2025年度後期理科教育法2

曜日・時限 木曜日4時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング
開講学科等 工学部-基礎理工学科 数理科学専攻
工学部-基礎理工学科 環境化学専攻
教員名 峰尾 秀之
峰尾 秀之
職務履歴

目的

中学校・高等学校理科で学ぶべき基本的な自然科学の概念を確認し,物理・化学・生物・地学の各分野で修得すべき科学概念や探究の方法についての実践的な指導力を高める。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 面接授業:A,C ガイダンス/最初の授業をどう進めるか
オルゴールを使った実験を通して,「伝える技術」について考察する。
事前学修 これまでに履修した「理科教育法」で学習した内容を振り返っておく。(2時間)
事後学修 「出会いの授業」の重要性について認識を深める。(2時間)
2 面接授業:A,C 磁石を用いた簡単な実験から、静力学の基礎の教授法を考える。(基礎)
事前学修 小・中・高における静力学の学習経験を振り返り、まとめておく。(2時間)
事後学修 配付資料を読み,磁石と力学に関する課題レポートを作成・提出する。(2時間)
3 面接授業:A,C 磁石を用いた簡単な実験から、静力学の基礎の教授法を考える。(応用)

事前学修 中・髙の「学習指導要領」を読んで,力学教育の位置づけを確認しておく。(2時間)
事後学修 楽しい授業⇔楽しくない授業,分かる授業⇔分からない授業の組み合わせに順位をつけ,どのような授業が〈よい授業〉といえるかについてのレポートを提出する(2時間)
4 面接授業:A,C イオンのイメージを作る(基礎)
〈食べ物とイオン〉前半を通して,「〈実験〉とは何か」を考える。
事前学修 科学教育における「実験」の意義や目的について,あらかじめ考えておく。(2時間)
事後学修 科学教育における(原子、分子、イオンの概念)の重要性をどのように伝えればいいかについて検討する。(2時間)
5 面接授業:A,C イオンのイメージを作る(応用)
〈食べ物とイオン〉後半を通して,自然界における原子、分子、イオンの循環を考える。
事前学修 「学習指導要領」の化学分野におけるにイオンに関する内容を読んでおく。(2時間)
事後学修 イオンの循環から環境教育への展開を考える。(2時間)
6 面接授業:A,C 地球環境の歴史と温暖化する地球について(基礎) 事前学修 「地球温暖化」について様々な書籍や記事を読み知識を整理しておく。(3時間)
事後学修 地球大気の歴史を、図表などを用いてまとめておく。(3時間)
7 面接授業:A,C 地球環境の歴史と温暖化する地球について(応用) 事前学修 前回学んだことをもとに、地球の環境の特異性について、他の惑星との比較等により確認しておく。(2時間)
事後学修 授業を組み立てるに際して,どのような順序で進めていけば,より生徒の興味を持続させることができるかについて,具体的な教材で考えてみる。(2時間)
8 面接授業:A,C イメージ検証授業…《宇宙への道》(地球と月と太陽)
「イメージ検証授業」として授業書《宇宙への道》を体験し,科学教育におけるイメージ作りの重要性について考える。
事前学修 生徒が授業でなぜ間違えるのかについて,自分の経験などをもとにあらかじめ考えておく。(2時間)
事後学修 生徒が間違える理由と,それに対する教師の態度のあり方について考察する。(2時間)
9 面接授業:A,C イメージ検証授業…《宇宙への道》(太陽系)
「イメージ検証授業」として授業書《宇宙への道》を体験し,科学教育におけるイメージ作りの重要性について考える。
事前学修 「学習指導要領」の地学分野における宇宙に関する内容を読んでおく。(2時間)

事後学修 小・中・高校での授業を通して,あやまったイメージが形成されているケースがないか,検証してみる。(2時間)。(2時間)
10 面接授業:A,C, イメージ検証授業…《宇宙への道》(銀河系)
「イメージ検証授業」として授業書《宇宙への道》を体験し,科学教育におけるイメージ作りの重要性について考える。
事前学修 前回の授業をふりかえり,宇宙に対する多くの人のイメージとはどういうものであるかについて考察する。(2時間)
事後学修 配付資料『イメージ検証授業の提唱』を読んだ上で,〈イメージ検証授業〉とは何か,正しいイメージを持つことはなぜ重要かなどについてレポートを提出する。(2時間)
11 面接授業:G,F 10分程度の動画を用いて、学生が25分程度の模擬授業を行い、それについて全員で合評する。(前半) 事前学修 授業計画をつくり練習しておく。(3時間)
事後学修 模擬授業をみて、良かった点や課題をまとめ、自分の発表に生かす。(3時間)
12 面接授業:G,F 10分程度の動画を用いて、学生が25分程度の模擬授業を行い、それについて全員で合評する。(後半) 事前学修 授業計画をつくり練習しておく。授業を終えたものは、感想文等から反省点をまとめる。(3時間)
事後学修 模擬授業をみて、良かった点や課題をまとめ、よい授業をするために何が必要かを検討する。(3時間)
13 面接授業:A,C 「理科教育法Ⅳ」で学んだことを整理するとともに,テストの意義について再確認する。 事前学修 これまでの授業をふりかえり,配付資料等も読み直しておく。(3時間)
事後学修 自分のめざす理想の授業について考える。(3時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

「理科教育法1・3」で学んだ理科教育の理論と方法をさらに深めるとともに,具体的な授業プランをもとに,最も基本的な科学的概念の獲得に必要な手立てを考える。
1.科学的認識を身につけるには,どんな条件が必要かを学ぶ。
2.「たのしい授業」を実現するには,どんな教材をどういうふうに組み立てればいいのかを学ぶ。
3.物理・化学・生物・地学の各分野について,その最も基本になる概念を感動的に学ぶ具体的な授業プランを体験することを通じて身につける。
4.教科書や中学校・高等学校学習指導要領(理科),中学校・高等学校学習指導要領解説理科編の内容を理解する。
5.学習指導法にかかる基礎理論・知識を習得する。
6.学習内容を分析し,適切な教材を選択・活用することができるようになる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 50% 60% 30% 10% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 35% 60% 30% 10% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 15% 50% 50% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 51% 26% 8% 8% 8% 100%

教科書・参考書

教科書
1.『仮説実験授業のABC 楽しい授業への招待 第5版』(板倉聖宣/仮説社)
参考書
文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」
文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」
文部科学省「中学校学習指導要領解説 理科編(平成29年7月)」
文部科学省「高等学校学習指導要領解説 理科編(平成30年7月)」
(1はかならず購入すること。2~5は,文部科学省のHPからダウンロードができる)

参考書
・板倉聖宣『科学と教育』(仮説社)
・小原茂巳『未来の先生たちへ』(仮説社)
その他随時講義中に参考図書を紹介する。

オフィスアワー

質問等があれば,講義終了後直接対応するとともに,電子メールでも受け付ける。
具体的に取り上げる授業プランに関しては,変更することもある。

その他

いくつかの授業プランの体験において,討議・発表等を求めるため,授業への出席を重視する。

フィードバック
・レポート、宿題、小テスト、試験の答案などの返却は、適宜判断するので、指示に従うこと。
・特に指定した課題などは、指定期間内に、修正指示(返却)・再提出などをしてもらう場合もあるので指示に従うこと。

実務経験のある教員による授業科目