2025年度前期集中木材加工

曜日・時限 不定期その他 期別 前期集中 週時間数 2
ナンバリング
開講学科等 工学部-機械工学科
工学部-環境科学科
教員名 永冨 一之
永冨 一之
職務履歴

目的

この講義では,中学校技術・家庭科技術分野の担当教員として最低限必要となる木材材料学,木材加工学および木工工作法の知識・技能を習得することを目的とする。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 ガイダンス
新学習指導要領における技術分野「材料と加工の技術」の教育内容
中学校教科書の記述内容と現行学習指導要領との対応
事前学修 学習指導要領(H29告示)技術分野A「材料と加工の技術」の指導項目を確認しておくこと。(1時間)
事後学修 中学校学習指導要領(H29告示)解説 技術家庭編での記述内容から,A「材料と加工の技術」の指導計画を立案する上でのポイントをレポートにまとめる。(1時間)
2 木材利用と環境保全
循環型社会形成に向けたものづくりのあり方
低炭素社会形成に向けた木質資源利用の意義
森林資源の現状
事前学修 持続可能な社会をづくりの担い手を育む教育(ESD)について調べておくこと。(1時間)
事後学修 地球温暖化防止対策としての我が国の森林資源利用の意義についてをレポートにまとめる。(2時間)
3 A,C 木材の組織
樹木の種類
木材の肉眼的構造
針葉樹材および広葉樹材の細胞構成
事前学修 木材の適材適所に関する事例を調べておくこと。(1時間)
事後学修 針葉樹材と広葉樹材における細胞の種類と構成の特徴についてレポートにまとめる。(2時間)
4 A,C 木材の物理的性質
重量(比重,空隙率)
含有水分
収縮と膨潤
乾燥
事前学修 いくつかの材料の密度について調べておくこと。(1時間)
事後学修 木材の収縮・膨潤異方性のメカニズムをまとめること。(2時間)
5 A,C 木材の機械的性質
木材の強度と剛性
木材の強度に影響を与える因子
構造および接合と強度との関係
事前学修 軟鋼の応力‐ひずみ線図について調べておくこと。(1時間)
事後学修 木材の強度特性についてまとめること。(2時間)
6 A,C 木工工作法1
各種木工具の構造と使い方
小型木工機械・電動工具の安全な使用法
緊結材,接着剤,研磨布紙,塗料の種類
ジグの活用
事前学修 中学校教科書を読み,主な木工具の用途を調べておくこと。(1時間)
事後学修 加工目的に適する木工具類の対応を整理すること。(1時間)
7 A,C 木工工作法2
切削加工の基礎知識
のこぎりびきの方法
のこぎりびきの指導法
事前学修 のこぎりおよびのこぎりびきに関する教科書記述を読んでおくこと。(1時間)
事後学修 のこぎりびき指導のポイント,手順をまとめること。(1時間)
8 A,C 木工工作法3
二枚刃平かんなの保守整備
二枚刃平かんなの刃先調節方法
かんなけずりの方法
かんなけずりの指導法
事前学修 平かんなおよびかんながけに関する教科書記述を読んでくること。(1時間)
事後学修 かんながけ指導のポイント,手順をまとめること。(1時間)
9 木製品の設計・製作1
課題に対する解決策の検討
要求仕様の確定
簡単な製品スケッチと材料取り図の作成
事前学修 製作品の構想における学生同士のディスカッション
等角図について復習しておくこと。(1時間)
事後学修 スケッチ図,材料取り図を清書すること。(1時間)
10 木製品の設計・製作2
けがき,切断
事前学修 けがき,切断用工具の使い方を復習しておく。(1時間)
事後学修 部品の加工精度から,今後の作業の見通しを立てること。(1時間)
11 木製品の設計・製作3
部品加工
検査修正
事前学修 部品加工で使用する工具について,その使い方を復習しておく。(1時間)
事後学修 検査結果とその修正方法をメモしておくこと。(1時間)
12 木製品の設計・製作4
検査修正・仮組み立て
組立
仕上げ(素地調整)
事前学修 検査,組み立て,素地調整に使用する用具について,その使い方を復習しておく。(1時間)
事後学修 検査結果とその修正方法をメモしておくこと。(1時間)
13 E,F 木製品の設計・製作5
仕上げ(塗装)
作品評価(要求仕様に対する機能性と仕上がり精度)
講義全体のふりかえり
事前学修 塗装方法について復習しておくこと。(1時間)
事後学修 製作品に対する自己評価をまとめること。(1時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

修得する資質・能力: 知識・理解力、応用力 
・ 中学校技術・家庭科技術分野を指導する上で最低限必要となる木材の性質と加工法を説明できる。
修得する資質・能力: 創造力 
・中学校技術・家庭科技術分野を指導する上で最低限必要となる木工具及び木工機械を使用して,簡単な木製品が設計・製作できる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 50% 100% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 50% 20% 20% 60% 100%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 60% 10% 0% 0% 30% 100%

教科書・参考書

教科書:[ISBN]9784304020056「木材の性質と加工」,編者山下晃功,開隆堂(1993)

参考書: [ISBN]  978430402154『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 技術・家庭編―平成29年7月』 (文部科学省,  開隆堂出版 : 2018) 
            [ISBN]?  『新編 新しい技術・家庭 技術分野  未来を創るTechnology』 (東京書籍:2025)            
            [ISBN]9784875630906 独立行政法人雇用・能力開発機構職業能力開発総合大学校能力開発研究センター編「木材加工系実技教科書」(2009)
           [ISBN]9784786311581独立行政法人雇用・能力開発機構職業能力開発総合大学校能力開発研究センター編「四訂木工工作法」(2020)

オフィスアワー

○集中講義のため,毎回の授業開始終了前後の時間(必要に応じて,メールでの質問を受け付けます。)

その他

≪重要事項≫
○木工作業が安全に行える服装で受講すること(動きやすい長袖長ズボン,運動靴着用等)。
○欠席4回以上で不可とする。
○設定された期日までにレポート未提出,製作品未完成の場合は,不可とする。

≪フィードバック≫
・レポート、宿題、小テスト、試験の答案などの返却は、適宜判断するので、指示に従うこと。
・特に指定した課題など(含む、プレゼンテーション)は、指定期間内に、修正指示(返却)・再提出(実施)などをしてもらう場合もあるので指示に従うこと。

実務経験のある教員による授業科目

中学校教諭(技術):3年間勤務