2025年度後期デジタル伝送工学

曜日・時限 金曜日4時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング GF330203
開講学科等 情報通信工学部-通信工学科
教員名 何 一偉
何 一偉
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e4%bd%95%e3%80%80%e4%b8%80%e5%81%89

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目的

情報伝送工学1では、アナログ信号を搬送波に載せて伝送するAM,FM変調方式について学んだ。しかし,現在ではテレビ,WiFi,携帯電話などほとんどの情報通信はデジタルで行われている.データ通信を理解する上で,将来通信のエンジニアになろうとする学生にも,情報分野のSEになろうとする学生にも欠かせない知識である.この科目ではパルス変調やデジタル信号の伝送について学ぶ。デジタル信号を伝送する方法として、信号波形をそのままで伝送する基底帯域伝送と、搬送波をデジタル信号で変調して伝送する方法がある。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 対面授業:A,C 標本化定理
0.シラバス説明
1.アナログ信号の標本化
2.標本化定理
3.インパルス列とデルタ関数
4.標本化された信号のスペクトル
5.ナイキスト周波数
6.標本値による元の信号の表現
7.標本化関数
事前学修 教科書109-114ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
2 対面授業:A,C パルス振幅変調
1.自然標本化
2.フラットトップ標本化
3.自然標本化回路
4.自然標本化の周波数スペクトル
5.フラットトップ標本化回路
6.フラットトップ標本化のスペクトル
7.フラットトップ標本値からの復元回路
事前学修 教科書114-120ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
3 対面授業:A,C パルス符号変調(PCM)
1.量子化とそのメリット
2.量子化雑音とその低減方法に関して
3.量子化レベルの符号化
4.2進符号化とM進符号化
5.PCM送信回路
6.PCM受信回路
7.PAM伝送とPCM伝送の伝送路周波数帯域について
事前学修 教科書120-123ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
4 対面授業:A,C 量子化雑音と時分割多重(TDM)
1.量子化回路の入出力特性
2.量子化雑音とSN比
3.伝送路周波数帯域と量子化雑音SN比の関係
4.多重化とは
5.時分割多重の仕組み
6.時分割PAM, PCM伝送回路
7.非等間隔量子化における圧縮と伸張回路
8.音声24チャンネル多重PCM波形
事前学修 教科書123-129ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
5 対面授業:A,C デジタル変調方式とOOK受信回路
1.デジタル変調の種類
2.振幅シフトキーイング:OOK
3.受信信号の雑音(ガウス雑音)
4.デジタル受信の質:符号誤り率
5.非同期検波回路
6.同期検波回路
事前学修 教科書132-140ページの上述の関連部分について予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
6 対面授業:A,C OOK 受信回路の符号誤り率
1.判別器のスレショルド
2.OOK受信信号の帯域フィルタの出力の数学モデル
3.非同期検波と同期検波の出力の数学モデル
4.非同期検波のマークとスペースの信号レベルの確率密度
5.非同期検波回路の符号誤り率
6.同期検波のマークとスペースの信号レベルの確率密度
7.同期検波回路の符号誤り率
事前学修 教科書132-140ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
7 対面授業:A,C FSK受信回路とその符号誤り率
1.周波数シフトキーイング(FSK)の仕組み
2.FSK非同期検波回路
3.FSK同期検波回路
4.雑音が加えられた検波回路の出力
5.検波出力の電圧レベルの確率密度分布
6.FSK非同期検波の符号誤り率
7.FSK同期検波の符号誤り率
事前学修 教科書140-144ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
8 対面授業:A,C PSK受信回路とその符号誤り率
1.位相シフトキーイング(PSK)の仕組み
2.PSK同期検波回路
3.雑音が加えられた検波回路の出力
4.検波出力の電圧レベルの確率密度分布
5.PSK同期検波の符号誤り率
事前学修 教科書144-147ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
9 対面授業:A,C 差動位相シフトキーイング(DPSK)
1.差分位相シフトキーイング(DPSK)の仕組み
2.情報信号と送信信号
3.DPSK遅延検波回路
4.雑音が加えられた検波回路の出力
5.DPSK遅延検波の符号誤り率
事前学修 教科書147-150ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
10 対面授業:A,C 2進変調のビット誤り率,M進のデジタル変調
1.2進デジタル変調のビット誤り率の特性
2.M進デジタル変調方式
3.シンボル誤り率とビット誤り率
4.QPSK
事前学修 教科書150-153ページの関連部分について予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
11 対面授業:A,C QPSKの送・受信回路とシンボル誤り率
1.4相PSKの符号パルス
2.QPSKのコンスタレーション
3.グレイコード
4.QPSKの送信回路
5.QPSKの受信回路
6.QPSKのシンボル誤り率
事前学修 教科書153-159ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
12 対面授業:A,C 直交振幅変調(QAM)
1.直交振幅変調(QAM)
2.QAM信号の配置
3.QAM信号の構成
4.16QAMの復調器の構成
5.16QAM同期検波のシンボル誤り率
事前学修 教科書159-162ページについて予習のこと。(2.5時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)
13 遠隔授業(リアルタイム):A,C 直交周波数分割多重(OFDM)
1.OFDMの原理
2.送信回路
3.受信回路
符号分割多元接続(CDMA)
1.CDMAの原理
2.PNコードの相関特性
事前学修 OFDMについて調べること。(1時間)
CDMAについて調べること。(1時間)
事後学修 授業内容を再度確認し,適切に記憶に工夫し,教科書の例題等を復習のこと。(2.5時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇通信工学分野における基礎的な専門知識を有し、それらを適切に応用する能力を備えている。【DP-F-1-1】
1.標本化定理,標本化信号のスペクトラムを理解する。
2.情報信号の量子化,符号化と多重化を理解する。
3.振幅,周波数,位相シフトキングといったデジタル変調方式を理解する.
4.各種変調方式の受信信号から情報データを復元する受信回路の原理を理解する。
5.雑音の取り扱いに慣れ,各種受信回路の誤り率を理解する。
6.CDMAとOFDMとについて理解する。


評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 70% 30% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 50% 20% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 64% 27% 0% 0% 9% 100%

教科書・参考書

教科書:「通信方式第2版」滑川敏彦・奥井重彦・衣斐信介共著森北出版

オフィスアワー

何 一偉:水,金の昼休み(12:45~13:20),A号館2F教員室
なお,学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性があります.その場合,メールなどで連絡してください.

その他

3年次前期の情報伝送工学1を復習して十分理解しておくことが前提となる。
全授業日数の2/3の出席を単位取得の必須条件とする。この条件に満たさない受講生は試験,追試,また卒業再試験を受けることができない。

課題については、授業内で適宜、解説・解答を行い、フィードバックします。

実務経験のある教員による授業科目