1 |
遠隔A,C |
ワイヤレス通信で扱う「電波伝搬」の概要と、身の回りで生じる伝搬現象の具体例を示して、これから授業で述べる電波伝搬の諸問題の紹介を行う。また電波利用の歴史について、その開始以来より高い周波数を開拓する方向で進んできたことを述べ、それらの過程で生じた電波伝搬上の問題点等を指摘する。 |
事前学修 |
電磁気学やアンテナ工学で学んだ電磁誘導や電磁波の知識を復習しておくこと(2時間)。
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事後学修 |
現在のワイヤレス通信ではUHF帯以上の高い周波数が主流であることを課題による理解を深める(2時間)。 |
2 |
遠隔A,C |
マクスウェルの方程式から平面波近似の場合の波動方程式を導出し、垂直偏波と水平偏波を記述する式について述べる。 |
事前学修 |
平面波を表す式について予習のこと(2時間)。 |
事後学修 |
マクスウェルの方程式が特定の各周波数ωの場合の式の導出を課題により理解すること(2時間)。 |
3 |
遠隔A,C |
ポインティングベクトルによる電力束密度を導入し、球面波が自由空間を伝搬する場合の自由空間伝搬損失やフリスの伝送公式について説明する。 |
事前学修 |
ポインティングベクトルについて調べておくこと(2時間)。 |
事後学修 |
送信電力と送信アンテナ利得から受信点の電界を求める式を課題により導出して理解すること(2時間)。 |
4 |
遠隔A,C |
異なる媒質間を伝搬するときに生じる入射波の反射や透過を定量的に説明し、水平偏波(TE波)と垂直偏波(TM波)の反射係数の違いを述べ、垂直偏波に特有なブリュスター角の特徴について触れる。 |
事前学修 |
スネルの法則とブリュスター角について予め調べておくこと(2時間)。 |
事後学修 |
理なる媒質間の入射角と透過角の関係をスネルの法則を用いて求めることを課題により理解すること(2時間)。 |
5 |
遠隔A,C |
直接波と大地反射波からなる地面反射二波モデルを説明し、受信アンテナのハイトパターンピッチと伝搬損失の距離特性で現れるブレークポイントについて述べる。 |
事前学修 |
大地反射波の影響について調べておくこと(2時間)。 |
事後学修 |
伝搬損失の距離特性で現れるブレークポイントについて課題により理解すること(2時間)。 |
6 |
遠隔A,C |
電波の回折現象に関して、ナイフエッジ回折とフレネルゾーンについて説明する。また、フレネル楕円体と第1フレネルゾーンの半径を導出し、伝搬路に対する障害物との関係を述べる。 |
事前学修 |
ナイフエッジ回折とフレネルゾーンついて調べておくこと(2時間)。 |
事後学修 |
電波の通路に障害物が与える距離の範囲について課題により理解すること(2時間)。 |
7 |
遠隔A,C |
電離層伝搬の初回として、電離層と電離圏の関係、電離層伝搬で問題とされる周波数や電波利用における時代背景の概略を述べる。また電離層で電波が反射される理由をマクスウェルの方程式を基に原理的に説明し、電離層伝搬で重要なプラズマ周波数、臨界周波数、およびアイオノグラムを紹介する。さらに、電離層伝搬を用いて遠距離通信を行う場合の基礎となる「正割法則」を導出する。 |
事前学修 |
電離層について調べておくこと(4時間)。 |
事後学修 |
電離層での電波の屈折率と周波数および電子密度の関係式を課題により理解できる様にする(4時間)。 |
8 |
遠隔A,C |
電離層のD層、E層、F層の各層の高度や電子密度と、VLF、LF、MF、HFの各周波数帯の伝搬形態の差異について述べる。特にHF帯での長距離伝搬で重要は跳躍距離の導出方法を述べ、その特徴を示す。 |
事前学修 |
正割法則ついて復習しておくこと(2時間)。 |
事後学修 |
VLF、LF、MF、HFの各周波数帯の利用方法と、臨界周波数と送信周波数から送信可能な距離を計算する方法について課題により理解できる様にする(2時間)。 |
9 |
遠隔A,C |
電離層におけるVLF、LF、MF、HFの各周波数帯の伝搬特性をさらに詳しく説明し、電離層伝搬で問題となる各種フェージングの性質を述べる。 |
事前学修 |
跳躍距離について復習しておくこと(2時間)。 |
事後学修 |
VLF、LF、MF、HFの各周波数帯の伝搬特性と、伝搬路で発生する各種フェージングの性質について課題により理解できる様にする(2時間)。 |
10 |
遠隔A,C |
高度10km以下の対流圏伝搬で用いられる電波の特徴を述べる。周波数はVHF帯以上が用いられ、地上のテレビ放送、FM放送、あるいは移動体通信での利用が中心となり、マイクロ波帯以上では衛星通信回線等の固定局間の利用が主となる。初回は、対流圏伝搬で重要な大気の屈折率の高度分布について説明する。 |
事前学修 |
対流圏の特徴ついて予め調べておくこと(2時間)。 |
事後学修 |
VHF帯およびUHF帯の電波と、周波数がそれより高いマイクロ波帯電波の利用方法の差異を課題により理解電離層による(2時間)。 |
11 |
遠隔A,C |
対流圏伝搬における電波伝搬路の特徴を記述するために、球面大地上のスネルの法則を導出する。また平面大地を仮定した場合の伝搬路を示すための修正屈折率と修正屈折指数について述べる。さらに標準大気の屈折率度分布を用いて、電波の通路が直線となるように補正を行うための等価地球半径係数を説明する。 |
事前学修 |
修正屈折率と等価地球半径について予め調べておくこと(2時間)。 |
事後学修 |
等価地球半径係数を大気屈折率の高度変化から導出する方法を課題により理解を深めること(2時間)。 |
12 |
遠隔A,C |
対流圏伝搬の見通し内で発生するフェージングの種類と諸特性について述べる。特に地表面近くの大気屈折率の高度分布が原因で生じる「k形フェージング」に重点を置き、「干渉性フェージング」と「回折性フェージング」の発生メカニズムと特性の違いについて説明する。 |
事前学修 |
k形フェージングついて予め調べておくこと(2時間)。 |
事後学修 |
干渉性フェージングと回折性フェージングの差異ついて課題により理解を深めること(2時間)。 |
13 |
遠隔A,C |
対流圏伝搬の見通し外伝搬で受信される「回折波」や「対流圏散乱波」の特徴を述べる。また降雨時に衛星通信等のマイクロ波伝搬で問題となる「降雨減衰」や「交差偏波識別度」の発生メカニズムについても説明する。 |
事前学修 |
今までの内容を総括して復習しておくこと(4時間)。 |
事後学修 |
10GHZの高い周波数帯で問題となる降雨減衰について課題によりさらに理解を深めること(4時間)。 |