2025年度前期ゲームの心理学

曜日・時限 月曜日6時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング HW130408
開講学科等 総合情報学部-デジタルゲーム学科
教員名 枚田 香
枚田 香
職務履歴

目的

本科目では,ゲームをはじめとするデジタルコンテンツを制作するにあたって,クリエイターが留意しておくべきポイントのひとつである「人間の心理」について学ぶことを目的とする。
そのために心理学の基礎(人間がどのようにして五感で情報を受け取り,脳で認知し,記憶や学習が成立し,思考や感情が発生するのかという基本的な仕組みから,人と人とのコミュニケーション,心の不調まで)を学習する。
本科目は心理学系の科目の中では基礎理論となる心理学概論に位置づけられるが,非常に幅広い範囲を13回という限られた時間内で学習するため,各ジャンルの要点を説明する講義形式となる。
講義の合間に簡単な実験やディスカッションを盛り込む。
この科目では以下の内容を習得することを目標とする。
1.目に見えない心について研究する方法について説明できるようになる
2.性格の先天的な要因と後天的な要因について説明できるようになる
3.心の不調が発生するメカニズムと予防法について説明できるようになる
4.人が行動したくなる要因について説明できるようになる
5.コンテンツを企画する際に必要な脳の働きについて説明できるようになる

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 遠隔A ガイダンス(心理学の歴史,目に見えない心について研究する方法) 事前学修 シラバスを読んで心理学の概要を確認しておく(2時間)
事後学修 心理学がどのようなことを目指す学問なのか説明できるようになる(2時間)
2 遠隔A,C 感覚・知覚(人間の五感,脳での知覚,錯視,閾値) 事前学修 事前配布資料を読んで感覚と知覚について予習しておく(2時間)
事後学修 人間の感覚と知覚の曖昧さについて説明できるようになる(2.5時間)
3 遠隔A 感情・動機づけ・欲求(感情,モチベーションアップ,欲求不満への対処) 事前学修 事前配布資料を読んで感情と動機づけと欲求について予習しておく(2時間)
事後学修 ゲームプレイヤーがその気になる仕掛けについて考え、それについて論じる(2.5時間)
4 遠隔A,C 学習(主要な学習理論,条件づけ,報酬と罰) 事前学修 事前配布資料を読んで学習について予習しておく(2時間)
事後学修 日常生活における条件づけの例について考え、それについて論じる(2.5時間)
5 遠隔A,C 記憶(記憶のプロセス,記憶の種類,長期記憶,短期記憶) 事前学修 事前配布資料を読んで記憶について予習しておく(2時間)
事後学修 記憶の仕組みを整理し、効果的な記憶術について自分の考えを述べる(2.5時間)
6 遠隔A,C 思考(人間らしい問題解決,思考のエラー,思考能力の発達) 事前学修 事前配布資料を読んで思考について予習しておく(2時間)
事後学修 問題解決に関するクイズにチャレンジし、人間が起こしがちなエラーについて論じる(2.5時間)
7 遠隔A 発達(ライフサイクル,発達課題と心理的危機,アイデンティティ) 事前学修 事前配布資料を読んで発達心理学について予習しておく(2時間)
事後学修 各世代の心理的傾向とふさわしいゲームを考え、それについて論じる(2.5時間)
8 遠隔A,C 性格(性格理論と性格の形成,性格検査,血液型と性格) 事前学修 事前配布資料を読んで性格理論について予習しておく(2時間)
事後学修 キャラクターの性格をわかりやすく描写する方法を考え、それについて論じる(2.5時間)
9 遠隔A,C 知能と言語(IQ,知能検査,言語の獲得,創造性) 事前学修 事前配布資料を読んで知能について予習しておく(約2時間)
事後学修 さまざまな側面から人間の能力と個性を考え、それについて論じる(2.5時間)
10 遠隔A,C 臨床心理学(メンタルヘルス,カウンセリング,心理療法) 事前学修 事前配布資料を読んで臨床心理学について予習しておく(2時間)
事後学修 さまざまなストレス解消法とゲームへの応用について考え、それについて論じる(3時間)
11 遠隔A 脳と心(脳の部位と名称,脳機能,ゲームと脳,脳波) 事前学修 事前配布資料を読んで脳について予習しておく(2時間)
事後学修 脳の部位の名称と働きについて復習し、脳に良い作用を与えるコンテンツを考え、それについて論じる(3時間)
12 遠隔A,C 対人心理学(第一印象,先入観と偏見,パーソナルスペース) 事前学修 事前配布資料を読んで対人心理学について予習しておく(2時間)
事後学修 人が他人に持つ印象が客観的ではないことについて、対人心理学の理論を用いて説明できるようになる(3時間)
13 遠隔A,C 社会心理学(集団力学,リーダーシップ,社会的ジレンマ) 事前学修 事前配布資料を読んで社会心理学について予習しておく(2時間)
事後学修 集団になると発生しやすい現象について考え、それについて論じる(3時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

・デジタルゲームを主軸としたコンテンツ制作に役立つ心理学の基本的な理論を説明できる。
・コンテンツ企画・制作場面において心理学の理論を反映させる方法について意見を示すことができる。

科目に関連するディプロマポリシー項目
〇2024年度以降入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科/専攻名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

〇 2023年度以前の入学生
修得する資質・能力: 知識・理解力、応用力 【DP-W-1-1】
修得する資質・能力: コミュニケーション力 【DP-W-2-2】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 60% 40% 20% 10% 10% 20% 100%
小テスト、小論文 40% 50% 20% 10% 10% 10% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 44% 20% 10% 10% 16% 100%

教科書・参考書

教科書購入は義務としない。授業資料を各回の授業当日9:30までにPDF形式のデータで配布する。
参考書:「はじめて出会う心理学」長谷川寿一,東條正城,大島尚,丹野義彦,廣中直行著有斐閣アルマISBN978-4-641-12345-8

オフィスアワー

授業時間外の質問はメールにて行っていただき,メールへの返信という形式で回答する。
教員のメールアドレスは初回授業でお知らせする。

その他

毎回の授業後半に到達度確認課題(語群選択形式および自由記述形式)を実施する。
課題はシステムにより即時採点される。
原則として全13回のうち5回以上課題に回答していない者は定期試験(レポート試験)の受験資格がなく評価の対象とならない。
レポート試験答案の添削は行わないが,メール等でフィードバック希望があった場合は担当教員より返信する。

実務経験のある教員による授業科目

教員は公認心理師・臨床心理士の有資格者であり,他大学における指導経験,医療機関においての臨床経験(カウンセリング・心理検査)を有する。