2025年度後期生体物性工学

曜日・時限 金曜日2時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング FL231103
開講学科等 医療福祉工学部-医療福祉工学科
医療健康科学部-医療科学科
教員名 松村 雅史
松村 雅史
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%9d%be%e6%9d%91%e3%80%80%e9%9b%85%e5%8f%b2

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目的

生体物性工学では、生体計測学、臨床検査機器、医用治療機器、医用機器安全管理学の基礎となる医用電子工学の内容、具体的には生体組織に力が加わるとどうなるか(変形、破壊?)、電流を流すとどうなるか(ビリビリ感じる?)、光を照射するとどうなるか?など生体組織の特性や反応について学びます。学生の皆さんが主体的に生体物性に関する現象や物理現象がイメージできるように実験動画を示し、生体情報計測、治療機器、医用安全管理、健康機器開発に必要な生体物性の基礎知識を修得することを目的としています。
生体物性には、生体が外部から物理エネルギーを加えられたとき、細胞や組織に表れる受動的特性と、生体が反応して細胞や組織が種々のエネルギーを生じる能動的特性があります。授業では、生体の電気特性、生体の磁場に対する特性、生体の光学的特性、放射線の人体への影響、生体の力学的特性、生体の振動および超音波に対する特性、人体の産熱と放熱などの生体物性(能動的特性と受動的特性)に関する知識を身につけます。また、臨床工学技士国家試験出題基準にある生体物性工学分野に関する知識・問題解法について学びます。医療機器の動作の理解、開発・設計の基礎知識を修得すると共に新しいアイディアの知能情報システム開発を目指す知識を身につけます。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C ガイダンス、人体を構成する物質 細胞の電気的特性
事前学修 シラバスを読み、目的、授業計画、到達目標を知る(1時間)

事後学修 生体組織の構造、特性に関する知識を確認する(3時間)
2 A,C 生体組織の電気的特性1(細胞の電気的特性と等価回路モデル、周波数特性) 事前学修 能動的特性、膜電位、興奮現象について調べる(1時間)
事後学修 生体の電気的特性に関する課題を行う(3時間)
3 A,C 生体組織の電気的特性2(拡散電位、活動電位、イオン輸送、膜電位に関する回路モデル 活動電位の伝わる仕組み)
事前学修 拡散電位、活動電位、イオン輸送について調べる(1時間)
事後学修 生体の電気的特性に関する課題を行う(3時間)
4 A,C 生体組織の電気的特性(クロナキシ マクロショック ミクロショック 感知電流と周波数)、電気的特性1(重点課題)
事前学修 膜電位に関する回路モデル 活動電位の伝わる仕組みについて調べる(1時間)
事後学修 生体の電気的特性に関する課題を行う(3時間)
5 A,C 生体組織の電気的特性(重点課題2と3)
事前学修 クロナキシ マクロショック ミクロショック 感知電流と周波数について調べる(1時間)
事後学修 電気的特性に関する課題を行う(3時間)
6 A,C 生体組織の機械的特性(応力、ひずみ)、粘弾性特性 事前学修 機械的特性(応力、ひずみ)について調べる(1時間)
事後学修 機械的特性(応力、ひずみ)に関する課題を行う(3時間)
7 A,C 循環器系の機械的特性(流体運動)、循環器系の機械的特性(血圧と脈波)
事前学修 循環器系の機械的特性(流体運動)について調べる(1時間)
機械的特性(血圧と脈波)について調べる(1時間)
事後学修 循環器系の機械的特性(流体運動)に関する課題を行う(3時間)
機械的特性(血圧と脈波)に関する課題を行う(3時間)
8 A,C 生体の音響的特性(音の物理、超音波特性、音声生成と聴覚) 事前学修 音響的特性(音の物理、超音波特性)について調べる(1時間)
事後学修 音響的特性(音の物理、超音波特性)に関する課題を行う(3時間)
9 A,C 生体の光学的特性(波長、反射、吸収、散乱)、視覚系(立体視)
事前学修 光学的特性(波長、反射、吸収、散乱)について調べる(1時間)
事後学修 光学的特性(波長、反射、吸収、散乱)に関する課題を行う(3時間)
10 A,C 熱特性(熱伝導、熱放散、熱変性) 事前学修 熱特性(熱伝導、熱放散、熱変性)について調べる(1時間)
事後学修 熱特性(熱伝導、熱放散、熱変性)に関する課題を行う(3時間)
11 A,C 生体と放射線1(X線、ガンマ線、粒子放射線)
事前学修 放射線の測定法、生体作用について調べる(1時間)
事後学修 生体と放射線に関する課題を行う(3時間)
12 A,C 生体と放射線2(生体作用、放射線感受性、放射線治療と画像診断技術)
事前学修 放射線の生体作用、放射線感受性と放射線障害、放射線治療と画像診断技術について調べる(1時間)
事後学修 生体と放射線に関する課題を行う(3時間)
13 A,C 生体物性工学(細胞、電気的特性、機械的特性、音響的特性、光学的特性、熱的特性、放射線と生体)の総括と学修到達度を確認する問題(小テスト)
事前学修 細胞、電気的特性、機械的特性、音響的特性、光学的特性、熱的特性、放射線と生体について調べる(5時間)
事後学修 細胞、電気的特性、機械的特性、音響的特性、光学的特性、熱的特性、放射線と生体に関する課題を行う(1時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

臨床工学技士国家試験、ME技術実力検定試験の「生体物性」に関する知識を修得します。

(1)生体組織の構造、能動輸送について説明することができる。
(2)生体組織の電気的特性、力学的特性について説明することができる。
(3)生体組織の物理的な計算を行い、説明することができる。
(4)生体組織の特性に基づき電気安全や医用治療機器の動作原理について説明することができる。
(5)医療に関連する最新技術を調べることができる。

〇2024年度以降の入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

〇 2023年度以前の入学生
知識・理解【DP-L-1-1】、【DP-L-1-2】、【DP-L-1-3】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 80% 50% 50% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 20% 60% 20% 20% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: ME技術実力検定試験などの結果、:::::::::::::::::::::::::::::: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 52% 44% 0% 4% 0% 100%

教科書・参考書

教科書:
1)生体物性工学の要点をまとめたオリジナルテキスト(学務課で配布)


参考書:
1)新版臨床工学技士標準テキスト、医歯薬出版株式会社
  臨床工学技士国家試験の出題基準(令和3年)に基づいた標準テキスト

オフィスアワー

火曜日、水曜日5限、松村研究室
会議などで不在の場合があります。質問等についてはOECUメールでも対応します。
授業に関する情報(スケジュール、資料など)はMoodleで提供します。

その他

(1)学習状況の確認と要点整理(オリジナルテキストの整理)、質疑討論のために面接の機会を設けます。
面接日はMoodleにて案内しますので、確認するようにしましょう。

(2)臨床工学技士国家試験については、国家試験の出題基準が公開され(令和3年度臨床工学技士国家試験出題基準、医療機器センター)、国家試験科目として「生体物性材料工学」が明記されています。また、ME技術実力検定試験(第1種、第2種)の出題分野に生体物性に関する出題があります。「生体医工学基礎実習」と関係しており、合わせて学ぶことで理解が深まります。

実務経験のある教員による授業科目