2025年度後期ソフトコンピューティング

曜日・時限 火曜日3時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング GP331206
開講学科等 情報通信工学部-情報工学科
教員名 阿部 昇
阿部 昇
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e9%98%bf%e9%83%a8%e3%80%80%e6%98%87

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目的

ソフトコンピューティングとは,過度に厳密性を求めることを避けることで,計算効率や扱いやすさ,頑健性などの改善を目指す,最適化や機械学習の枠組みを指す.適度な不正確さや曖昧さを許容するものであり,コンピュータにより人間らしい考え方をさせるための枠組みとも言える.本講義では,最適化分野を中心にソフトコンピューティングの概念を学ぶ.

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A ソフトコンピューティングとは:
ソフトコンピューティングの基本理念や構成要素について学ぶ.
事前学修 シラバスをよく読んで用語の意味を調べておく(2時間)
事後学修 ソフトコンピューティングの概念を復習し,よく整理する(3時間)
2 A 最適化問題とメタヒューリスティクス:
最適化問題とはどのようなものか,その解法としてよく用いられるメタヒューリスティクスとはどのようなものか学ぶ.
事前学修 教科書の1.1から1.2.3を読んでおく(2時間)
事後学修 最適化問題とはどのような問題か,メタヒューリスティクスはどのような特徴を持っているのか,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(3時間)
3 A 時間計算量:
アルゴリズムに対する代表的な評価指標である時間計算量について学ぶ.
事前学修 教科書の1.3と1.3.1を読んでおく(2時間)
事後学修 ビッグ・オー記法の概念を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(3時間)
4 A NP完全問題(手に負えない問題):
計算量理論の重要概念であるクラスPやNPについて,その概要を学ぶ.
事前学修 教科書の1.3.2を読んでおく(2時間)
事後学修 内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(3時間)
5 A 初歩的なメタヒューリスティクス:
代表的なメタヒューリスティックである修正山登り法や傾斜方法について学ぶ.
事前学修 教科書の2,2.1,2.2を読んでおく(2時間)
事後学修 内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(3時間)
6 A シミュレーテッドアニーリング:
代表的なメタヒューリスティックであるシミュレーテッドアニーリングについて学ぶ.
事前学修 教科書の3.2から3.5を読んでおく(2時間)
事後学修 特に局所探索法との違いについて内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(3時間)
7 A タブーサーチ:
代表的なメタヒューリスティックであるタブーサーチについて学ぶ.
事前学修 教科書の4.1を読んでおく(2時間)
事後学修 特に局所探索法との違いについて内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(3時間)
8 A 遺伝的アルゴリズムの概要:
ソフトコンピューティングの主要要素である遺伝的アルゴリズムについて,その概要を学ぶ.
事前学修 教科書の5.1と5.2を読んでおく(2時間)
事後学修 内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(3時間)
9 A 遺伝的アルゴリズムの適用:
遺伝的アルゴリズムの適用例をいくつか学ぶ.
事前学修 教科書の5.4を読んでおく(2時間)
事後学修 内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(2時間)
10 A アントコロニー最適化法:
メタヒューリスティクスの1つであるアントコロニー最適化法について学ぶ.
事前学修 教科書の7.1と7.2を読んでおく(2時間)
事後学修 内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(2時間)
11 A 人工ニューラルネットワーク:
ソフトコンピューティングの主要要素である人工ニューラルネットワークについて,その概要を学ぶ.
事前学修 教科書の8.1を読んでおく(2時間)
事後学修 内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(2時間)
12 A 自己組織化マップ:
ニューラルネットワークの一種である自己組織化マップについて学ぶ.
事前学修 教科書の8.2を読んでおく(2時間)
事後学修 内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(2時間)
13 A ファジィ制御:
ソフトコンピューティングの主要要素であるファジィ制御について,その概要を学ぶ.
事前学修 用語の意味を調べておく(2時間)
事後学修 内容を復習し,よく整理する.また,小テストの内容について学生同士でディスカッションする(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇修得する資質・能力: 知識・理解力、応用力 【DP-P-1-1】
1.ソフトコンピューティングの概念を理解すること
2.最適化問題とはどのような問題か理解すること
3.山登り法・シミュレーテッドアニーリング・タブーサーチ・遺伝的アルゴリズムなど,代表的なメタヒューリスティクスの概念と用途を知ること
4.ファジィ推論の概念と用途を知ること
5.ニューラルネットワークの概念と用途を知ること

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 35% 50% 50% 100%
小テスト、小論文 40% 50% 50% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 25% 50% 50% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 50% 50% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

テキスト:「メタヒューリスティクスとナチュラルコンピューティング」古川正志他著コロナ社

オフィスアワー

火曜日4限 A号館2F教員室18

その他

本講義ではアルゴリズムの基礎知識を習得していることを前提として行う.これをよく理解していない場合,本講義を理解することは極めて困難であるため,アルゴリズムに関する復習も必要不可欠となる.なお,本講義で提示する小テスト・レポート課題については,講義中に解答例を提示し解説を行う.

実務経験のある教員による授業科目