2025年度前期道徳教育の理論と方法

曜日・時限 火曜日6時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング
開講学科等 医療福祉工学部-医療福祉工学科
医療福祉工学部-健康スポーツ科学科
医療健康科学部-医療科学科
医療健康科学部-健康スポーツ科学科
総合情報学部-情報学科
教員名 坂本 知宏
坂本 知宏
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e5%9d%82%e6%9c%ac%e3%80%80%e7%9f%a5%e5%ae%8f

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目的

この科目は、教職課程の必修「道徳」に関するものです。受講生各自が、①「道徳と教育」という重要な話題について、自ら考察することができるようになること、また②道徳の指導法を身につけることが、目的です。①考えるためには、その材料である言葉、語彙、用語を知ること、また理論、考え方を習得することが必要です。ここで考える対象は道徳と教育であるため、道徳と教育についての語彙、理論、考え方を、学習指導要領を基本として、授業では講義します。ただし、「考える」は動詞であり、考えることは活動であり、活動は実際に行うこと、練習がなされないかぎり、よりよいものとなりません。そこで、授業においても、受講生各自が考える機会をできる限り設けたいと思っています。②指導法については、指導計画、様々な指導方法(問題解決的学習、体験的学習(役割演技)、ワークシートの活用)、教材活用、評価方法など、具体的事例から学ぶ予定です。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 遠隔A 道徳教育の基礎理論:道徳とは何か。教育とは何か。(教科書8-19) 事前学修 教科書を読む(教科書8-19)。道徳教育についての参考書をのぞいてみる。(3時間)
事後学修 これまで自分が受けた道徳教育を思い出して、授業で学んだ道徳と教育についての考えを捉え直す。(3時間)
2 遠隔A 道徳性と道徳の目標:認知、情動、行動。道徳教育の目標。(教科書20-38) 事前学修 教科書をよむ(教科書20-38)。(3時間)
事後学修 道徳性と道徳の目標について、自分の考えを書いてみる。(3時間)
3 遠隔A 道徳性の発達理論:デューイ、ピアジェ、コールバーグ。(教科書40-49) 事前学修 教科書を読む(教科書40-49)。(3時間)
事後学修 ピアジェ、コールバーグに関する配布資料を読む。(3時間)
4 遠隔A C 道徳性発達理論に基づく道徳教育:モラル・ジレンマ授業。公平性発達検査。役割取得検査。(教科書50-56):小レポート(1) 事前学修 教科書を読む(教科書50-56)。(2時間)
事後学修 道徳性発達理論という心理学理論が、道徳教育に応用されることを整理する。(2時間)
5 遠隔A 道徳教育の計画と基本方針:道徳科の年間指導計画。主体的・対話的で深い学び。(教科書86-109) 事前学修 『学習指導要領』についての配布資料をよむ。(2時間)
事後学修 教育課程全体における道徳教育の位置づけを考えてみる。『学習指導要領』と指導方法について考える。(2時間)
6 遠隔A 道徳科の学習指導:学習指導案。子どもの実態。発問。(教科書112-123) 事前学修 教科書をよむ(教科書112-123)。(2時間)
事後学修 道徳教育の指導方法についての配布資料をよむ。発問の大事さについて考察し、発問を幾つか考案する。(2時間)
7 遠隔A C 道徳教材:教材の類型。ワークシート。(教科書124-132):小レポート(2) 事前学修 教科書をよむ(教科書124-132)。(2時間)
事後学修 道徳教材について学んだ光都をまとめ、具体的な道徳教材を用いて授業案を作る。(2時間)
8 遠隔A 道徳科における問題解決的な学習:討論や議論を中心とした道徳授業。(教科書134-143) 事前学修 教科書をよむ(教科書134-143)。(2時間)
事後学修 問題解決的な道徳授業について、授業案を考えてみる。(2時間)
9 遠隔A 道徳科の授業展開例:中学校の道徳授業例。(教科書154-169)
レポート(1)道徳授業展開例を考案する
事前学修 教科書をよむ(教科書154-169)。(2時間)
事後学修 道徳科の授業展開例を真似て、自分で授業展開を考案する。(2時間)
10 遠隔A C 道徳的指導力:よりよい人間関係。子ども一人一人の成長。(教科書170-177):小レポート(3) 事前学修 教科書をよむ(教科書170-177)。(2時間)
事後学修 道徳的指導力とは何か、捉えなおす。(2時間)
11 遠隔A 道徳の評価:評価における注意点。(教科書180-189) 事前学修 教科書をよむ(教科書180-189)。(2時間)
事後学修 道徳の評価とその注意点を踏まえて、道徳の評価においてすべきこととしてはならないことを整理する。(2時間)
12 遠隔A 指導案と模擬授業:授業指導案の検討。 事前学修 授業指導案を作成してみる。(2時間)
事後学修 作成した指導案を再考する。(2時間)
13 遠隔A 授業全体のまとめ
レポート(2):授業で興味のあったテーマ
事前学修 これまでの授業をまとめてみる。(3時間)
事後学修 授業全体で得た知見を整理する。(3時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

本講義で学生は、道徳教育とその指導方法について学ぶ。
・「道徳」「教育」のそれぞれと、「道徳と教育」の中心問題を理解する。
・道徳の学習において前提となる生徒の人格および認識の発達と道徳的認識の関連について理解する。
・『学習指導要領』に示されている「目標」、「内容」および「指導計画の作成と内容の取扱い」について理解する。
・道徳的認識を形成していくうえでの教育上の留意点を考察し、現在のところ有効性が認められつつある道徳教育の方法を三つ(ロールプレイング、価値明確化、モラル・ジレンマ)取り上げ、その長所と短所を説明できる。
・『学習指導要領』やわが国の伝統的な道徳教育の指導方法について説明できる。
・道徳授業における「主体的・対話的で深い学び」の実現のために、問題解決的な学習と体験的な学習を具体的事例を通じて理解する。
以上の内容を通して、1.道徳および道徳教育の拠って立つ学問的基礎とともに、2.道徳の授業を中心に学校教育全体を通して道徳性を養うための道徳教育の指導法や内容に関する基礎理論・知識を習得する。
全体の目標は「道徳の意義や原理等を踏まえ、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育及びその要となる道徳科の目標や内容、指導計画等を理解するとともに、教材研究や学習指導案の作成、模擬授業等を通して、実践的な指導力を身に付ける」ことです。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 30% 60% 10% 20% 10% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 60% 50% 20% 10% 20% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 10% 30% 50% 20% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 51% 15% 11% 18% 5% 100%

教科書・参考書

教科書:柳沼良太『道徳の理論と指導法』図書文化

参考書:文部科学省『中学校学習指導要領解説道徳』、デュルケム『道徳教育論』、デューイ『民主主義と教育』岩波文庫、永野重史編『道徳性の発達と教育――コールバーグ理論の展開』新曜社、徳永正直他『道徳教育論』ナカニシヤ出版、ノディングス『教育の哲学』世界思想社

オフィスアワー

火曜3限,坂本研究室。メールアドレス:sakamoto@oecu.jp
学生諸君が自分で考える習慣を身に着けることが大事です。ただ受動的に講義を聴くのではなく、毎回質問するつもりで能動的に授業に参加してください。

その他

毎回の課題の提出をもって出席とします。

フィードバック
・レポート、宿題、小テスト、試験の答案などの返却は、適宜判断するので、指示に従うこと。
・特に指定した課題などは、指定期間内に、修正指示(返却)・再提出などをしてもらう場合もあるので指示に従うこと。

実務経験のある教員による授業科目