2025年度後期集中医用機器安全管理学

曜日・時限 不定期その他 期別 後期集中 週時間数 2
ナンバリング FL331208
開講学科等 医療福祉工学部-医療福祉工学科
医療健康科学部-医療科学科
教員名 水野 裕志
水野 裕志
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%b0%b4%e9%87%8e%e3%80%80%e8%a3%95%e5%bf%97

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目的

医療機器が高度になればなるほど、それらの機器・設備を適正かつ安全に使いこなすことが要求される。医療施設において医療機器の安全性・信頼性を確保しながら使用していくためには、機器の安全管理を行うことが重要である。安全管理を行うためには、生体の特性、機器で使用されるエネルギーの特性、エネルギーの生体作用と安全限界、医療機器の安全基準、安全・性能点検方法および安全管理の手法を知り、理解する必要がある。この講義では、医療機器設備の安全管理として、電撃事故と安全管理、電気設備と安全基準、医療ガス設備と安全基準、システム安全、安全管理技術および電磁環境について学び、理解できるようになることを目的とする。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A、C ガイダンス(シラバス、評価方法等の確認)
臨床工学技士と安全管理
・臨床工学の概念
・臨床工学技士に関する知識(医療安全に関する関係法規など)
・リスクマネジメント
・安全管理、医療事故分析手法
・先端技術とヒューマンファクタ科学概要
事前学修 シラバスを読み、目的、講義計画、到達目標を知る。また、医療分野におけるリスクマネージメント手法について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 安全管理、法規からみた臨床工学技士に関する知識やリスクマネージメント手法が活用されている場面を調べて、その知識を復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
2 A、C ME機器の安全基準1
・各種エネルギーの人体への危険性
・ME機器の安全基準、電撃に対する人体反応
・ME機器の安全に関する用語
事前学修 ME機器の安全基準と、それを理解するうえで必要となる用語について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 ME機器の安全基準と用語についての知識を復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
3 A、C ME機器の安全基準2
・ME機器の分類と規格
・事故事例と安全対策
・漏れ電流、接地線抵抗
・図記号
・警報
事前学修 ME機器の分類や漏れ電流の種類と関連する知識について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 ME機器の分類や漏れ電流の種類と関連する知識、また、機器に用いられる図記号および警報音について復習し、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
4 A、C 病院電気設備の安全基準1
・病院電気設備の安全基準の概要
・設備の規格
事前学修 病院電気設備の安全基準と関連する知識について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 病院電気設備の安全基準と関連する知識について復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
5 A、C 病院電気設備の安全基準2
・医用接地方式
事前学修 病院電気設備の医用接地方式と関連する知識について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 病院電気設備の医用接地方式と関連する知識について復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
6 A、C 病院電気設備の安全基準3
・非接地配線方式
・非常電源
・医用室
・災害対策と事業継続
事前学修 病院電気設備の非接地配線方式と関連する知識について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 病院電気設備の非接地配線方式、非常電源設備および医用室について復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
7 A、C 医療ガスに関する安全基準1
・ガスの基礎
・医療ガスの種類と用途,性質
・医療ガスに関連する法令・通知・規格
・医療ガスの供給方式
・医療ガス配管設備
事前学修 医療ガスに関する安全基準と関連する知識について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 医療ガスに関する安全基準と関連する知識について復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
8 A、C 医療ガスに関する安全基準2
・高圧ガス容器(ボンベ)
・医療ガスに関連するトラブル
・医療ガスの安全管理(高圧医用ガス、可燃性医用ガスの安全)
事前学修 高圧ガス容器に関連する知識について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 高圧ガス容器に関連する知識およびガス残量などの計算問題について復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
9 A、C 医療ガスに関する安全基準3
・医療ガス配管設備の確認
・医療ガスに関連する計算
事前学修 医療ガス配管設備および高圧ガス容器に関連する知識について復習して、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 高圧ガス容器に関連する知識およびガス残量などの計算問題について復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
10 A、C システム安全
・システム安全とは
・信頼性工学
・システムの分析評価手法
・システム安全の手法
事前学修 ME機器などのシステムの安全性およびその評価に関連する知識について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 システム安全性およびその信頼性評価などの計算問題について復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
11 A、C 安全管理技術
・医療機器の保守点検および安全管理体制
・医療安全管理者、医療機器安全管理責任者
・関連機器の保守点検法
・漏れ電流の測定(MD回路含む)
・保護接地線の抵抗測定
事前学修 ME機器の保守管理に関連する知識について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 ME機器の保守管理技術や漏れ電流測定回路(MD回路)に関連する知識について復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
12 A、C 電磁環境
・電磁両立性EMC
・電磁障害EMIと電磁感受性EMS
事前学修 ME機器の電磁環境に関連する知識について調べて、本授業に必要な事前知識を確認する。(2時間)
事後学修 ME機器の電磁環境(エミッションやイミュニティなど)に関連する知識について復習し、また、授業時に実施した演習問題を再度解く。(2.5時間)
13 A、C 臨床工学技士関連の資格試験問題を用いた総合的復習
学習到達度の確認
事前学修 これまでの学修内容について復習しておく。(3時間)
事後学修 臨床工学技士関連の資格試験問題を用いて総合的に復習し、医用機器安全管理学に必要となる知識を整理する。(3時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

修得する資質・能力:知識・理解【DP-L-1-1】【DP-L-1-2】【DP-L-1-3】
1)医療安全に関連した法規やリスクマネジメントの分析手法について説明できる。
2)ME機器の安全基準や安全管理技術について説明することができる。
3)病院電気設備の安全基準について説明することができる。
4)医療ガス・設備の安全基準について説明することができる。
5)臨床工学技士国家試験問題などが解けるようになる。
修得する資質・能力:汎用的技能【DP-L-2-1】
1)学習内容を整理したドキュメントを作成できる。
2)学習内容に関連した技術が利用されている応用事例など調べることができる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 60% 70% 30% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 20% 80% 20% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 20% 100% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 58% 22% 0% 20% 0% 100%

教科書・参考書

【教科書】
・授業内容、臨床工学技士関連の資格試験問題を自主的に行える独自のテキストをmoodleに掲載もしくは配布する。
・上記のテキストとは別に資料プリントを配布することがあります。
【参考書】
・臨床工学技士標準テキスト 新版、金原出版株式会社
・MEの基礎知識と安全管理 新版、(社)日本生体医工学会ME技術教育委員会、(株)南江堂
・ME機器保守管理マニュアル 新版、(財)医療機器センター、(株)南江堂

オフィスアワー

【日時】 講義期間:火曜日(5限目)
【場所】 8号館301(水野の居室):変更することがあります。会議や出張などで不在の場合があります。
【その他】 質問等についてはOECUメールで随時受け付けます(google meetなどのビデオ会議アプリケーションを提示することも可能です)。

その他

この講義は、遠隔(オンデマンドなど)形式を中心とします、学習のまとめとして対面形式も含みます。
講義形式については、moodleにて案内しますので確認するようにしましょう。

実務経験のある教員による授業科目

健康・医薬・医療機器の総合医療系企業における技術開発者としての経験を活かし、医療機器を設計開発するために必要となる安全管理技術や法
規の知識について解説します。
医用機器安全管理学の知識は、臨床工学技士、医療機器エンジニアおよび医療系知能情報エンジニアにとって共通した重要項目であり、電気電子
などの知識に基づく科目でもある。工学の基礎、電気電子、生体物性工学、また、医療に関する関係法規と合わせて勉強してほしい。