2025年度後期熱力学2

曜日・時限 月曜日2時限 期別 後期 週時間数 0
ナンバリング EJ230303
開講学科等 工学部-機械工学科
教員名 安永 健
安永 健
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e5%ae%89%e6%b0%b8%e3%80%80%e5%81%a5

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目的

本講義の目的は,実在物質(蒸気)を用いた蒸気原動機サイクルによる熱を仕事へ変換する方法,冷凍サイクルを用いた冷却および昇温,ならびに熱の発生方法について学び,それらを定量的に評価する方法を習得することである.
熱力学1で学んだ,理想気体を作動流体として熱を仕事に変換するサイクルの理論は,実在物質を用いるサイクルには直接適応できない.本講義では,この実在物質を用いた蒸気原動機サイクルによる熱から仕事へのエネルギー変換方法およびその性能評価方法を学習する.加えて,仕事を加えることで熱を移動(冷却・昇温)させる冷凍サイクルを実在物質で動作させた場合の性能評価の算出方法と化学エネルギーを熱エネルギーに変換する理論を学習する.これらの蒸気サイクルの知見は,発電や空調のプロセスおよびそれらの要素機器の設計に必要な基礎知識となる.

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A, C 蒸気サイクル その1(蒸気サイクルの役割と蒸気の状態変化) 事前学修 熱力学1の復習として,教科書の「第4章 熱力学第2法則」および「第5章 エネルギー有効利用とエクセルギー」をよく読み,内容を理解しておくこと(3時間)
事後学修 「蒸気サイクル その1」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(2時間)
2 A, C 蒸気サイクル その2(蒸気の状態変化と状態方程式) 事前学修 教科書の「第9章 蒸気サイクル」をよく読み,内容を理解しておくこと(2時間)
事後学修 「蒸気サイクル その2」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(2時間)
3 A, C 蒸気サイクル その3(蒸気表の使い方と状態量の計算方法) 事前学修 教科書の「第9章 蒸気サイクル」をよく読み,内容を理解しておくこと(2時間)
事後学修 「蒸気サイクル その3」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(3時間)
4 A,C 蒸気サイクル その4(代表的蒸気原動機サイクル:ランキンサイクル) 事前学修 教科書の「第9章 蒸気サイクル」をよく読み,内容を理解しておくこと(2時間)
事後学修 「蒸気サイクル その4」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(3時間)
5 A,C 蒸気サイクル その5(ランキンサイクルの熱効率の改善方法:再熱・再生サイクル) 事前学修 教科書の「第9章 蒸気サイクル」をよく読み,内容を理解しておくこと(2時間)
事後学修 「蒸気サイクル その4」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(3時間)
6 A, C 蒸気サイクル その6(蒸気サイクル総括:演習) 事前学修 教科書の「第9章 蒸気サイクル」をよく読み,これまでの講義内容を理解しておくこと(2時間)
事後学修 「蒸気サイクル その6」の講義内容を復習し,解けなかった問題を解けるようになっておくこと(3時間)
7 A, C 冷凍サイクルと空気調和 その1(蒸気圧縮式冷凍サイクル) 事前学修 教科書の「第10章 冷凍サイクルと空気調和」をよく読み,これまでの講義内容を理解しておくこと(2時間)
事後学修 「冷凍サイクルと空気調和 その1」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(3時間)
8 A,C 冷凍サイクルと空気調和 その2(モリエ線図と成績係数および演習) 事前学修 教科書の「第10章 冷凍サイクルと空気調和」をよく読み,これまでの講義内容を理解しておくこと(2時間)
事後学修 「冷凍サイクルと空気調和 その2」の講義内容を復習し,解けなかった問題を解けるようになっておくこと(3時間)
9 A, C 冷凍サイクルと空気調和 その3(空気調和での湿り空気の性質:相対湿度と絶対湿度) 事前学修 教科書の「第10章 冷凍サイクルと空気調和」をよく読み,これまでの講義内容を理解しておくこと(2時間)
事後学修 「冷凍サイクルと空気調和 その3」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(2時間)
10 A, C 冷凍サイクルと空気調和 その4(湿り空気線図の利用方法と演習) 事前学修 教科書の「第10章 冷凍サイクルと空気調和」をよく読み,これまでの講義内容を理解しておくこと(2時間)
事後学修 「冷凍サイクルと空気調和 その4」の講義内容を復習し,解けなかった問題を解けるようになっておくこと(3時間)
11 A, C 化学反応と燃焼 その1(化学反応・燃焼と環境問題) 事前学修 教科書の「第7章 化学反応と燃焼」をよく読み,内容を復習しておくこと(2時間)
事後学修 「化学反応と燃焼 その1」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(2時間)
12 A, C 化学反応と燃焼 その2(化学エネルギーの熱エネルギーへの変換) 事前学修 教科書の「第7章 化学反応と燃焼」をよく読み,内容を復習しておくこと(2時間)
事後学修 「化学反応と燃焼 その2」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(2時間)
13 A, C 化学反応と燃焼 その3(燃焼による熱の発生) 事前学修 教科書の「第7章 化学反応と燃焼」をよく読み,内容を復習しておくこと(2時間)
事後学修 「化学反応と燃焼 その3」の講義内容を復習し,章末問題を解いておくこと(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇2024年度以降入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科/専攻名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

〇2023年度以前入学生
〇修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-J-1-1】
1.蒸気には,3つ(飽和,湿り,過熱)の形態があることを理解して各状態量を計算できる.
2.実在物質のサイクルとそこから取り出せる動力の大きさ,熱効率を求めて説明できる.
3.冷凍サイクルの概念とその効率の表し方を理解して説明できる.
4.化学エネルギーから熱エネルギーに変換する方法を理解して説明できる.
以上から実在物質から動力を取り出す知識が修得でき,より実践的な動力機械の設計,開発,改善および保守に役立つ能力が身に着く.

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 50% 70% 30% 100%
小テスト、小論文 20% 70% 30% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 70% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 70% 30% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

「熱力学1」の教科書と参考書を継続して使用する。
教科書:JSMEテキストシリーズ 熱力学,日本機械学会,丸善出版
参考書:例題でわかる工業熱力学,平田哲夫ほか2名著,森北出版

オフィスアワー

・日時:火曜3限(学内外の業務のために不在の場合もあり、事前に電子メール等でご確認下さい。)
・場所:A号館2F教員室10
・質問等受付用メールアドレス:yasunaga@osakac.ac.jp(メール等では随時質問を受け付けます)

その他

・熱力学は機械技術者にとって必須の学問であるため,全員受講してほしい。
・熱力学1で学んだことは発展させた内容なので,熱力学1を受講していることが望ましい。
・受講生の理解を深めるため,授業中に演習も実施する。そのため,毎回関数電卓を持参すること。
・レポートは添削後返却する。
・進度によって実施内容は前後します。

実務経験のある教員による授業科目

企業でのプラント設計の経験から、蒸気原動機サイクルや冷凍サイクルに用いる機器の仕様決定に繋がる熱バランスの設計の基礎を学びます。