2025年度後期前半制御工学・演習

曜日・時限 火曜日2時限,木曜日3時限 期別 後期前半 週時間数 2
ナンバリング EE330601
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 伊藤 義道
伊藤 義道
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e4%bc%8a%e8%97%a4%e3%80%80%e7%be%a9%e9%81%93

教員情報データベースに遷移します

目的

制御は家電製品や自動車など、使用者が知らないところで多数使用されている。制御系(特にフィードバック制御系)を設計する方法として、伝達関数を利用する周波数領域の考え方(古典制御理論)が広く使われている。この手法により、微分方程式で表現されたシステムの挙動を四則演算を用いて容易に議論できるため、この手法をよく理解することは電気系や機械系の学生にとって大変重要である。本講では、ラプラス変換に基づく伝達関数の考え方と、周波数伝達関数に基づく制御系の解析法を理解する。これらの概念は制御工学や信号処理など多くの科目の基礎となる。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 制御とは 事前学修 シラバスを読む。(2時間)
事後学修 フィードバック制御について復習する。(3時間)
2 A,C 微分・積分の復習 事前学修 微分・積分について復習しておく。(2時間)
事後学修 演習課題を何度も解いて、微分・積分に慣れる(3時間)
3 A,C 様々な信号(周期信号、指数関数信号、ステップ信号、インパルス信号) 事前学修 三角関数、指数関数について復習しておく。(2時間)
事後学修 演習課題で出題した様々な信号の波形をグラフ化する。(3時間)
4 A,C 様々なシステム(線形システム、時不変システム、因果的システム) 事前学修 線形性、時不変性、因果性についてあらかじめ調べておく。(2時間)
事後学修 演習課題で出題した、システムの線形性、時不変性、因果性を確認する。(3時間)
5 A,C インパルス応答と入出力関係 事前学修 インパルス信号、および線形時不変システムについて復習しておく。(2時間)
事後学修 インバルス応答と入力信号から、出力信号を計算する演習問題を解く。(3時間)
6 A,C ラプラス変換と逆ラプラス変換 事前学修 三角関数、指数関数、ステップ信号について復習するとともに、ラプラス変換について自分なりに調べておく。(2時間)
事後学修 演習課題で出題した、様々な信号のラプラス変換を計算する。(3時間)
7 A,C ラプラス変換を用いた微分方程式の求解 事前学修 微分方程式について調べておく。(2時間)
事後学修 演習課題を何度も解くことにより、ラプラス変換による微分方程式の解法に習熟する。(3時間)
8 A,C 伝達関数とブロック線図 事前学修 入力信号、インパルス応答、出力信号の関係について復習しておく。(2時間)
事後学修 伝達関数やブロック線図に関する演習課題を解く。(3時間)
9 A,C 線形時不変システムの伝達関数、零点、極 事前学修 伝達関数について復習しておく。(2時間)
事後学修 伝達関数の極、零点に関する演習課題を解く。(3時間)
10 A,C 伝達関数とシステムの安定性と安定判別 事前学修 伝達関数の極と零点について復習しておく。(2時間)
事後学修 伝達関数の極、零点、システムの安定性に関する演習課題を解く。(3時間)
11 A,C システムの周波数応答(ベクトル軌跡) 事前学修 複素数について復習しておく。また、RC直列回路のインピーダンスを計算し、その意味について考える。(2時間)
事後学修 周波数伝達関数、利得、位相について理解し、それらの計算ができるよう、演習課題で復習する。(3時間)
12 A,C システムの周波数応答(ボード線図) 事前学修 方対数グラフの使い方を復習しておく。(2時間)
事後学修 演習課題で出題した様々なシステムのボード線図を描く。(3時間)
13 A,C ナイキストの安定判別 事前学修 ナイキストの安定判別法について、自分なりに調べる。(2時間)
事後学修 演習課題を通して、ゲイン余裕、位相余裕の計算に慣れる。(3時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

修得する資質・能力:知識・理解力、応用力
2024年度以降の入学者: 専門知識・技能を修得し、実践する力【DP-E-1】、自らを律し、学び続ける力【DP-E-5】
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
2023年度以前の入学者【DP-E-1-1】

(1)ラプラス変換を用いて微分方程式の解を求めることができる。
(2)伝達関数によるシステムの表現やシステムの応答の計算法を理解し、基本的な計算ができる。
(3)周波数応答に基づくフィードバックシステムの解析・設計手法を理解し、基本的な計算ができる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 50% 50% 100%
小テスト、小論文 20% 50% 50% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 10% 100% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 45% 45% 0% 10% 0% 100%

教科書・参考書

参考書:

佐藤和也、平元和彦、平田研二:「はじめての制御工学」、講談社

藤井隆雄編、藤井、河村他著:「(新世代工学シリーズ)制御理論」、オーム社

杉江俊治、藤田政之:「フィードバック制御入門」、コロナ社

次の本は、微分方程式から伝達関数の作り方に詳しい。

尾崎弘明:「制御工学の基礎」、共立出版

数式を用いずに制御の歴史を知りたい学生には次の本が参考になる。

示村悦二郎:「自動制御とは何か」、コロナ社

オフィスアワー

水曜5限@A号館3階教員室38

その他

本科目はクォータ制科目であり、週2回行う。
毎回実施する小テストの解答は、Moodle上にアップロードする。
学生の要望に応じて、適宜、課題や試験問題の解答を解説する。

実務経験のある教員による授業科目