2025年度後期送配電工学

曜日・時限 金曜日4時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング EE330407
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 濱田 俊之
濱田 俊之
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%bf%b1%e7%94%b0%e3%80%80%e4%bf%8a%e4%b9%8b

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目的

送配電工学は,発電所で作られた電気エネルギーを消費地と各需要家まで安定的に供給する技術であり,その送配電設備は、電力会社では電力流通設備と呼ばれ、社会インフラとして極めて重要な電力設備である。送配電工学が対象とする送電線・配電線などの設備がどのように構成され,運用されているのか,設備の特徴、基本的電気技術、建設保守運用技術概要などを学習する。さらに電力流通設備の先にある工場やビルなどの大型需要家の受電設備や屋内配線設備についても企業で実務を担当している技術者から具体的な事例を踏まえ学習することで、
電力供給の上流系から下流系、需要設備までを一連の電力流通の仕組みとして理解するとともに技術者としての倫理、最新の技術への取り組
みなどを学ぶことを目的としています。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 講義の概要,目標,進め方及び送配電設備の概要 事前学修 送配電設備の概要について調べる。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
2 A 架空送電線路の設備構成(電線,電線付属品,支持物,架線工法)
事前学修 架空送電線路の設備構成について教科書の該当箇所で重要と判断した部分を書き出す等の予習を行う。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
3 A 架空送電線路の線路定数(ベクトル,複素数,交流回路,抵抗,インダクタンス,静電容量)
事前学修 架空送電線路の線路定数について、教科書の該当箇所で重要と判断した部分を書き出す等の予習を行う。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
4 A 架空送電用鉄塔の建設工法(がいし装置,絶縁間隔,運搬方法,鉄塔組立工法,工事設計手法) 事前学修 架空送電用鉄塔の種類や構造について教科書の該当箇所で重要と判断した部分を書き出す等の予習を行う。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
5 A 配電系統の構成、供給方式(特高配電、高低圧配電)、配電設備の形態(架空配電、地中配電) 事前学修 配電系統の構成、供給方式(特高配電、高低圧配電)、配電設備の形態(架空配電、地中配電)について、教科書の該当箇所で重要と判断した部分を書き出す等の予習を行う。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
6 A 配電線保護と配電計画(短絡保護、地絡保護、接地、電力量と最大電力、負荷曲線、需要率、不等率、負荷率) 事前学修 配電線の短絡保護、地絡保護、接地、電力量と最大電力、負荷曲線、需要率、不等率、負荷率について、教科書の該当箇所で重要と判断した部分を書き出す等の予習を行う。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
7 A 配電設備の建設と保守(構成材料、主要機器、電力量計) 事前学修 配電設備の構成材料、主要機器、電力量計について、教科書の該当箇所で重要と判断した部分を書き出す等の予習を行う。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
8 A 受電設備の構成(高圧受電設備の基本計画から設計までの手順と設備構成及び配電系統との関係) 事前学修 受電設備の構成について教科書の該当箇所で重要と判断した部分を書き出す等の予習を行う。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
9 A 構内配電の電力ケーブルと保護協調 事前学修 構内配電方式と配電用ケーブル、保護協調の考え方、短絡電流の計算について教科書の該当箇所の予習を行う。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
10 A 屋内配線の工事方法と照明計画 事前学修 屋内配線の施工場所、配線方法、検査方法と照明計画について、教科書の該当箇所で重要と判断した部分を書き出す等の予習を行う。(2時間)
事後学修 講義内容について復習する。(2時間)
11 A,C 送配電設備の故障計算 その1(地中送電線の故障位置計算、送電線の短絡電流) 事前学修 教科書等を調べて地中送電線の故障位置計算、送電線の短絡電流・地絡電流の計算方法の概要を理解する。(2時間)
事後学修 地中送電線の故障位置計算、送電線の短絡電流・地絡電流の計算方法について復習する。(2時間)
12 A,C 送配電設備の故障計算 その2(地絡電流の計算、対称座標法を用いた故障計算) 事前学修 対称座標法の概念と故障計算方法について、教科書の該当箇所で重要と判断した部分を書き出す等の予習を行う。電源や変電設備の中性点接地の意義や役割について調査する。(2時間)
事後学修 対象座標法による故障計算について復習する。電源や変電設備の中性点接地の意義や役割について復習する。(2時間)
13 A,C 中性点接地と保護、送配電工学のまとめ 事前学修 送電設備における中性点接地の意義や種類、特徴について教科書の該当箇所で重要と判断した部分について書き出すなどの予習を行うこと。また、これまでの授業全体を振り返り、教科書やノート、配布資料を復習する。(2時間)
事後学修 期末試験の準備を行う。(10時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇 修得する資質・能力: 
(2023年度以前入学生)知識・理解【DP-E-1-1】、態度・志向性【DP-E-3-2】、【DP-E-3-3】
(2024年度以降入学生)専門知識・技能を修得し、実践する力【DP-E-1】、自らを律し、学び続ける力【DP-E-5】
(1)発電所で造られた電気がどのような経路で電気機器やコンセントに届くのかを理解し説明できる。
(2)送配電設備,屋内配線設備に関する原理・特性を理解し,基本的な技術計算ができる。
(3)送配電設備,受電設備を構成する機器,材料の役割や機能の概要について理解し説明できる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 70% 30% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 20% 50% 30% 20% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 10% 50% 50% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 59% 27% 9% 0% 5% 100%

教科書・参考書

教科書:「電気学会大学講座 送配電工学[改訂版]」道上勉著、オーム社


参考書:「電力発生・輸送工学」伊与田功編著、オーム社

オフィスアワー

濱田研究室で毎週木曜日3限、A号館3階教員室40で対応する。なるべく事前にメールで在室の確認をする方が確実に対応可能です。
企業所属講師の担当の範囲については、講義日以外での対応が難しいので、講義時間後その場で質問ください。
なお、学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性があります。

その他


*1 本講義は企業連携講座であり、企業に所属する当該分野のプロフェッショナルの講師に来学して講義をして頂きます。講師に敬意をはらい講義に臨んでください。遅刻者や講義受講態度の悪い者は欠席扱いとすることがあるので注意すること。
*2 対面授業を基本とします。ただし、講師の感染症の罹患や用務により対面での講義がどうしても実施できない場合は遠隔オンデマンド形式で講義を実施する。(その際はMoodleやMyポータルにて連絡するので毎日MyポータルとMoodleは確認すること)
*3 授業で課された課題は必ず期限内に提出してください。定期試験をした場合その答案は担当の専任教員(濱田)にメール等で連絡すれば返却します。ただし採点の時間として試験後一週間程度必要です。要望があれば定期試験の解答例も提供します。
*4 毎回出席して講義を聞くこと。欠席が総講義回数の1/3を超える者は、原則E評価とする。
*5 正当な理由なく定期試験を欠席(またはレポート試験となった場合は未提出)した者はE評価とする。
*6 (注意)卒業後の第二種電気工事士筆記試験免除のためには、本科目の単位を取得する必要があります。
*7 (注意)本講義は実務経験による電気主任技術者免状取得に関わる認定に必要な科目(科目区分:電力)である。当該科目区分の認定資格を受けたい学生は必ず修得する必要がある(対象は2019年度以降の電気電子工学科入学者)。

実務経験のある教員による授業科目

本科目は、株式会社きんでんによる企業連携講座である。同社において送配電設備の企画・設計・建設を行う現役の実務担当者によって送配電設備に関する理論だけでなく実践的な知識や技術について講義を行う。実務経験が豊富であり、授業中の質問等専門家へのヒアリングも可能です。また、授業の一部を担当する濱田俊之は公営企業で水力発電事業に供する送配電設備の維持管理に関する実務経験を有し、その経験を活かして送配電設備の故障時に生じる問題の解析方法について講義する。