2025年度前期電子回路学

曜日・時限 月曜日3時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング FL231004
開講学科等 医療福祉工学部-医療福祉工学科
医療健康科学部-医療科学科
教員名 松村 雅史
松村 雅史
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%9d%be%e6%9d%91%e3%80%80%e9%9b%85%e5%8f%b2

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目的

 電子回路学では、生体情報計測学、医用治療機器、医用機器安全管理学、人間を支援する知的情報システムの基礎となる医用電子工学の内容、具体的には心電図、脳波、筋電図などの生体電気信号や生体情報を計測する電子回路の構成、動作原理について学びます。
 学生の皆さんが主体的に学習できるように電子回路シミュレータによる電子回路の動作、心電図や筋電図、光電脈波を計測する仕組みに関する実験動画を示し、生体情報計測に関する電子回路の基本設計ができるようになることを目的としています。また、臨床工学技士国家試験出題基準にある医用電子工学分野に関する知識・問題解法について学びます。医療機器の動作の理解、開発・設計の基礎知識を修得すると共に新しいアイディアの知能情報システム開発を目指す知識を身につけます。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C ガイダンス(授業の目的と内容、進め方、到達目標、評価、課題)、電子回路学の学習方法
電気回路の計算・演習、電子回路(総論)
事前学修 シラバスを読み、目的、授業計画、到達目標を知る(1時間)
事後学修 電気回路の計算課題を行う(3時間)
2 A,C 物質の構造と抵抗、オームの法則、Si原子の構造、演習 事前学修 半導体、物質の構造について調べよう(2時間)
事後学修 物質の構造、オームの法則に関する課題を行う(2時間)
3 A,C 電子デバイスの基礎 ー 真性半導体と不純物半導体 ー
キャリア、n形半導体とp形半導体と演習
事前学修 キャリア(正孔、電子)、電気の流れやすさ(導電率)について調べよう(2時間)
事後学修 キャリア、n形半導体とp形半導体に関する課題を行う(2時間)
4 A,C pn接合ダイオード
pn接合、順方向、拡散電位、逆方向、空乏層、ブレークダウン
事前学修 pn接合、ダイオードについて調べよう(2時間)
事後学修 pn接合の特性、回路に関する課題を行う(2時間)
5 A,C ダイオードの特性と種類 光デバイス
発光ダイオード(LED)、フォトダイオード、有機EL、ディスプレイ、太陽電池
事前学修 光デバイスについて調べよう(2時間)
事後学修 フォトダイオード、LED、有機ELなどの光デバイスに関する課題を行う(3時間)
6 A,C バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの構造と動作
電界効果トランジスタの構造と動作原理・演習
接合形FET、MOS-FETの動作原理と特徴、
高入力インピーダンス回路・演習

事前学修 トランジスタ、電界効果トランジスタ(FET)について調べよう(2時間)
事後学修 バイポーラトランジスタの基本構造・増幅作用、接合形FET、MOS-FETの動作原理と特徴に関する課題を行う(3時間)
7 A,C ダイオードを用いた整流回路の波形・演習
全波整流回路、半波整流回路の波形、実効値、平均値の計算
事前学修 ダイオードを利用した波形整形回路について調べよう(2時間)
事後学修 ダイオード回路(波形整形回路)に関する課題を行う(3時間)
8 A,C ダイオードを用いた波形整形回路の波形・演習
ツエナーダイオード、クリップ回路、スライス回路、リミッタ回路
事前学修 リミッタ回路整流・平滑化回路について調べよう(2時間)
事後学修 リミッタ回路整流・平滑化回路に関する課題を行う(3時間)
9 A,C 増幅回路と演算増幅器(増幅回路の増幅度、インピーダンス)
生体微小電気信号(心電図、脳波、筋電図)の計測回路
演算増幅器(オペアンプ)の構造
演算増幅器の回路(反転増幅回路)
理想演算増幅器の特性、反転増幅回路と動作のシミュレーション
事前学修 増幅回路について調べよう(2時間)
事後学修 増幅回路、理想演算増幅器の特性、演算増幅器の回路(反転増幅回路)、生体微小電気信号(心電図、脳波、筋電図)の計測回路に関する課題を行う(3時間)
10 A,C 演算増幅器の回路(非反転増幅回路、ボルテージホロア)
非反転増幅回路の動作とシミュレーション、ボルテージフォロア
演算増幅器の回路(加算回路)
2つ以上の信号を加算する回路の増幅度、入出力波形
事前学修 反転増幅回、、非反転増幅回路、複数の電気信号を加算する回路について調べよう(2時間)
事後学修 反転増幅回路、非反転増幅回路、ボルテージホロア、加算回路に関する課題を行う(3時間)
11 A,C 演算増幅器の回路(差動増幅回路)と国家試験問題演習1
差動増幅回路の動作と同相信号除去比(CMRR)
演算増幅器を用いた電子回路に関する国家試験問題1

事前学修 誘導雑音の種類について調べよう(2時間)
事後学修 差動増幅回路とCMRR、演算増幅器を用いた電子回路に関する国家試験問題1に関する課題を行う(3時間)
12 A,C 演算増幅器回路に関する演習(国家試験問題演習2)
演算増幅器、生体微小信号増幅に関する国家試験問題2
事前学修 心電図、筋電図、脳波について調べよう(2時間)
事後学修 生体微小電気信号(心電図、脳波、筋電図)の課題(国家試験問題演習2)を行う(3時間)
13 A,C 電子回路学のまとめ 学修到達度を確認する問題(小テスト)
事前学修 電子デバイス、ダイオード回路、増幅回路について調べよう(3時間)
事後学修 電子デバイス、ダイオード回路、増幅回路、生体微小電気信号(心電図、脳波、筋電図)の課題を行う(1時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

 電子回路学は、授業計画に基づいて授業・演習を進めます。ただし、これは予定であり授業の進み具合により変更することがあります。
 本科目で行う演習課題は、臨床工学技士国家試験,ME技術実力検定試験にも多く出題されており、以下の到達目標に応じて演習・小テスト(過去問準拠)を実施して合格可能な実力を身につけます。

(1)電気回路の基礎的計算を行うことができる。
(2)半導体、FET、光デバイスの基礎的な説明を行うことができる。
(3)ダイオードの動作原理、波形整形回路の説明を行うことができる。
(4)演算増幅器の基本的性能について説明することができる。
(5)演算増幅器を利用した回路の基礎的な計算を行うことができる。
(6)生体センシングに用いられている電子デバイス、ICTについて調べることができる。

〇2024年度以降の入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

〇 2023年度以前の入学生
知識・理解【DP-L-1-1】、【DP-L-1-2】、【DP-L-1-3】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 80% 50% 50% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 20% 30% 60% 10% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: ME技術実力検定試験などの結果::::::::::::::: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 46% 40% 0% 12% 2% 100%

教科書・参考書

教科書:
1)オリジナルテキスト:授業内容、臨床工学技士国家試験問題を取り入れ、式の導出、応答の計算・グラフ作成を動画と併用して学修できるオリ
ジナルテキスト(学務課で配布)
2)堀川宗之著、新版医・生物学系のための電気・電子回路、コロナ社

参考書:
1)新版臨床工学技士標準テキスト、医歯薬出版株式会社(2022年3月発刊)
臨床工学技士国家試験の出題基準(令和3年)に基づいた標準テキスト

オフィスアワー

火曜日、水曜日5限、松村研究室
会議などで不在の場合があります。質問等についてはOECUメールでも対応します。
授業に関する情報(スケジュール、資料など)はMoodleで提供します。
(1)電気回路学・応用電気回路学、基礎物理学、電磁気学および数学関連に基づいた授業内容です。
(2)「計測工学」「生体医工学基礎実習」「電気電子工学実験」、「システム工学」「医用電子工学実験」と関係しており、理解を深めるためには合わせて学ぶことが必要です。

その他

学習状況の確認と要点整理(オリジナルテキストの整理)、質疑討論の時間を設けます。
詳細はMoodleにて案内しますので、確認するようにしましょう。

実務経験のある教員による授業科目