2025年度後期現代物理学特論

曜日・時限 火曜日3時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング EN430222
開講学科等 工学部-基礎理工学科
教員名 多米田 裕一郎
多米田 裕一郎

目的

本講義では、最新の宇宙線観測の現状を紹介しながら、関連した物理現象に関して学習する。宇宙線は宇宙から降り注ぐ高エネルギー放射線のことである。宇宙線の観測は、宇宙の高エネルギー現象の理解に極めて重要である。本講義では、宇宙線物理学に必要な、素粒子標準模型、相対論的運動学、高エネルギー粒子の相互作用、および放射線検出の原理についても学ぶことで基礎科学力を習得し、専門分野において適応できる応用力を身につける。また、最新の宇宙線観測の現状や、宇宙線を利用した応用研究などについても学習し、新たな技術の創生に寄与できる力を身につける。
この科目は、大学院の「現代物理学特論」と合併開講科目である。意欲的な学部学生に対して大学院と同水準の講義を提供することを目的として開講している。したがって、達成目標や評価水準についおては、大学院の基準と同一とする。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 宇宙線物理学の歴史 事前学修 宇宙線に関して調べる(2時間)
事後学修 宇宙線の発見に関してまとめる(2時間)
2 A,C 素粒子標準模型 事前学修 素粒子の種類や相互作用について調べる(2時間)
事後学修 素粒子標準模型に関してまとめる(2時間)
3 A,C 相対論的運動学 事前学修 ローレンツ変換、4元運動量に関して調べる(2時間)
事後学修 相対論的運動学を用いた計算の課題を解く(2時間)
4 A,C 放射線検出(1)荷電粒子の相互作用 事前学修 電離化損失、制動放射、シンクロトロン放射に関して調べる(2時間)
事後学修 電離損失、制動放射に関してまとめる(2時間)
5 A,C 放射線検出(1)光子の相互作用 事前学修 光電効果、コンプトン効果、電子陽電子対生成に関して調べる(2時間)
事後学修 光電効果、コンプトン効果、電子陽電子対生成に関してまとめる(2時間)
6 A,C 宇宙線加速機構 事前学修 衝撃波加速、フェルミ加速に関して調べる(2時間)
事後学修 加速機構に関してまとめる(2時間)
7 A,C 一次宇宙線(1)荷電粒子 事前学修 宇宙線の組成、エネルギースペクトルに関して調べる(2時間)
事後学修 宇宙線エネルギースペクトルに関する課題を解く(2時間)
8 A,C 一次宇宙線(2)ニュートリノ 事前学修 検出原理、観測実験に関して調べる(2時間)
事後学修 宇宙ニュートリノ観測実験に関してまとめる(2時間)
9 A,C 一次宇宙線(3)ガンマ線 事前学修 検出原理、観測実験に関して調べる(2時間)
事後学修 宇宙ガンマ線観測実験に関してまとめる(2時間)
10 A,C 一次宇宙線(4)X線 事前学修 検出原理、観測実験に関して調べる(2時間)
事後学修 X線観測実験に関してまとめる(2時間)
11 A,C 二次宇宙線 事前学修 宇宙線空気シャワーに関して調べる(2時間)
事後学修 空気シャワー現象に関する課題を解く(2時間)
12 A,C 宇宙線観測(1)低エネルギー宇宙線 事前学修 宇宙線観測手法に関して調べる(2時間)
事後学修 宇宙線の直接、間接測定方法に関してまとめる(2時間)
13 A,C 宇宙線観測(2)高エネルギー宇宙線 事前学修 高エネルギー宇宙線観測実験に関して調べる(2時間)
事後学修 高エネルギー宇宙線観測実験の現状をまとめる(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

素粒子物理学や宇宙物理学といった現代物理学の最先端の知見を身に着ける。また、これらの知見を用いて現代物理学に関する演習問題に解答することができるようになる。
ディプロマポリシー【DP-N-1-1】および【DP-N-3-3】を達成するために必要な知見を習得する。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 60% 70% 30% 100%
小テスト、小論文 20% 70% 30% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 20% 70% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 70% 30% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

参考書:「宇宙素粒子物理学」クラウス・グルーペン著小早川惠三訳(シュプリンガー・ジャパン)

オフィスアワー

木曜日4限目(A号館3F 22号室)
学内外の用務のため、オフィスアワーでも不在の可能性があります。

その他

実務経験のある教員による授業科目