2025年度前期計測・センサ工学

曜日・時限 木曜日2時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング EE230604
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 海老原 聡
海老原 聡
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%b5%b7%e8%80%81%e5%8e%9f%e3%80%80%e8%81%a1

教員情報データベースに遷移します

目的

従来から, 電子工学科の学生を対象とした「計測工学」は, 主として電気関連諸量の計測法と計測機器を主体に講義されてきた。近年, エレクトロニクス, コンピュータ技術の急速な進歩, それに加えて計測対象の多様化と計測量の増大など計測環境の変化は目を瞠らせるものがあり, 新しい計測技術への展開が強く望まれている。この様な状況のもと, 計測分野における電子技術者への期待は高まる一方であり, 電気関連計測を基礎として, あらゆる物理量, 化学量の計測に対処しうる能力が期待されている。総ての計測量を電気諸量に変換すれば, 伝送, 加工, 表示, 記録, 制御などが極めて容易となり, 計測の本質である「できるだけ短時間中に対象から多くのデータを収集し, 信頼性の高い情報として認識容易な形に持ち来たすこと」を理想に近い形で実現しうるからである。加えて, 近代計測の花形である自動計測, 知能化計測も, 電子技術があってこそ初めて達成できることも自明である。まさに, 高度技術時代の計測技術は電子技術者によって支えられると言っても過言ではなかろう。本授業では, 計測の共通的基本概念を習得し, 計測機器やシステムに望まれる条件, 計測データの種類, 信号と雑音などについて詳述した後, 電気諸量の計測法を基本に, それを応用して種々の物体量, 物質量, 状態量をどのように計測するかなど, 実際への応用技法を学ぶ。この科目は知識・理解力、応用力 【DP-E-1-1】の養成につながる。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 1.4 計測の基本方式(偏位法、零位法、補償法) 事前学修 教科書1.1-1.4を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 偏位法、零位法、補償法の例を考えよ。(2.5時間)
2 A 1.6 計測誤差とその表現方法、(不確かさ、有効数字、数値の丸め) 事前学修 教科書1.5節、1.6節をよく読むこと。(2.5時間)
事後学修 身近な計測で、誤差が発生する原因を考えよ。(2.5時間)
3 A 1.8 負荷効果 事前学修 教科書1.7~1.8 を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 身近な測定で、負荷効果の例を調べよ(2.5時間)
4 A 2.2 距離を測る、 2.3 長さを測る (アッベの原理) 事前学修 教科書2.1~2.3節を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 距離、長さの測定法の例を調べよ。(2.5時間)
5 A 2.4 動き(速度)や振動を測る (加速度センサ) 事前学修 教科書2.4節を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 動き(速度)や振動を測る方法には何があるのか調べよ。(2.5時間)
6 A 2.6 強さや硬さを測る、2.6.1 引っ張り・圧縮試験(ヤング率) 事前学修 教科書2.6節を熟度すること。(2.5時間)
事後学修 強さや硬さを測る方法を調べよ(2.5時間)
7 A 2.5 力やトルクを測る(ひずみゲージ) 事前学修 教科書2.5節を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 力やトルクを測る方法を調べよ。(2.5時間)
8 A 2.7.1 流体を測る、(1) ピトー管(ベルヌーイの定理) 事前学修 教科書2.7節を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 ピトー管についてを調べよ。(2.5時間)
9 A 3.1.1 (3) ピエゾ電気圧力計(ピエゾ電気効果), 2.5.5 圧電素子 事前学修 教科書3.1節、2.5.5節を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 ピエゾ電気効果をもつ物質を調べよ。(2.5時間)
10 A 3.2 温度を測る、(1) 接触式測温 (熱電効果(ゼーベック効果)) 事前学修 教科書3.2節(1)を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 接触式測温の例を調べよ。(2.5時間)
11 A 3.2 温度を測る、(2) 非接触式測温 (熱放射) 事前学修 教科書3.2節(2)を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 非接触式測温の例を調べよ。(2.5時間)
12 遠隔A 4.5 放射線を測る 事前学修 教科書4.5節, 新しい話題(p.182-185)を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 放射線利用の具体例を調べよ。(2.5時間)
13 A 6.1 計測の不確かさ、6.2 不確かさの合成(不確かさの伝播則),6.3 最小2乗法 事前学修 教科書6.1~6.2節を熟読すること。教科書6.3節を熟読すること。(2.5時間)
事後学修 不確かさの伝播則に関する問題を解け最小2乗法に関する問題を解け。(2.5時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇 修得する資質・能力:知識・理解力、応用力
1. 計測の基礎である、単位、計測手法、精度などの基本的な考え方を説明できる。
2. 長さ、距離、速度、力、温度などの基本的な物理量の計測原理および手法を説明できる。
3. 各々の物理量の電気変換に必要なセンサーの原理、仕組み、種類などを説明できる。

本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目
〇 2024年度入学生
修得する資質・能力:
 専門知識・技能を修得し、実践する力【DP-E-1】
 自らを律し、学び続ける力【DP-E-5】
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/engineering/eee/

〇 2023年度以前の入学生
   修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-E-1-1】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 50% 50% 50% 100%
小テスト、小論文 40% 50% 50% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 10% 50% 50% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 50% 50% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

「はじめての計測工学(改訂第2版)」 南 茂夫, 木村一郎, 荒木 勉著 講談社

オフィスアワー

月曜1限、A号館3階教員室42へ来室すること。

その他

可能な限り教科書に沿って講義するので、教科書を取りそろえること。
試験については、学生の要望に応じて適宜解答を解説する。 

・(注意)卒業後の第二種電気工事士筆記試験免除のためには、本科目の単位を取得する必要がある。
・(注意)本講義は実務経験による電気主任技術者免状取得に関わる認定に必要な科目(科目区分:理論)である。当該科目区分の認定資格を受けたい学生は必ず修得する必要がある(※対象は2019年度以降の電気電子工学科入学者)。

実務経験のある教員による授業科目

(該当しない)