2025年度後期量子力学

曜日・時限 水曜日2時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング EN330215
開講学科等 工学部-基礎理工学科
教員名 多米田 裕一郎
多米田 裕一郎

目的

すべての物質は各種の原子から成り立っている。それら物質自身の性質や光(電磁波)との相互作用の仕方などの背後には、原子構造と結晶構造、そして電子のふるまいが関与している。このミクロな物質世界を支配するのが量子力学であり、それは古典的な力学・物理学とは異なり,概念や考え方においても大きな飛躍が必要となる。このように、量子力学を学ぶことは、単に新しい科学的知識というだけでなく、人類の得た物質に対する概念の理解や現代科学技術の基礎的理解においても、きわめて重要である。本講義では、量子的状態の概念と数学的表現の基礎を学び、ミクロな物質世界の考え方を学ぶことで、基盤科学における基礎的な専門知識、またそれらを応用する能力を獲得する。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 量子力学のおこり 事前学修 「量子論の形成史」を調べる(2時間)
事後学修 原子模型、黒体放射に関してまとめる(2時間)
2 A,C 粒子性と波動性 事前学修 「粒子性と波動性」を調べる(2時間)
事後学修 ヤングの鑑賞実験、光電効果、コンプトン効果に関してまとめる(2時間)
3 A,C 不確定性原理 事前学修 「不確定性原理」を調べる(2時間)
事後学修 不確定性関係についてまとめる(2時間)
4 A,C シュレーディンガー方程式(1)成り立ち、定常状態 事前学修 「シュレディンガー方程式」を調べる(2時間)
事後学修 定常状態のシュレーディンガー方程式に関する課題を解く(2時間)
5 A,C シュレーディンガー方程式(2)井戸型ポテンシャル 事前学修 「井戸型ポテンシャルの解法」を調べる(2時間)
事後学修 井戸型ポテンシャルのシュレーディンガー方程式に関する課題を解く(3時間)
6 A,C 量子力学の基礎概念(1)波動関数と確率解釈 事前学修 「波動関数と確率解釈」を調べる(2時間)
事後学修 波動関数の規格化などに関する課題を解く(3時間)
7 A,C 量子力学の基礎概念(2)期待値、固有値と固有関数 事前学修 「期待値、固有値と固有関数」を調べる(2時間)
事後学修 位置、運動量、エネルギーなどの期待値に関する課題を解く(3時間)
8 A,C 量子力学の基礎概念(3)エルミート演算子と観測量 事前学修 「エルミート演算子と観測量」を調べる(2時間)
事後学修 量子力学の基礎概念についてまとめる(3時間)
9 A,C 調和振動子(1)昇降演算子 事前学修 「調和振動子ポテンシャル」を調べる(2時間)
事後学修 調和振動子ポテンシャルを適用できる例を調べ挙げる(3時間)
10 A,C 調和振動子(2)エネルギー固有値と波動関数 事前学修 「昇降演算子による解法」を調べる(2時間)
事後学修 調和振動子ポテンシャルのシュレーディンガー方程式に関する課題を解く(3時間)
11 A,C トンネル効果(1)一次元散乱問題 事前学修 「一次元散乱問題」を調べる(2時間)
事後学修 トンネル効果の例を調べ挙げる(3時間)
12 A,C トンネル効果(2)ポテンシャル障壁,波束の散乱 事前学修 「トンネル効果」を調べる(2時間)
事後学修 トンネル効果に関する課題を解く(3時間)
13 A,C スピン:磁気モーメントとスピン演算子 事前学修 「スピン、スピン演算子の計算方法」を調べる(2時間)
事後学修 スピン演算子を用いたシュレーディンガー方程式に関する課題を解く(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

修得する資質・能力: 知識・理解 ,応用力 【DP-N-1-1】
・ 量子的状態の概念や考え方ができる。
・ 量子的状態と古典的状態の違いが説明できる。
・ 1次元のシュレーディンガー方程式を解くことができる。
・ 1次元の井戸型ポテンシャルや調和振動子のエネルギーと波動関数を求める。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 60% 70% 30% 100%
小テスト、小論文 20% 70% 30% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 20% 30% 70% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 62% 38% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

教科書:「量子力学(物理学スーパーラーニングシリーズ)」佐川弘幸/清水克多郎(丸善)
参考書:「わかりやすい量子力学入門」高田健次郎著(丸善)

オフィスアワー

木曜日4限目(A号館3F 22号室)
(学内外の用務のため、オフィスアワーでも不在の可能性があります。)

その他

(1)関数付き電卓を持参すること。
(2)本講義の履修に先立って「物理学2」「現代物理学入門」「微分方程式」「量子物理・化学」を履修しておくことが望ましい。
(3)レポート課題は、内容をチェックし返却する。また、試験の答案は返却しないが、希望者へは解法を公開する。

実務経験のある教員による授業科目