2025年度後期情報通信理論

曜日・時限 木曜日2時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング GF230304
開講学科等 情報通信工学部-通信工学科
教員名 村上 恭通
村上 恭通
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%9d%91%e4%b8%8a%e3%80%80%e6%81%ad%e9%80%9a

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目的

情報を数学的な取り扱いの対象とし、情報伝送の本質的な仕組みを体系化したのが情報通信理論です。
情報通信理論に支えられた通信技術の発達により、情報を①速く、②正しく、③安全に送ることが可能になりました。
上記の①,②,③を実現するためには、それぞれ、①情報理論、②符号理論、③暗号理論が必要となります。

本講義では、これらの理論のうち、①の「速く」送るために必要な情報理論について学びます。
具体的には、情報の量に関する理論である情報理論の基礎を学び、情報を失わずにデータ量を小さくする圧縮符号について代表的なものを学びます。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 遠隔授業:A ガイダンス
(評価方法について,この講義の位置づけ,通信系のモデル)
事前学修 本科目のシラバスを読んでくること.
(1時間)
事後学修 この講義の位置づけを理解する.プリントのダウンロード.
(1時間)
2 遠隔授業:A,C 情報通信理論入門
(情報とは,通信とは,冗長とは,符号とは,圧縮とは)
事前学修 モールス信号・情報量について調べる.プリントを予習.
(2時間)
事後学修 情報とは何か・符号とは何かを理解する.
(3時間)
3 遠隔授業:A,C 情報のディジタル化
(標本化と量子化)
事前学修 参考書の1章を参考にプリントを予習.
(2時間)
事後学修 アナログ情報のディジタル化について理解する.
(3時間)
4 遠隔授業:A,C 情報量
・確率と情報量,結合確率・条件付確率・事後確率,対数関数,電卓の使い方
事前学修 情報量のプリントを予習.電卓の説明書を読んでおく.
(2時間)
事後学修 確率と情報量の計算ができるように復習する.
(3時間)
5 遠隔授業:A,C 情報源のモデルとエントロピー
・符号木とクラフトの不等式,等長符号・非等長符号・一意符号・非一意符号・瞬時符号
・離散的無記憶情報源,エントロピー関数,エントロピーと平均符号長
事前学修 エントロピーのプリントを予習.
(2時間)
事後学修 エントロピーの意味を理解する.
(3時間)
6 遠隔授業:A,C マルコフ過程とマルコフ情報源のエントロピー
・状態遷移図,マルコフ情報源の定常確率,マルコフ情報源のエントロピー
事前学修 マルコフ情報源のプリントを予習.
(2時間)
事後学修 マルコフ情報源について復習.
(3時間)
7 遠隔授業:A,C シャノン符号
・十進小数から二進小数への変換,シャノン符号,平均符号長
事前学修 シャノン符号について調べる.二進数の復習.
(2時間)
事後学修 シャノン符号の演習問題を復習.
(3時間)
8 遠隔授業:A,C ハフマン符号・
・コンパクト符号,エントロピーと平均符号長の関係
事前学修 ハフマン符号のプリントを予習.
(2時間)
事後学修 ハフマン符号の演習問題を復習.
(3時間)
9 遠隔授業:A,C ブロック化ハフマン符号と情報源符号化定理
・情報源の拡大,ブロック化ハフマン符号,圧縮符号の存在と限界,情報源符号化定理
事前学修 情報源符号化定理のプリントを予習.
(2時間)
事後学修 情報源符号化定理の意味を理解する.
(3時間)
10 遠隔授業:A,C ファクシミリ符号
・固定長ランレングス符号・Wyle符号・MH符号・MR符号)
事前学修 ファクシミリ符号のプリントを予習.
(2時間)
事後学修 ファクシミリ符号の演習問題を復習.
(3時間)
11 遠隔授業:A,C ユニバーサル符号
・LZ77符号,LZSS符号
事前学修 ユニバーサル符号のプリントを予習.
(2時間)
事後学修 ユニバーサル符号の演習問題を復習.
(3時間)
12 遠隔授業:A,C 算術符号
(十進小数と二進小数の相互変換,電卓による算術符号の演習)
事前学修 算術符号のプリントを予習.
(2時間)
事後学修 算術符号の演習問題を復習.
(3時間)
13 遠隔授業:A,C 総括 事前学修 講義全体の内容を復習し,演習しておくこと.(2時間)
事後学修 理解できなかった項目を見直す.(1時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

1.情報量・エントロピーの概念を理解する.
2.情報源符号化定理(圧縮の限界)を理解する.
3.表を用いた符号化方法と符号木を用いた復号方法を理解する.
4.シャノン符号を理解する.
5.ハフマン符号を理解する.
6.ブロック化ハフマン符号を理解する.
7.ランレングス符号・MH符号を理解する.
8.LZ77符号・LZSS符号を理解する.
9.算術符号を理解する.
10.授業内の質問に対して積極的に回答することができる.
11.レポート課題に粘り強く取り組んで報告書を作成することができる.
12.  MoodleやSlackを活用して自主的に学習に取り組むことができる.
13.  授業内で得た知識を応用して課題レポートへ取り組むことができる.

本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目
〇 2024年度入学生   下記リンク先のカリキュラム・マップを参照.
URL: https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
〇 2024年度以前の入学生
  修得する資質・能力: 知識・理解力、応用力 【DP-F-1-1】 
                               汎用的技能 【DP-F-2-1】【DP-F-2-2】
                               態度・志向性 【DP-F-3-3】
                               総合的な学習経験と創造的思考力 【DP-F-4-1】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 60% 75% 25% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 20% 25% 25% 25% 25% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 20% 25% 25% 25% 25% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 55% 20% 5% 10% 10% 100%

教科書・参考書

教科書:下記の参考書の内容を参考にしながら、MoodleやSlackで配布する自作のテキスト(プリント)を用いて具体的にわかりやすく丁寧に解説します。
参考書:「情報理論」,三木成彦,吉川英機 共著,コロナ社

オフィスアワー

火曜5限(A号館2F教員室)またはMeetによる遠隔.

学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性があります。
随時、Slackや電子メールでも質問や相談を受け付けますので、活用してください。
また、来られる前にあらかじめSlackや電子メールで質問の概要を送ってもらえると早い対応ができると思います。

その他

学修内容の順序を入れ替えることがあります。

授業では資料配布・連絡・コミュニケーションにSlackを活用します。

授業中に例題を演習し、関連する課題を実習し、実習後に解説を行います。
課題については、授業内で適宜、解説・解答を行い、フィードバックします。

実務経験のある教員による授業科目

メーカーで圧縮符号に関する開発を行っていた実務経験を活かして、実装を意識した内容にしています。
また、実際の開発で気をつける点等のワンポイントアドバイスを交えながら授業を行います。