2025年度前期前半半導体工学・演習

曜日・時限 月曜日2時限,金曜日3時限 期別 前期前半 週時間数 2
ナンバリング EE230702
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 松浦 秀治
松浦 秀治
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%9d%be%e6%b5%a6%e3%80%80%e7%a7%80%e6%b2%bb

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目的

コンピュータの中核であるCPU,光通信で用いられる半導体レーザ,エネルギー問題解決に貢献する太陽電池等の半導体デバイスの基礎となる半導体に関する,基礎的な事項を理解することを目的とする。
(この目的を達成するためには、学生は必ず教科書の指定された範囲を予習し、小テストができるように復習をすること。)
この講義は、正規の2年生及び初めて履修する学生向けである。
本科目は重要な科目であるため、クォータ制であり、前期前半に週2回(月曜2時限と金曜3時限)行う。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 半導体になる結晶構造とは
半導体とは
孤立原子と結晶(原子の集まり)
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 基礎電磁気学・演習の復習をすること
教科書第1章1-1節から1-3節まで予習すること(1時間)
事後学修 半導体になる結晶構造と電子のエネルギーを理解すること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(2時間)
2 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
エネルギーバンド構造
電子と正孔
半導体で用いるエネルギーの単位
シリコン半導体Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第1章1-4節から1-7節まで予習すること(2時間)
事後学修 エネルギーバンド図と価電子の励起を理解すること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)
3 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
Si半導体中のV族原子
ドナーのイオン化エネルギー
半導体中のドナーの表示方法
Si半導体中のIII族原子
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第1章1-8節から1-11節まで予習すること(2時間)
事後学修 n型またはp型にするドーパントおよびエネルギーバンド図中のドーパントの位置を理解すること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)
4 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
アクセプタのイオン化エネルギー
真性半導体と外因性半導体
状態密度と占有確率
真性半導体の電子密度と正孔密度のエネルギー分布
n型半導体の電子密度とエネルギー分布
p型半導体の電子密度とエネルギー分布
真性半導体の電子密度と正孔密度
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第1章1-12節から1-18節まで予習すること(2時間)
事後学修 フェルミ・ディラック分布関数、伝導帯中の電子密度、価電子帯中の正孔密度を式で表せること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)
5 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
n型半導体の電子密度と正孔密度
n型半導体の電子密度の温度依存性
p型半導体の電子密度と正孔密度
p型半導体の正孔密度の温度依存性
電子密度と正孔密度との関係
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第1章1-19節から1-23節まで予習すること(2時間)
事後学修 中性ドナー密度、イオン化したドナー密度、中性アクセプタ密度、イオン化したアクセプタ密度を式で表せること
キャリア密度の温度依存性とドーパントのイオン化の状態を表せること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)
6 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
キャリアの熱運動
キャリアの散乱
ドリフト電流
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第2章2-1節から2-3節まで予習すること(2時間)
事後学修 フォノン散乱とイオン化不純物散乱が説明できること
ドリフト電流を式で表せること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(2時間)
7 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
伝導率
拡散電流
ドリフト電流と拡散電流
電界と磁界中での電子・正孔の動き
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第2章2-4節から2-7節まで予習すること(2時間)
事後学修 拡散電流の式が導けること
ホール効果測定よりキャリア密度を導けること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)
8 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
多数キャリアの移動度
熱平衡状態での電子・正孔対の生成と消滅
過剰キャリアの消滅
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第2章2-8節から2-10節まで予習すること(1時間)
事後学修 移動度の温度依存性を説明できること
過剰キャリアに関する速度方程式を導けること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(2時間)
9 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
少数キャリアの連続の方程式
禁制帯中のトラップ
金属-半導体接触
金属とn型半導体との接触(エネルギーバンド図)
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第2章2-11節から第3章3-2節まで予習すること(2時間)
事後学修 禁制帯中のトラップに関する速度方程式を導けること
整流性接触とオーム性接触でのエネルギーバンド図を理解すること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)
10 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
ショットキーダイオードのエネルギーバンド図
ショットキーダイオードの電流-電圧特性
ショットキーダイオードの空乏層幅
ショットキーダイオードの接合容量
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第3章3-3節から3-6節まで予習すること(2時間)
事後学修 ポアソン方程式を用いて、空乏層中の電位の変化と空乏層幅を導けること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)
11 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
金属とn型半導体とのオーム性接触(エネルギーバンド図)
pn接合
電圧印加時のpn接合のエネルギーバンド図
pn接合の接合容量
pn接合の熱平衡状態での電荷密度分布
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第3章3-7節から3-11節まで予習すること(2時間)
事後学修 pn接合の電子密度と正孔密度を式で表せること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)
12 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
pn接合の電圧印加時の電荷密度分布
pn接合の理想的な電流:拡散電流
pnダイオードの電流-電圧特性
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第3章3-12節から3-14節まで予習すること(2時間)
事後学修 電圧印加時のpn接合の電子密度と正孔密度を式で表せること
拡散方程式を用いて、pn接合の拡散電流を導き出せること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)
13 A,C 最初に15分間復習の小テストを行った後、次の内容を講義する。
異種の半導体による接合のエネルギーバンド図
金属-絶縁体-半導体構造
MIS構造の電圧印加時のエネルギーバンド図
Moodleに、授業内容の動画、小テスト問題、小テストの解答をアップする。
また、場合によっては、対面授業と同時にオンライン授業を行う。
事前学修 教科書第3章3-15節から3-17節まで予習すること(2時間)
事後学修 MIS接合のエネルギーバンド図が描けるようになること
金属に電圧を印加した時のエネルギーバンド図が描けること
授業開始15分間の小テストのために勉強をすること(3時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇2024年度以降入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科/専攻名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

〇2023年度以前入学生
○専門知識・技能を修得し、実践する力【DP-E-1】
1.エネルギーバンド図を理解し、説明できる。
2.ドナーと伝導帯中の電子、アクセプタと価電子帯中の正孔との関係を理解し説明できる。
3.ドリフト電流、拡散電流、電子・正孔対の生成と消滅、連続の方程式及び拡散方程式を理解し説明できる。
○課題を発見し、問題を解決できる力【DP-E-3】
 自らを律し、学び続ける力【DP-E-5】
 総合力【DP-E-6】
4.金属と半導体との接触、半導体同士の接合、金属-絶縁体-半導体接合のエネルギーバンド図が描け、電圧印加によるエネルギーバンドの変化が描ける。
5.金属-半導体接触およびpn接合のエネルギーバンドの曲がりが計算でき、空乏層幅と接合容量を導き出せる。
6.pn接合の拡散電流を導き出せる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 95% 70% 30% 100%
小テスト、小論文 5% 100% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 72% 28% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

教科書:「絵でわかる半導体工学の基礎」松浦秀治著:ムイスリ出版
授業では教科書の内容を中心に解説しますので、話を聞きながら授業中に利用してください。
さらに、予習及び復習に利用してください。

オフィスアワー

オフィスアワーの時間は、月曜5限です。メールにて予約をしてA号館3階教員室36に来て質問をしてください。
わからないところはその週のうちに理解することが必要ですので、授業後にも質問してください。
さらに、大学院生(TA)または卒業研究生(SA)による質問の受付と説明を、毎週金曜日12時30分から30分間、教室にて行いますので、利用してください。

その他

第1回目の授業から教科書に沿って授業を行うので、必ず準備しておくこと。
前回の講義の復習として、講義の最初に15分程度の小テストの後、新しい内容の講義を行う。
3年次の「半導体デバイス」に必要な基礎知識を学ぶ科目であり、電子・光デバイス分野だけでなく、電気・電子回路分野やパワーエレクトロニクス分野にも重要な科目である。
定期試験を未受験の場合は、E評価とする。

実務経験のある教員による授業科目

通商産業省(現、産業産業省)電子技術総合研究所(現、産業技術総合研究所)にて、太陽電池を中心に、半導体工学・半導体デバイスの研究を行ってきた経験を活かして、半導体の原理を理解した後、応用できる力を身につけられるように指導する。