2025年度前期3Dグラフィックス演習2

曜日・時限 金曜日3時限,金曜日4時限 期別 前期 週時間数 0
ナンバリング
開講学科等 総合情報学部-デジタルゲーム学科
教員名 和田 真一
和田 真一
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e5%92%8c%e7%94%b0%e3%80%80%e7%9c%9f%e4%b8%80

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目的

3DCGのデジタル彫刻分野における事実上の標準アプリケーション「ZBrush」の基本を習得済みの学生を対象にした、より高度で応用的な機能と操作方法を学びます。既に習得済みの機能と本科目で新しく習得する機能を使用し、素体の作成から最終課題であるヴィネット(ミニジオラマ)の制作までを講義内容とします。素体の作成には正しい美術解剖学の知識が必要となりますので、ZBrushの学習と同時に美術解剖学の講義も行います。
「3Dグラフィックス演習1」の内容を修得していることを前提にして授業が構成されています。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,E ZBrush基本機能復習とスピードスカルプト
前年度に習得済みの基本機能をまとめて復習し、スピードスカルプト課題としてテーマに沿った造形物を作成します。
事前学修 前年度の授業内容を見直し、学習済みの機能を再度確認しておく。(1時間)
事後学修 提出したスカルプトモデルを見直し、追加できる要素があれば追加スカルプトをする。(1時間)
2 A,E Sculptris Pro詳解
SculptrisProについて詳細まで学びます。Grid機能を使用しリファレンス画像を元にしながらオブジェクトを彫刻する方法を学習します。
ヴィネットの制作説明をし、コンセプトアートの制作について解説します。
事前学修 「ZBrush Sculptris」といったワードでインターネット検索し予習しておく。人体の頭蓋骨の資料を収集しておく。(1時間) 
事後学修 第2回で説明されたヴィネットのコンセプトアートを制作しておく。(2時間)
3 A,E モーフィング                                        
形状を変形させるモーフィングについて学び、それを彫刻に活かす方法を学びます。
ヴィネットコンセプトアートチェック。主役のデザイン画を描く。 
事前学修 「ZBrush モーフ」といったワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間) 
事後学修 ヴィネットのコンセプトアート「主役のデザイン画」を制作しておく。(1時間)
4 A,E スカルプトレイヤー                                        
スカルプトレイヤー機能について学習します。レイヤーはスカルプト、ポージング、ポリペイントに使用します。
ヴィネットの世界観を膨らませる。                                
事前学修 「ZBrush レイヤー」というワードでインターネット検索し予習しておく。コンセプトアートの世界観を設定して、出来る限り作成しておく。(1時間)
事後学修 ヴィネットのコンセプトアート「世界観を膨らませる」を制作しておく。(1時間)
5 A,E サーフェースノイズ・UV                                        
サーフェイス上にランダムにノイズを発生させたり、パターンを発生させスカルプトやポリペイントに変換することができるサーフェースノイズについて学習します。
ヴィネットのライティング・質感を設定します。
SubstancePainterの基本を学習します。
事前学修 「ZBrush サーフェースノイズ」というワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 ヴィネットのコンセプトアート「ライティング・質感」を制作しておく。(1時間)
6 A,E Live Boolean                                        
3D形状の足し算、引き算、掛け算となる「Boolean」機能について学習します。
ヴィネットの主役の三面図を描く。3Dラフモデルを作成する。
SubstancePainterによるスピードペイント課題を実施します。
事前学修 【YouTube】BLESTARch
「ZBrush4R8 新機能解説 #3 Live Boolean」をYouTubeで検索し視聴しておく(1時間)
事後学修 ヴィネットのコンセプトアート「主役の3面図」を制作しておく。(1時間)
7 A,E SubToolフォルダ                                        
SubToolのフォルダ作成・管理機能と、それに付随する多様な機能を学習します。
ヴィネットの主役以外の設定を考えます。
Substanece Painterによるマテリアルベイクを学習します。
事前学修 「ZBrush SubToolフォルダ」というワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 ヴィネットのコンセプトアート「主役以外の設定」を制作しておく。(1時間)
8 A,E Deformers                                        
Gizmo3Dに搭載されているメッシュ変形機能Deformersについて学習します。
ヴィネットの具体的な制作方法や部分スケッチの作成をします。
事前学修 【YouTube】BLESTARch
「ZBrush4R8 新機能解説 作例」No1~5をYouTubeで検索し視聴しておく。(1時間)
事後学修 ヴィネットのコンセプトアート「具体的な制作方法やスケッチ」を制作しておく。(1時間)
9 A,E ZRemesher詳解                                        
ZBrushでスカルプト作品をつくる上で避けては通れないMulti-Resolution Mesh Editingについて学習します。それにともなって必要なZRemesher、Projectの機能も解説します。
学習した機能を使用してのヴィネット制作。
事前学修 「ZRemesher」というワードでインターネット検索し予習しておく。(1時間)
事後学修 ZRemesherのメリット、UVとの連携、ハイポリディテールの転送について実践しておく(1時間)
10 A,E アルファ詳解                                        
アルファ画像を使用した様々なディテールスカルプト方法を学びます。2Dアルファ、3Dアルファ,Xtractorブラシ
学習した機能を使用してのヴィネット制作。
事前学修 3Dグラフィックス演習1で学んだアルファの基本について復習し、備えておく。(1時間)
事後学修 制作しているヴィネットにアルファをどのように活用できるのかを検討し、実践する。(1時間)
11 A,E 多様な機能を組み合わせたTips                                        
これまでに学んできた既存の機能や新機能を組み合わせて作業を効率化するための多様な方法、技術を学習します。
事前学修 これまでに学習してきたZBrushの機能を復習し、組み合わせた操作に対応できるようにしておく。(1時間)
事後学修 ヴィネットの制作を進める(2時間)
12 A,E 最終課題ヴィネット制作① ヴィネット要素チェック                                         
第3回から継続して制作を行っているヴィネット制作の最終段階に入ります。
最終課題ヴィネット - シルエットチェック、再考。
事前学修 これまでに制作してきたヴィネットの再確認を行っておく。(1時間)
事後学修 ヴィネットの制作を進める(2時間)
13 A,E,G 最終課題ヴィネット制作② ヴィネットシーン構築                                         
作成してきた部品オブジェクトを一つに構成し、ヴィネットシーンとしてまとめます。
最終課題ヴィネット - ヴィネットシーン構築。
事前学修 ヴィネットの各サブツールを確認しておく。(2時間)
事後学修 最終課題で出来なかったこと、やりたかったことをリストアップしておく。(1時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

(1)専門知識・技能を修得し、実践する力
・ZBrushの応用的操作ができる
・制作する造形物のコンセプトアートを描くことができる
・ZBrushを使用してヴィネットをデジタル彫刻し、作成することができる
(3)課題を発見し、問題を解決する力
・デザイン画に沿って3Dデジタル彫刻ヴィネットを作成することができる
・演習のテーマに合わせた小作品を作成することができる

(5)自らを律し、学び続ける力
・理解が難しい部分を言語化し、振り返って調べられる習慣を身に付けることができる
・デジタルツールに対しての親和性を理解できる

本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目
〇2024年度以降入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 10% 25% 25% 25% 25% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 40% 60% 10% 30% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 50% 25% 25% 25% 25% 100%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 39% 19% 0% 27% 15% 100%

教科書・参考書

教科書
使用しない

参考書
BLESTAR ZBrush ベーシック
スカルプターのための美術解剖学
フィギュアスカルプティング 粘土で作る全身像:アナトミーと面からの構築
ZBrush キャラクター&クリ―チャ― - ZBrush Characters & Creatures 日本語版
ZBrushフィギュア制作の教科書
The Art of Mystical Beasts ZBrush、Photoshopほか、デジタル技法で描く幻獣アート
THE ART OF INEI CONCEPTART REVISION

オフィスアワー

○オフィスアワー(授業期間中)について
月曜日17:45-18:45 対面またはオンラインにておこなう。
対面:6号館3階6-322和田教員室  
オンライン:Google Meetを使用
※授業期間外、オフィスアワー以外の時間以外に質問がある場合は、授業内および事前に、メールでアポイントメントをとることが望ましい。
※学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が不在の可能性がある。

その他

本授業は2単位の科目であるため、30時間以上の授業外学修が求められる。
「事前・事後学修」に取り組むこと。毎回の授業内容を丁寧に復習し、次回の授業に向けて予習をすること。
最終課題では、ZBrushを使用してヴィネットを作成します。前もって自分の作りたいオリジナルキャラクターのデザインを考え、造形に必要な資料を集めておくようにしてください。版権モノなど二次創作は禁止です。
3Dモデルを作成するにあたって、2Dドローイングによるコンセプトアートを描いてもらいます。絵を描こうとしない方には単位習得が難しい科目となります。
本科目は同系統の科目の中で最も難易度が高く学修要素が多い授業となります。毎時間の講義内容の積み重ねによって、最終課題を作成することができる技術が身につきます。一日の欠席が技術の習得に大きく影響を及ぼします。積極的にノート(アナログ、デジタル不問)をとり、わからない部分がでてきた場合には積極的に質問し、すぐに解消していくようにしましょう。
原則、欠席した授業回の課題提出は必要ありません。また、後からの提出も受け付けません。(やむを得ない事情がある場合は個別に相談してください)

○履修条件
・担当教員和田の「3Dグラフィックス演習1」を履修し、単位を修得済みの方が本科目を履修できます。(2024年から履修ガイドに記載)条件を満たしていない方の履修は削除しますので気を付けてください。
○受講人数
・演習室環境の収容可能人数により、履修制限を行う可能性があります。
○講義・課題のフィードバック
・提出された課題は、フィードバック(必ずしも全員フィードバックというわけではない)と共にクラスで共有されます。
・課題制作に必要となる材料などは、その都度連絡し学生各自にて用意する。
・授業内容については、理解度・進捗等を見て変更する場合がある。
・このシラバスの内容は既に修得しているという方は、個別に相談してください。
○欠格条件等
・原則2/3以上の出席がない場合は不合格とする

実務経験のある教員による授業科目

商業原型としてフィギュア・玩具のデザイン・設計・3D造形。コンシューマーゲームタイトルのコンセプトアート・デザイン制作。大手ゲーム会社、造形会社へのデジタル彫刻技術指導。