2025年度後期コンピュータで文化を測る

曜日・時限 月曜日2時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング GF110111,GP110603
開講学科等 情報通信工学部-情報工学科
情報通信工学部-通信工学科
教員名 小森 政嗣
小森 政嗣
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e5%b0%8f%e6%a3%ae%e3%80%80%e6%94%bf%e5%97%a3

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目的

文学,絵画,音楽,舞踊,歴史的遺産などはすべて人間の優れた精神的・知的活動によって生み出されてきた.このような人間の営みからもたらされる文化的あるいは社会的事象を客観的に捉える上で,コンピュータは非常に強力なツールとなりうる.本講義では,情報学的観点から複雑で曖昧な文化的事象を分析し理解する方法論を多様な事例を通して学ぶとともに,文系・理系の枠組みを超えて,文化の根底にある人間の本質の理解を深めることで,高度情報化社会で活躍できる情報収集能力,問題解決能力を身につける.

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A イントロダクション―文化を測ることの楽しさと難しさ 事前学修 シラバスを読んでくる(2時間)
事後学修 配布資料を理解する(3時間)
2 A,C 音楽を測る(1)―ウクレレのフレットの間隔を定規で測って音の仕組みを知る. 事前学修 周波数と周期,指数と対数の復習(2時間)
事後学修 オクターブ分割について理解する(3時間)
3 A,C 音楽を測る(2)―音楽の構成要素を理解し,音の強さと高さ,響きを測る 事前学修 ベクトルの内積の復習(2時間)
事後学修 音圧実効値の求め方を理解する(3時間)
4 A,C しぐさを測る(1)―能と新喜劇と心理カウンセリングのしぐさに見るプロの技 事前学修 モーションキャプチャを使った作品を見てくる(2時間)
事後学修 位置・速度・加速度の関係を理解する(3時間)
5 A,C しぐさを測る(2)―ゲーム用デバイスでしぐさを測ってみよう 事前学修 加速度計を内蔵したゲーム機で遊んでくる(2時間)
事後学修 加速度計の活用方法を考え可能であれば実際にデータを取得してみて相関係数・偏相関係数を求める(3時間)
6 A,C 形を測る(1)―美の法則はあるのか 事前学修 美しいものを見て,美とはなにかということを考えてみる(2時間)
事後学修 標識点で記述された形状の移動・拡縮・回転ができるようになる(3時間)
7 A,C 形を測る(2)―シャンプーボトルのデザインを分析する 事前学修 左右対称をどのように評価するか考えてくる(2時間)
事後学修 フーリエ級数展開の考え方を理解する(3時間)
8 A,C 色を測る(1)―なぜおばちゃんは紫色に髪を染めるのか 事前学修 基数変換の復習(2時間)
事後学修 様々な表色系の違いを理解する(3時間)
9 A,C 色を測る(2)―色使いから作品を分類する 事前学修 様々な絵画に親しむ(2時間)
事後学修 階層型・非階層型クラスタリング手法の違いを理解する(2時間)
10 A,C ことばを測る―ケータイ小説をケータイ素解析する 事前学修 様々な文学作品を読み比べてみる(2時間)
事後学修 形態素解析ツールを使ってさまざまな文を分析してみる(2時間)
11 A,C 分類と系統推定(1)―この世界の多様性を理解する二つの方法 事前学修 アイドルグループを様々な基準でをいくつかのグループに分けてみよう(2時間)
事後学修 様々な方法で類似度を評価を行ってみる(2時間)
12 A,C 分類と系統推定(2)―少女漫画は死に絶えたのか 事前学修 少女マンガと少年マンガを読み比べてみる(2時間)
事後学修 マンガの類似度を自分で計算してみる(2時間)
13 A,C まとめ―定量的研究と定性的研究 事前学修 これまでの授業の内容を振り返り,文化を測るための様々な方法について整理する(2時間)
事後学修 文化を測る新しい方法を考えてみる(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

2024年度入学生
下記リンク先のカリキュラムマップを参照
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
2023年度以前の入学生
修得する資質・能力: 知識・理解力、応用力 【DP-P-1-1,DP-P-2-1,DP-P-2-2】 【DP-F-1-1, DP-F-3-3】
様々な文化的事象を分析し理解する方法論を習得することで,情報学的観点から複雑な事象を捉える力を涵養する.

1.定性的評価と定量的評価の違いを理解する
2.オクターブ分割について理解する
3.音圧実効値の求め方を理解する
4.位置・速度・加速度の関係を理解する, 平滑化フィルタを理解する
5.相関係数・偏相関係数を理解する
6.標識点で記述された形状の移動・拡縮・回転ができるようになる
7.フーリエ級数展開の考え方を理解する
8.さまざまな表色系の違いを理解する
9.階層型・非階層型クラスタリング手法の違いを理解する
10.語の出現頻度から文書の類似度を評価できるようになる
11.分類と系統解析の違いを理解する
12.ユークリッド距離,コサイン類似度等の類似度の指標を理解する

 修得する資質・能力: 創造力【DP-P-3-3】【DP-F-2-2】
・情報学的観点から複雑な事象を捉える力をもとに,文化について新たな視座を得る

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 40% 100% 100%
小テスト、小論文 30% 100% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 50% 50% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 70% 15% 0% 0% 15% 100%

教科書・参考書

講義の際に随時紹介する.

オフィスアワー

Moodleでいつでも質問を受け付ける.

その他

レポート課題の内容についての解説を授業内で行う.また提出されたレポートに対する講評を個人情報を伏せた上で授業内で行う.

実務経験のある教員による授業科目