2025年度前期情報伝送工学

曜日・時限 月曜日4時限 期別 前期 週時間数 0
ナンバリング GF330202
開講学科等 情報通信工学部-通信工学科
教員名 何 一偉
何 一偉
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e4%bd%95%e3%80%80%e4%b8%80%e5%81%89

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目的

通信とは情報の伝達である。電気通信では、情報は信号の形で伝送路に送られる。本科目を受講すると、情報をどのようにして電気信号に乗せて送るか、その情報を正確に送るにはどうすればよいかなど、情報の伝送方式は電気通信を考える上で基本的な問題であることの理解を深めることが出来る。本科目では情報伝送の基礎として、信号波の性質、解析手段について学んだ後、通信や放送などで用いられているAM(振幅変調)やFM(周波数変調)などについて各方式の原理とその信号解析について学習することを目的とする。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 情報伝送工学の授業範囲の説明と、基礎となる三角関数(sin, cos)を用いた信号表現の基本を説明します。 事前学修 三角関数の基本事項を復習のこと(2時間)。
事後学修 信号の表現方法について変調方式等の基本的な用語を習得する(2時間)。
2 A,C 信号解析の基礎となるsin, cosの高調波の性質を述べ、周波数が異なる高調波の積の取り扱いを詳しく説明する。 事前学修 三角関数の基本波と高調波を予習のこと(2時間)。
事後学修 三角関数の高調波の積の取り扱いを例題により習熟する(2時間)。
3 A,C 周期関数に対するフーリエ係数とフーリエ級数の導出を行い、基本的な性質を説明します。 事前学修 フーリエ級数について予習のこと(2時間)。
事後学修 パルス列のフーリエ係数とフーリエ級数の導出を例題により求められる様にする(2時間)。
4 A,C パルス波形の周期関数のフーリエ係数を例にとり、標本化関数とデルタ関数を導入します。 事前学修 標本化関数とデルタ関数について予習のこと(2時間)。
事後学修 標本化関数の特性について例題による復習する(2時間)。
5 A,C フーリエ級数の応用例として、線形系の伝達関数を説明する。また、実用的に大変重要な低域(ローパス)フィルタと高域(ハイパス)フィルタの伝達関数の導出方法とそれらの周波数特性図の表示方法について詳しく述べる。 事前学修 伝達関数について予習のこと(2時間)。
事後学修 低域フィルタと高域フィルタの伝達関数の導出を例題により行える様にする(2時間)。
6 A,C 信号電力のフーリエ級数による表現方法を述べ、フーリエ級数を拡張してフーリエ変換を導出する。 事前学修 フーリエ変換について予習のこと(2時間)。
事後学修 実関数(実数で表される信号)のフーリエ変換の性質を例題により求めるようにする(2時間)。
7 A,C フーリエ変換の性質についてさらに説明し、時間領域と周波数領域の関係で重要な「畳み込み」について詳しく述べる。また「自己相関関数」と「エネルギースペクトル密度」の関係に触れてフーリエ変換のまとめを行う。
事前学修 畳み込み積分について予習のこと(4時間)。
事後学修 畳み込み積分の応用について例題により理解を深める(4時間)。
8 A,C 第2章の雑音解析に進み、雑音電圧の確率分布関数と確率密度関数について述べ、確率密度関数はガウス分布で表されることを示し。誤差関数erf(x)を用いた表示方法を説明する。 事前学修 確率分布関数と確率密度関数、および誤差関数について予習のこと(2時間)。
事後学修 ガウス分布の確率密度関数の性質について例題により理解を深める(2時間)。
9 A,C 第3章の振幅変調に進み、DSB変調と通常のAM変調について説明する。 事前学修 振幅変調の各種方式について予習のこと(2時間)。
事後学修 振幅変調の各種方式の特性について例題により理解を深める(2時間)。
10 A,C 振幅変調のSSB変調について説明し、DSB変調、通常のAM変調、およびSSB変調のSN比の計算方法を述べる。 事前学修 SN比(信号対雑音電力比)について予習のこと(2時間)。
事後学修 狭帯域雑音の表記方法について例題により理解できる様にする(2時間)。
11 A,C 角度変調である位相変調(PM)と周波数変調(FM)の原理ついて述べ、周波数変調の狭帯域FMと広帯域FMの特徴について説明する。 事前学修 位相変調と周波数変調について予習のこと(2時間)。
事後学修 狭帯域FM波の上下の側帯波の特性について例題により理解を深める(2時間)。
12 A,C FM信号の変調と復調の方法を述べ、FM信号を復調するときに大きく得られるSN改善について説明する。 事前学修 FM信号の変調と復調の方法について予習のこと(2時間)。
事後学修 FM信号復調器の振幅制限器の役割について例題により理解できる様にする(2時間)。
13 A,C 本授業で12回行ってきた内容の全体的な復習を行う。 事前学修 今まで学んだ内容や例題を全般的に復習のこと(4時間)。
事後学修 本科目で学んだ内容をさらに例題により理解を深める(4時間)。

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

○修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-F-1-1】
1.フーリエ級数、フーリエ変換を理解する。
2.雑音の取り扱いに慣れる。
3.各種振幅変調を理解する。
4.周波数変調と位相変調を理解する。
○修得する資質・能力:総合的な学習経験と創造的思考力【DP-F-4-1】
無線従事者免許の取得等に生かせる技術と能力を身につける.

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 50% 50% 30% 20% 100%
小テスト、小論文 20% 70% 20% 10% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 70% 20% 10% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 60% 25% 0% 15% 0% 100%

教科書・参考書

教科書:「通信方式第2版」滑川敏彦、奥井重彦、衣斐信介共著 森北出版

オフィスアワー

何 一偉:水,金の昼休み(12:45~13:20),A号館2F教員室
なお,学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性があります.その場合,メールなどで連絡してください.

その他

全授業日数の2/3の出席を単位取得の必須条件とする。この条件に満たさない受講生は試験,追試,また卒業再試験を受けることができない。

課題については、授業内で適宜、解説・解答を行い、フィードバックします。

実務経験のある教員による授業科目