2025年度前期現象数理学特論

曜日・時限 火曜日4時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング EN430119
開講学科等 工学部-基礎理工学科
教員名 柳田 達雄
柳田 達雄
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%9f%b3%e7%94%b0%e3%80%80%e9%81%94%e9%9b%84

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目的

微分方程式や差分方程式で記述されるいくつかの具体的な自然現象を題材とし,数理解析,数値解析をとおしてそれらの現象の理解を深める.具体的な例としては,振動現象や波動現象を取り上げる.また,微分方程式を代表とする力学系に関する基礎的事項を学ぶ.特に,線形系よりも非線形力学系 に主眼を置いて,その物理・化学・生物現象へ 応用し非線形力学系の理解を深める.また,数理解析,数値解析のMathematicaを用いた演習を通して現象記述としての力学系理論の習得を目的とする.

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 力学系入門---力学系・相空間・平衡点
-力学系の基礎概念を学ぶ
-ベクトル場を理解する
事前学修 微積分および微分方程式の予習をしておくこと(2時間).
事後学修 力学系の基礎概念の復習をしておくこと(2時間).
2 A,C 力学系の応用---生態系の力学系モデル
-常微分方程式を用いて生態系をモデリングし,解析する
事前学修 微分方程式,生態系について予習をしておくこと(2時間).
事後学修 生態系の数理モデリングについて復習しておくこと(2時間).
3 A,C 平衡点と安定性,幾何学的解析
-力学系の基礎概念である平衡点とその安定性について学ぶ.
-幾何学的方法(グラフ)を用いて,平衡点とその安定性を吟味する方法を学ぶ.
事前学修 微分方程式とその安定性について予習をしておくこと(2時間).
事後学修 一次元の微分方程式の平衡点とその安定性を求められるようにしておくこと(2時間).
4 A,C 電気回路の幾何学的解析と安定性
-電気回路を常微分方程式によりモデリングして解析する.
事前学修 2階解微分方程式と電磁気学について予習しておくこと(2時間).
事後学修 電気回路の微分方程式を立て,その解を求められるようにしておくこと(2時間).
5 A,C 平衡点の線形安定性解析
-平衡点の安定性をヤコビ行列の固有値により解析する.
事前学修 線形代数学と固有方程式・固有値について復習しておくこと(2時間).
事後学修 2階線形微分方程式の解の安定性を理解しておくこと(2時間).
6 A,C 分岐現象
-非線形力学方程式で現れる解の分岐現象を学ぶ.
事前学修 分岐現象について調べておくこと(2時間).
事後学修 一階非線形微分方程式にみられる分岐現象を復習しておくこと(2時間).
7 A,C 振動現象
-調和振動子の微分方程式とその解法
-連成振り子の微分方程式とその解法
-基準振動について学ぶ
事前学修 調和振動子に関して復習しておくこと(2時間).
事後学修 調和振動子,および連戦振動の解法を復習する(2時間).
8 A,C 2自由度の連成振動
-2重振り子の運動方程式
-微小振動の解析(基準振動)
事前学修 力学(物理)の復習をしておくこと(2時間)
事後学修 2重振り子の微小振動における基準振動について復習しておくこと(2時間)
9 A,C 多自由度の連成振動
-多重連成振動の微分方程式とその解法について学ぶ
-多自由度系の基準振動について学ぶ
事前学修 多重連成振動の予習をしておくこと(2時間)
事後学修 多重連成振動の解法および基準振動について復習しておくこと(2時間).
10 A,C 連成振動の数値解析
-調和振動子のシミュレーション
-連成振動のシミュレーション
事前学修 Mathematicaの使い方を復習しておくこと(2時間).
事後学修 微分方程式の数値解法を復習しておくこと(2時間).
11 A,C 波動方程式の解法
-波動方程式の解を求める
事前学修 波動方程式について調べておくこと(2時間).
事後学修 波動方程式と分散関係について復習し,理解しておくこと(2時間).
12 A,C 波動方程式の解の視覚化
-波動方程式の解をMathematicaにより表示する
事前学修 波動方程式の解について復習しておくこと(2時間).
事後学修 波動方程式とMathematicaのプログラムについて復習し,理解しておくこと(2時間).
13 A,C まとめ 事前学修 これまでの力学系の概念および解析手法を復習しておくこと(2時間).
事後学修 力学系の概念と数理モデルについて全般的に復習しておくこと(2時間).

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

基盤科学における基礎的な専門知識および適切に応用する能力を備えることができる【DP-N-1-1】
-力学系の観点より現象を俯瞰することができる

獲得した知識や技術を用いて社会を幅広い視野て捉え、その発展のために貢献できる【DP-N-3-1 】
-力学系の基本事項を学び,最も重要な微分方程式について学びながら,さまざまな物理・化学・生物現象を記述する非線形力学モデルを応用例 として取り上げ,力学系と現象の理解を深める.

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 50% 30% 20% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 30% 30% 20% 30% 20% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 授業中での演習課題::::: 40% 50% 20% 10% 10% 10% 100%
その他2(具体的に: 0%
100% 44% 17% 16% 13% 10% 100%

教科書・参考書

使用しない.
適宜プリントを配布する.
参考書 「力学系入門―微分方程式からカオスまで」,Hirsch・Smale・Devaney著(共立出版) 「非線形ダイナミクスとカオス」Steven H. Strogatz著( 丸善出版 )

オフィスアワー

柳田:前期 月曜5限,A棟3階教員室21 (A-S348)
ただし,学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性がある.

その他

実務経験のある教員による授業科目