2025年度後期集中理科教育法2

曜日・時限 不定期その他 期別 後期集中 週時間数 30
ナンバリング
開講学科等 工学部-基礎理工学科
工学部-環境科学科
教員名 舟橋 春彦
舟橋 春彦
職務履歴

目的

理科とは、観て考えて確かめて納得する、ことである。この過程に「実験」の果たす役割は本質的である。ただし、実験結果の「答え合わせ」に汲々とする学生実験では、意味が無いだけでなく、実証的な態度の涵養にも逆効果である。新たな発見と驚きに遭遇させ、納得したい期待に叶う説得力を持つ、効果的な演示実験・学生実験を計画・準備・実施できることを目指す。
物理に関する実験を中心に、いくつかの課題の模擬授業を試みる。効果的な指導案に沿って、そもそもの問題意識の導き方・実験の計画や結果のまとめ方について、学生同士で議論を行い、理解を深める。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A はじめに:実験は楽しいか?
(今後の日程についても説明する。受講人数に応じてクラス分けを行うことがある。クラス分け次第で以下の回は順不同である。)
事前学修 「理科教育法1」で配布された資料を読み返し、そこでの体験を振り返っておく。(2時間)
事後学修 配布資料をよく読んで次回以降の準備に活かす。(2時間)
2 C,F 「理科の目標」とその具体化の方策
指導案検討
事前学修 初回配布資料精読(2時間)
事後学修 配布資料をよく読んで次回以降の準備に活かす。(2時間)
3 C,F 科学における実験の意味:「目的意識をもった観察・実験」
指導案検討
事前学修 配布資料精読(2時間)
事後学修 模擬授業のねらいを思い描きながら進行をイメージする。授業後の生徒(役)の感想を予想する。(2時間)
4 C,G 模擬授業:落下運動の法則(1)重さと落下運動 事前学修 生徒役は予習禁止、先生役当番はよく授業の練習を重ねておく。(4時間)
事後学修 (2限つづき)
5 C,G 模擬授業:落下運動の法則(2)振り子と落下運動 事前学修 (前時のつづき)
事後学修 ここまで学んだ内容と評価・感想を書き起しておく。(4時間)
6 C,G 模擬授業:落下運動の法則(3)斜面から落下運動へ 事前学修 生徒役は予習禁止、先生役当番はよく授業の練習を重ねておく。(4時間)
事後学修 (2限つづき)
7 C,G 模擬授業:落下運動の法則(4)放物運動とグラフ 事前学修 (前時のつづき)
事後学修 ここまで学んだ内容と評価・感想を書き起しておく。(4時間)
8 C,G 模擬授業:科学的認識とモデルの役割(1)原子論と真空の概念 事前学修 生徒役は予習禁止、先生役当番はよく授業の練習を重ねておく。(4時間)
事後学修 (2限つづき)
9 C,G 模擬授業:科学的認識とモデルの役割(2)電磁波とアンテナ 事前学修 (前時のつづき)
事後学修 ここまで学んだ内容と評価・感想を書き起しておく。(4時間)
10 C,G 模擬授業:科学的認識とモデルの役割(3)振動と波動 事前学修 生徒役は予習禁止、先生役当番はよく授業の練習を重ねておく。(4時間)
事後学修 (つづく)
11 C,G 模擬授業:科学的認識とモデルの役割(4)電磁波のモデル 事前学修 (前時のつづき)
事後学修 (つづく)
12 C,G 模擬授業:科学的認識とモデルの役割(5)電磁波のイメージ 事前学修 (前時のつづき)
事後学修 ここまで学んだ内容と評価・感想を書き起しておく。(4時間)
13 C,F 模擬授業の検討(1)評価と感想 事前学修 前時までの授業内容を振返っておく。(3時間)
事後学修 ここまで学んだ内容と評価・感想を書き起しておく。(3時間)
14 C,F 模擬授業の検討(2)「模擬授業通信」編集 事前学修 生徒役の書いてくれた評価・感想を整理しておく。(3時間)
事後学修 生徒役の評価・感想を踏まえ、先生役の自己評価・感想を改めて書き起しておく。(3時間)
15 A まとめ 事前学修 これまで配布の資料を振返っておく。(2時間)
事後学修 事後に配布する他の班の「模擬授業通信」を精読し生徒の科学的認識の過程と授業運営について省察を共有する。(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

・高等学校学習指導要領(理科),高等学校学習指導要領解説理科編にある「目的意識をもって観察・実験などを行い、科学的に探究する能力と態度を育てる」授業がどのように実現されるか、教材研究を生かした理科の授業を構想し学習者(生徒や、生徒役の学生など)の反応を想定した学習指導案によってできることを体験・理解する。

・教科書にある題材や単元等に応じた教材・資料の開発・作成に必要な、「自然の事物・現象に対する関心や探究心を高め」「科学的な自然観を育成する」教材展開の方法を体験・理解する。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 20% 70% 30% 100%
プレゼンテーション 30% 70% 30% 100%
レポート、宿題 30% 70% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 20% 50% 50% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 56% 0% 34% 10% 0% 100%

教科書・参考書

教科書:

・『仮説実験授業のABC』板倉聖宣著(仮説社)

・文部科学省「高等学校学習指導要領解説総則編」

・文部科学省「高等学校学習指導要領解説理科編」


参考書:

・文部科学省「高等学校学習指導要領」

・『アドバンシング物理』・『同A2』J.オグボーン他編著、笠耐他訳(シュプリンがーフェアラーク東京)


※随時講義資料を配布する。

オフィスアワー

質問等がある場合、授業終了後、直接対話をします。

その他

重要
  「理科教育法4」を履修(単位を未修得、D判定でも可。ただしE判定は不可。)していることが履修条件です。

(フィードバック)
特に指定した課題などは、指定期間内に、修正指示(返却)・再提出などをしてもらう場合もあるので指示に従うこと。

実務経験のある教員による授業科目