2025年度前期情報通信工学入門

曜日・時限 金曜日2時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング GF120301
開講学科等 情報通信工学部-通信工学科
教員名 野竹 孝志
野竹 孝志
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e9%87%8e%e7%ab%b9%e3%80%80%e5%ad%9d%e5%bf%97

教員情報データベースに遷移します

目的

現在、情報通信ネットワークでは、電話に加えて、携帯電話、インターネットなど多彩なサービスが提供されており、重要な社会基盤となっている。本講義では、入学初年度の通信工学科の学生が、情報通信システムにおける主要な技術、歴史的な展開と将来動向を理解すること目指す。
最初に情報通信分野の定義と身近に利用している技術を学ぶ。前半では、ディジタル化の内容とそのメリット、ディジタル伝送技術、情報通信ネットワークなどの技術内容を、数値例を交えて正確に理解できるようになる。その中で、ADSL、携帯電話など情報通信分野で重要な興味深い技術を身につける。以上により、通信工学科ディプロマポリシーの(1)、(2)および(4)に関連した能力を身に付けることが出来る。
後半では、情報セキュリティ、IT革命、ユビキタス環境社会、システム構築の流れなどを学ぶ。最後に、実社会での情報通信の活躍と将来方向に対する展望を思い描き、情報通信エンジニアの役割と職業としての夢を実感できるようになる。
本講義は、今後4年間の通信工学学習に対する指針を与えるとともにその動機を植えつけることを目的とする。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 AC 古代から現代までの情報通信の歴史と技術の進展に関して、その概観を説明する 事前学修 自分で情報通信技術発展の歴史に関して調べておくこと(2時間)。
事後学修 授業内容を復習し、古代から現代に至る情報通信技術の発展に関してその全体像を理解すること(2時間)。
2 AC プリント第1章の1.1情報と通信、1.2通信と放送について、説明する。 事前学修 シラバスおよびプリントの1.1節(情報と通信)~1.2節(情報と放送)を読んでおくこと(2時間)。
事後学修 情報、通信、および放送の意味の違いとそれらの内容を理解すること(2時間)。
3 AC 第1章の「1.3電気を使って情報を送る」について、説明する。 事前学修 プリントの1.3節(電気を使って信号を送る)を読んでおくこと(2時間)。
事後学修 情報通信における電気信号の果たす役割を理解すること(2時間)。
4 AC 第2章の「2.1 アナログとディジタル」、「2.2 ビットとバイト」および、「2.3 ディジタルのメリット」について説明する。 事前学修 プリントの2.1節(アナログとディジタル)~2.3節(ディジタルのメリット)を読んでおくこと(2時間)。
事後学修 アナログ信号とディジタル信号およびビットとバイトの差異を理解し、ディジタル信号のメリットについて長距離伝送における例などで内容を理解すること(2時間)。
5 AC 第2章の「2.4 音声信号のディジタル化」について説明する。
2.4では、「アナログ・ディジタル変換(A/D変換)」の基本原理である「標本化」、「量子化」、「符号化」の3段階のプロセスについて詳しく述べる。
事前学修 プリントの2.4節(音声信号のディジタル化)を読んでおくこと(2時間)。
事後学修 ディジタル化の特徴について標本化定理を参考にして、内容を理解すること(2時間)。
6 AC 第2章の「2.5 FAX信号のディジタル化」と「2.6 動画像のディジタル化」について説明する。また、「2.7 情報量」について説明し、情報量のエントロピーの概念を述べる。 事前学修 プリントの2.5節(FAX)~2.7節(情報量)を読んでおくこと(2時間)。
事後学修 FAX(静止画)と動画像の情報量の差異に注意して、情報量の定義と特徴について内容を理解すること(2時間)。
7 AC 第3章の「情報を伝送する」の最初の項目の「3.1 ディジタル信号の伝送」の基礎事項について説明する。 事前学修 プリントの3.1節(ディジタル信号の伝送)を読んでおくこと(4時間)。
事後学修 ディジタル信号の伝送の方式と特徴について、内容を理解すること(4時間)。
8 AC 第3章の二つ目の項目である「ベースバンド伝送」と「ブロードバンド伝送」の概念とその実際例について述べる。また、将来情報伝送工学等で学ぶ「周波数帯域」や「通信チャネル」、および「ディジタル変調方式」の初歩について解説する。 事前学修 プリントの3.2節(ベースバンドとブロードバンド)を読んでおくこと(2時間)。
事後学修 ベースバンド伝送とブロードバンド伝送の差異に注意して、内容を理解すること
9 AC 第3章の「3.3 有線伝送路」の伝送ケーブルとして代表的な、電話線、LANケーブル、同軸ケーブル、および光ファイバケーブルについて、それらの特徴と主な用途について説明する。 事前学修 プリントの3.3節(有線ケーブルのいろいろ)を読んでおくこと(2時間)。
事後学修 電話線、同軸ケーブル、光ファイバの差異と特徴について、内容を理解すること(2時間)。
10 AC 光ファイバの内部の構造と光の伝搬特性についてさらに詳しく述べ、光ファイバの特性を理解するうえで重要なスネルの法則と臨界角の計算を行う。また三角関数の基礎事項についてもの復習する。 事前学修 プリントの3.3節の光ファイバケーブルと光の屈折を読んでおくこと(2時間)。
事後学修 光ファイバケーブルの構造と特徴に関連して、スネルの法則と臨界角について、内容を理解すること(2時間)。
11 AC 第3章の「3.4 無線伝送」について、電波を用いた無線通信工学システムの歴史と今後の5G等を見据えた開発動向を述べる。 事前学修 プリントの3.4節(無線伝送)の電波の種類と用途を読んでおくこと(2時間)。
事後学修 電波の種類の特徴とそれらの用途について、内容を理解すること(2時間)。
12 AC 第3章の「3.4 無線伝送」について、線状のダイポール(半波長)アンテナの送受信特性やマイクロ波帯ので利用されるパラボラアンテナの構造についても説明する。 事前学修 プリントの3.4節(無線伝送)の送信と受信アンテナを読んでおくこと(2時間)。
事後学修 各種送受信アンテナの特徴と用途について、内容を理解すること(2時間)。
13 AC 本授業で12回行ってきた内容の全体的な復習を行う。 事前学修 プリント、ノートおよび演習問題を全て復習すること(4時間)。
事後学修 学習内容を今後の専門科目の理解に発展させるように努めること(4時間)。

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

1.通信工学、情報工学、情報通信技術の定義と範囲を理解する。
2.情報通信伝送に対する技術的なしくみを理解する。
3.情報通信システムの基本構成を理解する。
4.情報通信ネットワークの基本構成と動作原理を理解する。
5.情報通信工学の将来動向についての理解を深める。

本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目
〇 2024年度以降の入学生
    下記リンク先のカリキュラム・マップを参照。
  https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/

〇 2023年度以前の入学生
 修得する資質・能力:知識・理解力、応用力 【DP-F-1-1】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 50% 50% 30% 20% 100%
小テスト、小論文 20% 70% 20% 10% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 50% 20% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 54% 25% 0% 0% 21% 100%

教科書・参考書

プリントとパワーポイントを主に使用する。

オフィスアワー

月曜5限(17:15-18:00):A号館2F教員室(野竹孝志)
学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が不在となる場合があります。オフィスアワー以外であっても質問等あればいつでも教員室に来てください。

その他

必修科目となっており、4年間の授業ガイダンスの役目をしていますので、今後4年間の学習に役立てて下さい。
毎回レポートによる課題提出を行います。レポートは総合的評価の一環ですので、課題提出が十分でないと単位認定できない場合があります。

課題については、授業内で適宜、解説・解答を行い、フィードバックします。

実務経験のある教員による授業科目