2025年度前期パワーエレクトロニクス・演習

曜日・時限 月曜日2時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング EE330404
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 民田 太一郎
民田 太一郎

目的

パワーエレクトロニクスとは,半導体素子のスイッチングで与えられた電源から任意の電圧,電流,周波数,位相の電力を得る技術であり,数Wの携帯電話の充電器から,パソコンの電源アダプタ,インバータエアコン,新幹線,さらに1000MW以上の大電力直流送電まで広く使われている。さらに今後重要度が増す太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用する場合や電気自動車やハイブリッド自動車のモータを駆動する場合にも不可欠な技術である。このパワーエレクトロニクス技術について,半導体素子,変換回路,制御方式と動作に関する基本事項を学ぶ。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 講義全体の説明,パワーエレクトロニクスの基本事項

事前学修 これまで学んだ電気回路の授業を復習しておく(2時間)
事後学修 パワーエレクトロニクスの基本および電気回路について教科書を参考に事後学修をする(2時間)
2 A,C 電流電圧波形と過渡現象の考え方

事前学修 電気回路について復習する(2時間)
事後学修 回路の電流の経路や電圧の波形が描けるように事後学修する(2時間)
3 A,C 各種電力用半導体の基本構造と特性

事前学修 各種半導体について教科書等を参考に事前学修をする(2時間)
事後学修 各種半導体について教科書等を参考に事後学修をする(2時間)
4 A,C 直流チョッパ(DC-DC変換)、降圧・昇圧チョッパ回路

事前学修 昇圧・降圧チョッパ回路について教科書等を参考に事前学修をする(2時間)
事後学修 昇圧・降圧チョッパ回路について教科書等を参考に事後学修をする(2時間)
5 A,C 直流チョッパ(DC-DC変換)、昇降圧チョッパ回路、出力電圧制御回路

事前学修 昇降圧チョッパ回路について教科書等を参考に事前学修をする(2時間)
事後学修 チョッパ回路およびその制御について教科書等を参考に事後学修をする(2時間)
6 A,C インバータ(DC-AC変換)、方形波インバータ

事前学修 インバータ回路の動作原理について教科書等を参考に事前学修をする(2時間)
事後学修 方形波インバータについて教科書等を参考に事後学修をする(2時間)
7 A,C 中間まとめ(小テストと解説)

事前学修 中間小テストの準備(5時間)
事後学修 中間小テストの復習(3時間)
8 A,C インバータ(DC-AC変換)、PWMインバータ、3相インバータ 事前学修 インバータについて復習し、PWMについて教科書等を参考に事前学修をする(2時間)
事後学修 中間小テストの準備(2時間)

9 A,C 整流回路(AC-DC変換)、ダイオード整流回路

事前学修 整流回路について教科書等を参考に事前学修をする(2時間)
事後学修 ダイオード整流について教科書等を参考に事後学修をする(2時間)
10 A,C 整流回路(AC-DC変換)、制御整流回路

事前学修 制御整流回路について教科書等を参考に事前学修をする(2時間)
事後学修 制御整流回路について教科書等を参考に事後学修をする。波形の計算ができるようになる。(2時間)
11 A,C AC-AC変換、交流電圧調整回路、無効電力補償装置、高調波・歪率

事前学修 AC-AC変換について教科書等を参考に事前学修をする(2時間)
事後学修 AC-AC変換と交流電圧の調整や無効電力補償について教科書等を参考に事後学修をする(2時間)
12 A,C 受動素子、センサおよび駆動回路
さまざまなパワエレ機器

事前学修 パワエレ回路ではパワー半導体以外にどのような素子が用いられているか、また身の回りにどのようなパワエレ機器が用いられているか、教科書等を参考に事前学修をする(2時間)
事後学修 受動素子、センサ、および駆動回路、およびパワエレ機器の社会実装について教科書等を参考に事後学修をする(2時間)
13 A,C 全体の振り返りと全体の演習と解説 事前学修 出された演習問題を解く(2時間)
事後学修 期末試験の準備(6時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

目標すなわち本科目修了時に学生が身につけている能力は以下の通り
○習得する資質・能力:知識・理解【DP-E-1-1】
(1)パワーエレクトロニクス回路を見て、どのような経路で電流が流れ、どのような電圧が各部にかかっているかを、過渡的な電流電圧波形として描くことができる。
(2)各種電力用半導体デバイス(ダイオード,トランジスタ,サイリスタなど)の特性を理解し説明できる。
(3)直流チョッパ回路の動作原理・特性を理解し,基本的計算ができる。
(4)インバータ回路の特性を理解し説明できる。
(5)整流回路の原理・特性を理解し,設計のための基本的計算ができる。
(6)AC-AC変換回路について理解し説明できる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 50% 50% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 50% 50% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 50% 50% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

教科書:「パワーエレクトロイクス~基礎から応用~」 高木浩一、南谷靖史、他(理工図書)
参考書:「よくわかるパワーエレクトロニクス」森本雅之(森北出版)

オフィスアワー

月曜5限(17:15~19:00)@A号館3階教員室43

その他

・講義に出席して準備学習・レポート・演習を実施し,提出していないと合格できないことがあるので注意すること。
・中間試験および定期試験の問題は回収し答案は原則返却しない。点数やできなかった部分が知りたい場合は個別に連絡すること。
【事前学修】シラバスを見て次回の講義内容を確認し,教科書の該当部分を勉強しておくこと。
【事後学修】その回で学んだことを復習して自分でまとめる習慣を付けること。自分の頭で復習して演習を解けるようになることが大事。各回の課題の提出は評価に用いるので、確実に提出すること。

・(注意)本講義は実務経験による電気主任技術者免状取得に関わる認定に必要な科目(科目区分:機械)である。当該科目区分の認定資格を受けたい学生は必ず修得する必要がある(※対象は2019年度以降の電気電子工学科入学者)。

実務経験のある教員による授業科目

講義担当者は電機メーカーでパワーエレクトロニクス機器の研究開発に従事した実務経験があり、パワーエレクトロニクス全般について実務の立場から説明できる。