2025年度前期有機機器分析

曜日・時限 金曜日3時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング EN430237,EU330315
開講学科等 工学部-基礎理工学科
工学部-環境科学科
教員名 青沼 秀児
青沼 秀児
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e9%9d%92%e6%b2%bc%e3%80%80%e7%a7%80%e5%85%90

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目的

物質の性質や分子構造の特徴を理解し、その構造を原子、分子レベルで解明するために、分析機器を用いた解析法が広く用いられている。機器分析では、(1)分析の目的に応じて適切な測定方法を選べること、(2)実際のチャートが読める(スペクトルが解析できる)こと、の二つを目標にしている。今日、様々な機器分析手法が使われているが、この授業では代表的な機器分析法である質量分析法(MS)、核磁気共鳴法(NMR)、赤外分光法(IR)の三種類を中心にその化合物同定の進め方を学ぶ。各分析方法を理解した上で、これらの分析方法を組み合わせ、科学的思考によって化合物の構造同定に取り組む。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 構造決定の手順;質量分析、核磁気共鳴、赤外分光の概要 事前学修 MS,NMR, IRスペクトルについて調べる(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
2 A 質量分析―質量分析法の原理;各種イオン化法、
試料調製法;質量数、同位体ピーク、フラグメンテーションの様式;官能基ごとの
特徴(アルカン、ケトン、アルコール等)
事前学修 質量分析法について調べる(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
3 A 赤外分光1―分子の基準振動;基準振動の種類と波数領域;試料調製法 事前学修 赤外分光法について調べる(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
4 A 赤外分光2―官能基の特性吸収(アルカン、アルケン、芳香族化合物、アルコール、カルボニル化合物、アミン、ニトリル等);水素結合 事前学修 アルカン、アルケン、芳香族化合物、アルコール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、アミン、ニトリルについて、構造や性質を復習する(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
5 A 核磁気共鳴1―核磁気共鳴の原理、磁化ベクトル、緩和、装置概要、試料調製法;ケミカルシフトの起源、ケミカルシフトの予測 事前学修 核磁気共鳴について調べる(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
6 A 核磁気共鳴2―、積分比とプロトン数;スピン結合の起源、一次のスピン結合、高次のスピン結合 事前学修 核スピンについて調べる(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
7 A 核磁気共鳴3―スピン系の表記(Popleの記号法)、アルコール性水素のスピン結合,H-1以外の核とのスピン結合; 化学的等価性、磁気的等価性 事前学修 スチレンの化学構造式を調べ、そのスピン結合を予想する(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
8 A 核磁気共鳴4―キラリティー、ビシナルスピン結合と結合角(Karplus則)、ジェミナルスピン結合、遠隔スピン結合 事前学修 キラリティーについて復習する(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
9 A 核磁気共鳴5―C-13 NMR、ケミカルシフトの一般的な領域、ケミカルシフトの予測; 相関NMR、COSY法、HMBC法 事前学修 C-13 NMRと相関(二次元)NMRについて調べる(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
10 A,C スペクトル解析総合演習:IR, MS, H-1 NMR, C-13 NMRスペクトルから化合物の構造を決める 事前学修 IR, MS, H-1 NMR, C-13 NMRについて復習する(1時間)
事後学修 授業で用いたスライドを整理して自分のノートを作成する(3.5時間)
11 A,C スペクトル解析総合演習:IR, MS, H-1 NMR, C-13 NMRスペクトルから化合物の構造を決める 事前学修 e-learningシステム (Moodle)上の問題A~Hを解く(4時間)
事後学修 解答を見直し、スペクトルの読み方を習得すること(1時間)
12 A,C スペクトル解析総合演習:IR, MS, H-1 NMR, C-13 NMRスペクトルから化合物の構造を決める 事前学修 e-learningシステム (Moodle)上の問題I~Pを解く(4時間)
事後学修 解答を見直し、スペクトルの読み方を習得すること(1時間)
13 A,C スペクトル解析総合演習:IR, MS, H-1 NMR, C-13 NMRスペクトルから化合物の構造を決める 事前学修 e-learningシステム (Moodle)上の問題Q~Wを解く(4時間)
事後学修 解答を見直し、スペクトルの読み方を習得すること(1時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇 修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-N-1-1】、修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-U-1-1】
・各分光法の特徴を理解し、目的に応じた手法が選択できること
・スペクトルが読めるようになること。すなわち各スペクトル(MS,IR,NMR)をみて、自ら参考書等を調べて必要な情報を見つけ出すことができ、構造の同定やピークの帰属ができること。
・化学構造に関する基本的な知識を応用し、種々の分光法を適応して物質の構造決定や組成決定なとができること。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 80% 50% 50% 100%
小テスト、小論文 20% 70% 30% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 54% 46% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

参考書
R.M.Silverstein,F.X.Webster,D.J.Kiemle著、荒木峻他訳、「有機化合物のスペクトルによる同定法―MS,IR,NMRの併用―(第8版)」、東京化学同人(2016).

オフィスアワー

月曜日 17:15~18:15、A号館3階教員室03
学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性があります。
LINEやe-メールでも質問を受け付けています。連絡方法は、e-learning システムを見てください。

その他

授業で用いるスライドや資料はe-learningシステム(Moodle)でも提供する。
レポートおよび小テストはe-learning システムで実施する。
試験の答案は返却しないが、正答例を e-learning システムで公表する。

実務経験のある教員による授業科目