発射方法やホーミングの実装に関連する情報を調べる。(1時間)
事後学修 授業で学んだ弾の動きの実装方法をもとに、オリジナルの弾の動きを考案し、自分のゲームに実装する。(1時間)
9 A,C,E UIとスコア管理の実装
・スコアの加算・保存
・スコアランキングとランキング表示
事前学修 前回の授業で学んだコードを復習し、ゲームで使用されるユーザインタフェース部品やその実装に関連する情報を調べる。(1時間)
事後学修 授業で学んだスコアの管理方法について、フローチャートなどの図を書いて整理し、自分のゲームへの適用方法を模索する。(1時間)
10 A,C,E アーケード風の演出(エフェクト)
・画面フラッシュ・爆発エフェクト
・背景スクロール・UIの点滅
事前学修 前回の授業で学んだコードを復習し、ゲームにおける様々なエフェクトの種類や使われ方に関連する情報を調べて、ノートなどにまとめる。(2時間)
事後学修 授業で学んだエフェクトの実装方法や使い方を踏まえて、自分のゲームに適切なエフェクトを取り入れる。(2時間)
11 A,C,E アトラクトモード(デモプレイ)
・タイトル画面の動き・自動デモ再生
・コンティニュー画面・クレジット管理
事前学修 前回の授業で学んだコードを復習し、2?3個のゲームを起動したあとの動きを確認して、実際のゲームにおけるタイトル画面の動きを確認する。(1時間)
事後学修 授業で学んだタイトル画面の構成方法や自動デモ再生の考え方を踏まえて、自分のゲームにそれらの要素を実装する。(2時間)
12 A,C,E これまでの制作物をポートフォリオにまとめる。 事前学修 これまでのゲーム制作状況を振り返り、そのポイントをノートにまとめておく。(1時間)
事後学修 課題提出に向けて、これまでに実装したゲームのブラッシュアップと、ポートフォリオの作り込みを行う。(2時間)
13 A,F まとめ・総評 事前学修 授業の全体の内容と、自分が課題として制作した内容を振り返り、この授業を通して学んだことを考えてノートにまとめる。(1時間)
事後学修 授業内で提示されたフィードバックを受けて、自分が制作したゲームの改良点を挙げて、ノートにまとめる。さらに時間があれば、実際にその改良に着手する。(1時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

○ 修得する資質・能力:知識・理解 【DP-W-1-1】
 ・ゲームの企画に沿った形で、ゲームのルール設定やそれを含むシステム全体をプログラムの実装として落とし込むことができる。
 ・ユーザインタフェースの設計にあたって、デザインの基本要素である、色彩、形、配置について理解できる。

○ 修得する資質・能力:汎用的技能 【DP-W-2-2】
 ・「見やすい」「分かりやすい」「読みやすい」ということがどういうことかを適切に理解し、ゲームをユーザにプレイしてもらうために適切なユーザインタフェースを設計できる。

○ 修得する資質・能力:態度・志向性 【DP-W-3-3】
 ・日々急速に変化していくゲーム開発技術について、最新の動向を把握し、その背景や応用可能範囲を考えられるようになること。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 50% 70% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 50% 50% 30% 20% 100%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 60% 30% 0% 0% 10% 100%

教科書・参考書

・教科書はありません。
・必要な資料、参考書はMoodleで告知します。

オフィスアワー

・オフィスアワーは火曜日のお昼休み、教員室(10号館206)で実施します。
 ※学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性があります。
  事前に numata@osakac.ac.jp までメールでご連絡いただくのが確実です。

・授業のMoodleに「授業に関する質問・相談」のトピックを設け、随時、質問・相談を受け付けます。
 ※回答は授業期間中の平日9:30〜17:00に行います。

その他

・授業内容の理解を確認するためのプログラミング課題の提出があります。提出物は返却しませんが、内容チェックのうえ、授業内で良い回答の紹介や、改善が必要なポイントの解説を行います。
・出席回数が8回未満の場合は、D評価とします(これは予定なので再設定することがあります)。

実務経験のある教員による授業科目

この授業を担当する沼田は、プログラミングに関する書籍を多数執筆・出版しており、プログラミングの教材開発やソフトウェア開発に関する研究が専門です。