2025年度後期信号システム理論特論

曜日・時限 木曜日2時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング EE430605
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 伊藤 義道
伊藤 義道
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e4%bc%8a%e8%97%a4%e3%80%80%e7%be%a9%e9%81%93

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目的

今年度の講義では、状態空間表現に基づく制御系設計理論、いわゆる現代制御理論の基礎を習得することを目的とする。また、MATLABを使った制御系の設計ができるようになることを目指す。このためには、制御対象や制御仕様を数式で適切に記述すること、制御理論を正しく理解すること、MATLABの基本的な使い方に習熟することが必要である。講義中の演習課題や、レポートを通して、これらを身につけて頂きたい。本授業は、本来、博士前期課程の学生を対象とした授業であるが、アドバンスコースに属する優秀で意欲的な4年生に対し、大学院で学ぶ高度な知識や技術に触れてもらうことを通して、更なる学びへの意欲を高めることを目的とし、大学院生の授業と同時開講する。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 面接授業:A, C システムと状態空間表現 事前学修 あらかじめシラバスを読んでおく。また、状態空間表現についてあらかじめ調べておく。(2時間)
事後学修 演習課題の状態空間表現の問題を解く。(3時間)
2 面接授業:A, C 行列とベクトル(1)基本事項の復習、ベクトルの微分、固有値 事前学修 行列の積、対角行列、対称行列、転置について復習しておく。(2時間)
事後学修 ベクトルと行列に関する演習課題を一通り復習しておく。(3時間)
3 面接授業:A, C 行列とベクトル(2)行列の対角化、正定行列、LMI 事前学修 前回の演習課題を復習しておく。(2時間)
事後学修 ベクトルと行列に関する演習課題を一通り復習しておく。(3時間)
4 面接授業:A, C 状態空間表現と伝達関数 事前学修 第1回の状態空間表現の演習課題を復習しておく。(2時間)
事後学修 演習課題の状態空間表現から伝達関数を求める問題を解く。(3時間)
5 面接授業:A, C 行列指数関数とシステムの初期値応答 事前学修 指数関数の微分・積分、級数表現を復習しておく。(2時間)
事後学修 行列指数関数に関する演習課題を復習しておく。(3時間)
6 面接授業:A, C 状態方程式の解 事前学修 定数変化法による微分方程式の解法を復習しておく。(2時間)
事後学修 状態方程式の解を求める演習課題を復習しておく。(3時間)
7 面接授業:A, C システムの安定性 事前学修 指数関数のグラフを描けるように復習しておく。また、行列の固有値について復習しておく。(2時間)
事後学修 演習課題に現れるシステムの安定性を判別する。(3時間)
8 面接授業:A, C 可制御性と可観測性 事前学修 ベクトルの一次独立、正方行列のランク、行列式について復習しておく。(2時間)
事後学修 演習課題に現れるシステムの可制御性と可観測性を判別する。(3時間)
9 面接授業:A, C 状態フィードバック 事前学修 行列の固有値について復習しておく。(2時間)
事後学修 状態フィードバックに関する演習課題を解く。(3時間)
10 面接授業:A, C オブザーバ 事前学修 第8回の可観測性について復習しておく。(2時間)
事後学修 演習課題に現れるシステムのオブザーバを設計する。(3時間)
11 面接授業:A, C 最適レギュレータ 事前学修 行列の正定性、システムの可制御性を復習しておく。(2時間)
事後学修 演習課題に現れるシステムの最適レギュレータを設計する。(3時間)
12 面接授業:A, C MATLABによる行列計算 事前学修 MATLABで行列の入力や和や積などの簡単な計算ができるようにしておく。(2時間)
事後学修 MATLABによる行列計算のプログラミングを復習する。(3時間)
13 面接授業:A, C MATLABによる制御系の設計 事前学修 MATLABによるプログラミングについて復習しておく(2時間)
事後学修 MATLABでシステムを定義し、時間応答、周波数応答を計算できるようにする。(3時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

習得する資質・能力:知識・理解力、応用力
2024年度以降の入学者: 専門知識・技能を修得し、実践する力【DP-E-1】、自らを律し、学び続ける力【DP-E-5】
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
2023年度以前の入学者【DP-E-1-1】

現代制御理論の基礎知識を習得し、計算機を使って制御系を設計する技能を身につける。
とくに、以下を目標とする。
(1) 線形微分方程式で表されるシステムの状態空間表現を導くことができる。
(2) 簡単なシステムの応答を計算することができる。
(3) 簡単なシステムに対し、状態フードバックによる極配置ができる。
(4) 制御目的に応じて制御問題を適切に定式化し、MATLABを使って制御系を設計することができる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 50% 50% 100%
小テスト、小論文 20% 50% 50% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 10% 100% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 45% 45% 0% 10% 0% 100%

教科書・参考書

参考書:
佐藤、下本、熊澤:「はじめての制御理論」、講談社
小郷、美田:「システム制御理論入門」、実教出版
川田:「MATLAB/Simulinkによる現代制御入門」、森北出版

オフィスアワー

水曜5限@A号館3階教員室38

その他

指数関数や三角関数のグラフを描くことができるようにしておくこと。また、これらの関数の微分と積分にあらかじめ習熟しておくこと。
学生の要望に応じて、適宜、課題やテストの解答を説明する。

実務経験のある教員による授業科目