2025年度前期数理科学特別講義

曜日・時限 水曜日4時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング EN430416
開講学科等 工学部-基礎理工学科
教員名 柳田 達雄
柳田 達雄
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梶木屋 龍治
梶木屋 龍治
岩瀬 謙一
岩瀬 謙一
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若林 徳子
若林 徳子
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名倉 誠
名倉 誠
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香川 智修
香川 智修
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目的

諸君が今まで学んできた数学はさまざまな分野で使われていて、現代社会におけるさまざまなシステムも数学に支えられている。この特別講義においては、そういった数学の応用やそれらに直接つながる基礎部分の側面に関するテーマを担当教員が紹介する。

力学系理論(柳田)
力学系は数学のみならず,物理・化学・生物・社会など様々な現象のモデリングとその解析に重要となる概念である.この講義では,微分方程式や差分方程式を用いて力学系理論の基本概念を学び,実際の数理モデルに適用して現象との対応を考える.また,これまで扱われなかった非線形性がもつ特有の性質について解説し,自然現象との対応を考える力を養う.Mathematicaによる演習を行うので,各自PCを用意し授業時に持参してください.

曲線と曲面の幾何学(名倉)
円の面積や,球の表面積の公式は皆さんも知っているはず.この講義では,これらの公式が導かれる過程を復習したうえで,3次元空間の曲線や曲面の本質に迫ります.とくに曲線の曲率や捩率,そして面積分という考え方に触れ,これまでに皆さんが学修した微分積分や線形代数の知識が使われる場面を見てみましょう.
第4回と第5回の授業ではMathematicaを用いた計算演習も行う予定です.Mathematicaが稼働するパソコンを各自で用意し,授業時に持参してください.

数論入門(若林)
この講義では,合同式の理論を学び,これを二項定理に適応し,フェルマーの小定理の証明を考える。

ガウスの足跡にふれる(岩瀬)
皆さんは,定規とコンパスを使って作図した経験はあるでしょうか.例えば,正三角形は,作図できると思います.それでは,正五角形は作図できるでしょうか.また,さらにすべての正多角形は,作図できるでしょうか? これは,18世紀頃までは,古くからの大きな課題でした.本授業では,この基本的な疑問に関わる話をしたいと考えております.

スツルムの比較定理(梶木屋)
2階線形常微分方程式は数学, 物理学, 工学などの様々な分野に現れる. これらはスツルム・リウビル型と呼ばれる常微分方程式に変形できる. このスツルム・リウビル型常微分方程式において, 解の零点の位置に関する情報をもたらす理論がスツルムの比較定理である. これにより, 求積ができない常微分方程式の解の定性的性質が研究されてきた. この定理は, 常微分方程式の研究において極めて重要な定理である.  

フーリエ解析(香川)
フーリエ級数は, 周期関数を正弦関数, 余弦関数を用いて表す手法であり, 数学や工学の幅広い分野で重要な役割を持っています. 周期関数の具体例をフーリエ級数展開することにより, 関数の表現と近似の基本的な考え方を学ぶことを目的とします. Mathematicaを用いた演習を行いますので、パソコンを各自持参してください.

N学科生全員が履修することが望ましい。特に、理科・数学科とも教職希望者は必修に準ずる。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 柳田:力学系理論の基礎:離散力学系
・力学系とはなにか
・離散力学系と数列との関連
・初期状態・軌道の概念を学ぶ
・具体的な離散モデルの軌道を求める
事前学修 シラバスを読んで,知らない用語などを調べておく.数列の復習しておく(2時間)。
事後学修 新しい科学用語を復習する(2時間)
2 A,C 柳田:差分力学の不動点(固定点)
・離散力学系の不動点を求められるようになる.
・軌道を求めて不動点との関係を調べる.
事前学修 力学系の用語を確認しておく。(2時間)
事後学修 不動点を求める方法を復習する。(2時間)
3 A,C 柳田:差分力学のグラフ反復法
・定性的に不動点・周期点を求める方法を学ぶ
・グラフ反復法により不動点を求める.
・グラフ反復法により2周期点を求める.
事前学修 2次関数のグラフの確認しておく。(3時間)
事後学修 グラフ反復法を復習する。(3時間)
4 A,C 名倉:曲線の微分幾何(曲線のパラメータ表示,曲率と捩率,フルネ--セレの公式)
事前学修  微分と積分の定義を復習しておく.(2時間)
事後学修 いろいろな曲線の曲率や捩率を計算し,フルネ--セレの公式の具体例を理解する.(2時間)
5 A,C 名倉:曲面の微分幾何(曲面のパラメータ表示,接平面と法線ベクトル,スカラー場の面積分) 事前学修 空間ベクトルの外積や積分の変数変換を復習しておく.(2時間)
事後学修 面積分を利用して3次元球の表面積を求める方法を復習する.(2時間)
6 A,C 梶木屋:スツルム・リウビル型の常微分方程式を定義する. 2階線形常微分方程式がスツルム・リウビル型微分方程式に変形できることを証明する. プリューファー変換について述べる. 微分不等式に対する比較定理を証明する.  事前学修 シラバスを読んでおく。常微分方程式の復習をしておく。(2時間)
事後学修 スツルム・リウビル型微分方程式に関する用語の復習をする。(2時間)
7 A,C 梶木屋:スツルムの比較定理を証明する. この定理を利用した演習問題を解かせる. スツルムの比較定理を応用して, 常微分方程式の解の零点の漸近分布を計算する.  事前学修 シラバスを読んでおく。常微分方程式の復習をしておく。(3時間)
事後学修 スツルム・リウビル型微分方程式に関する用語の復習をする。(3時間)
8 A,C 岩瀬:いくつかの図形について,定規とコンパスによる作図の方法を考える.
この2回の授業には、定規とコンパス,ハサミなどを持参してください.
事前学修 定規とコンパスでどのような図形が作図できるか調べておく.(2時間)
事後学修 授業で行った作図について再度復習をする。(2時間)
9 A,C 岩瀬:正多角形の作図について考察する.
この2回の授業には、定規とコンパス,ハサミなどを持参してください.
事前学修 前時の授業を復習しておく.(3時間)
事後学修 本時の課題を完成する.(3時間)
10 A,C 若林:合同式,フェルマーの小定理とその証明について
事前学修 シラバスを読んでおく。二項係数について復習しておく(2時間)
事後学修 合同式について復習し,演習問題を解く。(2時間)
11 A,C 若林:素数pを法とした二項係数および二項展開,フェルマーの小定理の別証明について
事前学修 前回の復習をする。(2時間)
事後学修 法pによる二項展開について復習し,レポート課題に取り組む。(4時間)
12 A,C 香川:テイラー展開の復習、三角関数を含む積分の復習
事前学修 シラバスを読んでおく。微分と積分について復習をしておく。(2時間)
事後学修 三角関数を含む積分について復習し、演習問題を解く。(2時間)
13 A,C 香川:フーリエ級数
事前学修 前回の復習をする。(2時間)
事後学修 授業で行った内容をもとにレポート課題に取り組む。(4時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

基盤科学における基礎的な専門知識および適切に応用する能力を備えることができる【DP-N-1-1】
知識や技術の伝達に必要な文章力をもち,協調してグループ作業するためのコミュニケーション力および論理的思考力を有することができる【DP-N-2-1】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 50% 60% 20% 10% 10% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 授業中の演習 50% 50% 20% 10% 20% 100%
その他2(具体的に: 0%
100% 55% 20% 10% 15% 0% 100%

教科書・参考書

柳田達雄--教科書は使わないが、必要に応じてプリントなどを配布する。参考書「力学系入門―微分方程式からカオスまで―」Hirsch・Smale・Devaney,共立出版.
名倉 誠 -- 教科書は使わないが、講義資料を配布する。
若林徳子 -- 教科書は使わないが、必要に応じてプリントなどを配布する。
岩瀬謙一 -- 教科書は使わないが、必要に応じてプリントなどを配布する。参考書:S.G.ギンディキン著,ガウスが切り開いた道,シュプリンガー・フェアラーク東京,1996など
梶木屋龍治 -- 教科書は使わない. 参考書「境界値問題入門」草野尚, 朝倉書店
香川智修 -- 教科書は使わないが, 必要に応じてプリントなどを配布する.

オフィスアワー

柳田達雄 -- 前期:木曜日5限(A号館3F 21号室),後期:木曜日5限(A号館3F 21号室)
名倉 誠 -- 前期:月曜日5限(A号館3F 19号室),後期:月曜日5限(A号館3F 19号室)
若林徳子 -- 前期金曜3限(A号館1F 22号室),後期:後期火曜3限(A号館1F 22号室)
岩瀬謙一 -- 前期:水曜日3限(A号館1F 18号室),後期:水曜日3限(A号館1F 18号室)
梶木屋龍治 -- 前期:月曜日5限(A号館1F 19号室),後期:月曜日5限(A号館1F 19号室)
香川智修 -- 前期:木曜4限(A棟1階教員室20), 後期:月曜3限(A棟1階教員室20)

ただし,学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性がある.

その他

【注意】
岩瀬謙一 -- 2回の岩瀬担当の授業には、定規とコンパス,ハサミなどを持参してください.
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【各課題のフィードバック方法】
柳田達雄--レポートは内容チェックの上でMoodleにて返却する.
名倉 誠 -- レポートは内容チェックの上でMoodleにて返却する.
若林徳子 -- moodleの課題提出機能を用いてフィードバックする,
岩瀬謙一 -- 提出された課題は、希望者が直接取りにくれば返却する.課題の解答例は後日moodle上に掲載する
梶木屋龍治 -- 課題・レポートについて: 提出された課題・レポートは内容を確認し, 考え方や解答例などの解説を行う.
香川智修 -- 提出された課題は, 希望者が直接取りにくれば返却する. 課題の解答例は後日moodle上に掲載する.

実務経験のある教員による授業科目