2025年度後期日本国憲法

曜日・時限 火曜日2時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング EE110118,EH110118,EJ110118,EN110118,EU110118
開講学科等 工学部-電気電子工学科
工学部-電子機械工学科
工学部-機械工学科
工学部-基礎理工学科
工学部-環境科学科
工学部-基礎理工学科 数理科学専攻
工学部-基礎理工学科 環境化学専攻
教員名 中里見 博
中里見 博
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e4%b8%ad%e9%87%8c%e8%a6%8b%e3%80%80%e5%8d%9a

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目的

この授業は、「日本国憲法」の基礎的な知識を学ぶことを目的とします。
「憲法」は、一般の「法律」と違い、国民を縛るためのものではなく政府を縛るものです。政府は憲法の範囲内でしか法律を作ることができず、その意味で、憲法は社会の法的なOSであると同時に、市民生活を支え、政府による戦争や人権侵害などから市民を守っています。
しかし、どんなに素晴らしい内容の憲法を持っていても、その実現を政府に押しつけるのは、いつでも市民の力にかかっています。ですから、憲法について学ぶことは、この国の「主権者」たる市民として生きる上での基礎的な知識を得ることでもあります。
この授業では、最初に日本国憲法制定の歴史から学び、次に国民の基本的人権、この憲法の特徴である「平和主義」について学びます。最後に司法の独立や、民主主義の現状と問題点について学びます。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 1.授業ガイダンス
2.憲法の基本:「憲法」は、私たち国民が守らなくてはならない「国の最高の決まり」なのか?(テキスト第0講)
事前学修 シラバスをよく読んでおくこと。また、テキスト第0講を読んで、憲法の基本、とくに憲法はだれが制定し、だれが守るべき法かについて予備知識を得ておくこと。
(2時間)
事後学修 授業内容を振り返り、憲法の意義や自分の生活との関係を考えること。(3時間)
2 A 憲法の制定史1:日本国憲法は「押し付け」られたのか?(テキスト第1講) 事前学修 テキスト第1講を読んで、憲法制定の歴史について予備知識を得ておくこと。(2時間)
事後学修 授業内容を振り返り、「日本国憲法はGHQの押しつけ」「国民の意思が反映していない」などの主張について考えること。(3時間)
3 A 憲法の制定史2:「私は男女平等を憲法に書いた」(ビデオ教材) 事前学修 憲法の原案を作ったGHQのメンバーの1人、ベアテ・シロタさんについて予備知識を得ておくこと。(2時間)
事後学修 ビデオ課題をやるとともに、授業内容を振り返り、憲法制定の複雑な歴史の全体像について考えること。(3時間)
4 A 憲法の改正:災害や感染症などに備えた憲法改正は必要か?(テキスト第16講) 事前学修 テキスト第16講を読んで、憲法改正の意味、憲法改正をめぐる歴史、憲法改正論の現在について予備知識を得ておくこと。(2時間)
事後学修 授業内容を振り返り、憲法改正の是非について自分の考えを深めること。(2時間)
5 A 憲法保障と裁判所:司法の独立と裁判官の市民的自由(ビデオ教材) 事前学修 テキスト第6講を読んで、「司法の独立」について予備知識を得ておくこと。また、「憲法保障」の意味と裁判所の役割についても調べておくこと。(2時間)
事後学修 ビデオ課題をやるとともに、授業内容を振り返り、裁判官の市民的自由について理解を深めること。(3時間)
6 A 司法への国民参加:国民が裁判官といっしょに裁判を担当する「裁判員制度」は、憲法違反なのか?(テキスト第6講)
事前学修 テキスト第6講を読んで、司法への国民参加の意義と、「裁判員制度」の問題点について予備知識を得ておくこと。(2時間)
事後学修 授業内容を振り返り、司法への国民参加の意義や「裁判員制度」のあり方について理解を深めること。(2時間)
7 A 平和主義1:平和は戦争がないことだけを指すのか?(テキスト第3講) 事前学修 テキスト第3講を読んで、憲法の平和主義の意味について予備知識を得ておくこと。(2時間)
事後学修 授業内容を振り返り、憲法の平和主義の意味について理解を深めること。(2時間)
8 A 平和主義2:戦争を「兵士の人権」から考える(ビデオ教材) 事前学修 テキスト第3講を読んで、戦争を「兵士の人権」から考えることについて、予備知識を得ておくこと。(2時間)
事後学修 ビデオ課題をやるとともに、授業内容を振り返り、戦争を「兵士の人権」から考えることについて理解を深めること。(3時間)
9 A 人権の保障と制約:人権が保障されない人たちがいるのか?(テキスト第8講)
事前学修 テキスト第8講を読んで、人権保障と制約に関する基本的な事柄について、予備知識を得ておくこと。(2時間)
事後学修 授業内容を振り返り、人権保障と制約に関する基本的な事柄について、理解を深めること。(2時間)
10 A 差別と平等:差別的効果をもつ法律は許されるか?(テキスト第9講) 事前学修 テキスト第9講を読んで、憲法が保障する「法の下の平等」と「差別禁止」について、予備知識を得ておくこと。(2時間)
事後学修 授業内容を振り返り、憲法が保障する「法の下の平等」と「差別禁止」の意味について、理解を深めること。(2時間)
11 A 精神的自由の権利:思想・良心に反した行動を強要することは許されるか?(テキスト第10講)
         宗教系私立学校への公金支出は政教分離原則に反するか?(テキスト第11講)
事前学修 テキスト第10講・第11講を読んで、「思想・良心の自由」「信教の自由」の保障について予備知識を得ておくこと。(3時間)
事後学修 授業内容を振り返り、「思想・良心の自由」「信教の自由」の保障について理解を深めること。(2時間)
12 A 国民主権と代表制:天皇は男性でなければいけないのか?(テキスト第2講)
         国会議員は何のために存在しているのか?(テキスト第4講)
事前学修 テキスト第2講・第4講を読んで、国民主権と天皇制の関係、国会議員の役割について、予備知識を得ておくこと。(3時間)
事後学修 授業内容を振り返り、国民主権と天皇制の関係、国会議員の役割について理解を深めること。(2時間)
13 A 1.行政権:内閣は自由に衆議院を解散してもいいのか?(テキスト第5講)
2.授業内試験
事前学修 テキスト第5講を読んで、行政権(内閣)の役割について予備知識を得ておくこと。
授業内試験に備えて、この講義の全体を復習しておくこと。(3時間)
事後学修 授業内容を振り返り、行政権(内閣)の役割について理解を深めること。この講義の全体を振り返り、日本国憲法の意義と自分の生活の関係について考えを深めること。(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

・日本国憲法の制定史に関する基礎知識を修得し、国民にとっての日本国憲法の意義を理解できるようになる。
・基本的人権の多様な性質について理解できるようになる。
・憲法の平和主義の歴史と基礎知識を修得し、その意義を理解できるようになる。
・主権者としての国民の政治的権利や民主主義の制度、立憲主義の制度について基礎知識を修得し、その意義や行使の方法を理解できるようになる。

本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目
〇 2024年度以降の入学生
 下記リンク先のカリキュラム・マップを参照.
 URL: https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
〇 2023年度以前の入学生
 修得する資質・能力: 知識・理解力・応用力【工学部DP(1)】【DP-C-1-1】【DP-E-1-1】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 40% 50% 30% 20% 100%
小テスト、小論文 30% 100% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 40% 20% 20% 20% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 62% 18% 0% 6% 14% 100%

教科書・参考書

以下の教科書を使用する。
 倉持孝司ほか編著『論争から学ぶ日本国憲法』2400円(税抜き)法律文化社、2025年
試験は「教科書のみ持ち込み可」で行なうので、各自購入すること。

オフィスアワー

【授業期間中】月曜日12:30~14:00、火曜日12:30~14:00
  寝屋川キャンパス新棟1階01研究室

その他

提出課題や試験解答は内容をチェックの上で返却する。

実務経験のある教員による授業科目