2025年度後期デジタル電子回路

曜日・時限 火曜日3時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング EE330307
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 中瀬 泰伸
中瀬 泰伸
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e4%b8%ad%e7%80%ac%e3%80%80%e6%b3%b0%e4%bc%b8

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目的

電子計算機,制御回路,マルチメディア機器などで使われるデータ演算処理では主としてディジタル回路が用いられる。
ディジタル回路は,論理1と0の2値動作を基本とし,その入力と出力の関係はブール代数と呼ばれる論理関数によって表現する。
入出力関係には,現在の入力で出力が一意に決まる組合わせ論理回路と過去の状態に依存する順序回路がある。
これらのディジタル論理回路のほとんどは半導体集積回路(IC)で実現されている。
2値論理動作回路に用いる半導体素子の特性、2値動作をさせる半導体トランジスタ回路とその電気的特性について詳述し,これらを組合わせた論理回路,順序回路の基本回路フリップフロップについても講述することにより,学生はディジタル回路を電子回路と論理回路の両面から理解する。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A アナログとデジタル 事前学修 シラバスを読んでおく:1時間
事後学修 情報工学1で学んだデジタル論理を復習しておく:1時間
2 A 2値動作回路と半導体素子
ダイオードデジタル回路(DTL)とその特性
事前学修 2進数と論理演算について理解しておく:1時間
事後学修 ダイオードの電気特性と回路動作を理解しておく:2時間
3 A バイポーラデジタル電子回路とその特性(TTLインバータの電気的特性解析) 事前学修 TTL回路の入出力特性を調べておく:2時間
事後学修 入出力の電気的特性の導出ができるよう復習しておく:3時間
4 A TTLファミリ
 TTLロジックの種類と各種電気特性仕様
事前学修 バイポーラTTLの特性を復習しておく:2時間
事後学修 TTLファミリを使ったロジック設計方法の復習:3時間
5 A NMOSデジタル電子回路とその特性(トランジスタの等価回路、負荷線)
インバータ回路、NAND回路、NOR回路の構成と動作
事前学修 MOSトランジスタの構造、電気特性を理解しておく:2時間
事後学修 MOSトランジスタの動作、負荷線について復習しておく:3時間
6 A CMOSデジタル電子回路とその特性(インバータの電気的特性、基本ゲートの構成)
PMOS、NMOSの動作モードの違いによる入出力電圧の関係
事前学修 NMOSとPMOSの特性の違いを理解しておく:2時間
事後学修 CMOSインバータの電気的特性、基本論理ゲートの動作について復習しておく:3時間
7 A CMOSデジタル電子回路とその特性(NAND, NOR,その他の論理回路とその構成法) 事前学修 CMOS論理回路の入出力特性を調べておく:2時間
事後学修 CMOSによるNAND、NOR回路の構成法を復習しておく:3時間
8 A CMOSによる複合ゲートの設計
小テスト(理解度確認テスト)
事前学修 複合ゲートの意味を調べておく:2時間
事後学修 複合ゲートの設計方法をを復習しておく:3時間
9 A CMOSデジタル電子回路の遅延時間、消費電力の計算方法 事前学修 事前配布資料を読んでおく:2時間
事後学修 負荷条件に応じてCMOS電子回路の遅延時間計算ができるように復習しておく:3時間
10 A 組合わせ論理回路1
 カルノーマップによるロジック回路設計法
 静的ハザード、動的ハザード
事前学修 事前配布資料を読んでおく:2時間
事後学修 論理式から回路への変換方法について復習しておく:3時間
11 A 組合わせ論理回路2
 各種ロジック回路の設計方法(セレクタ、プライオリティエンコーダ)
事前学修 論理式から回路構成方法について確認しておく:2時間
事後学修 論理式の立て方、回路への変換方法について復習しておく:3時間
12 A フリップフロップ
 種類と動作
 電気的特性
 論理設計言語RTL(Register Transfer Logic)による表現
事前学修 事前配布資料を読んでおく:2時間
事後学修 クロックと入力データの時間関係と出力ついて復習しておく:3時間
13 A フリップフロップと論理回路を用いた順序回路の設計
(カルノーマップ、状態遷移図、カウンタ動作)
事前学修 状態遷移図について調べておく:2時間
事後学修 自力で順序回路が設計できるよう設計方法を復習しておく:3時間

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

ディプロマ・ポリシー
2024年度入学者: 専門知識・技能を修得し、実践する力【DP-E-1】、自らを律し、学び続ける力【DP-E-5】
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
2023年度以前の入学者【DP-E-1-1】

学生が下記の目標を達成できる。
(1)2値動作に用いる半導体素子(ダイオード、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタ)の電圧電流特性と2値動作時の等価回路を理解し説明できる。
(2)ディジタル電子回路の特性指標(伝達特性、遅延時間、論理振幅、雑音余裕度など)を説明できる。
(3)バイポーラおよびMOSディジタル電子回路構成、動作、特性を理解し、電子回路図を与えられたとき論理動作を読み解くことが出来る。
(4)所望の論理式を実現するMOSディジタル電子回路を設計できる。
(5)組合せ回路の設計法、フリップフロップの動作を理解し説明できる。
(6)ディジタル論理回路の電気的特性を解析できる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 50% 50% 100%
小テスト、小論文 30% 80% 20% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 59% 41% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

講義資料をMoodleで配布します。

オフィスアワー

毎週月曜日5限@A号館3階教員室39
学内外の用事により不在になることがあるので、事前にメールで連絡ください。

その他

試験問題の解き方は事前に配布する「予想問題集」に開示するので自力で解けるようにしてください。
それでも疑義がある場合は個別に対応する。

実務経験のある教員による授業科目

メモリ、デジタル、アナログの集積回路について、半導体製造会社において設計実務に携わってきた。
デジタル設計に関しては、速度、消費電力、安定動作など製品品質向上の総合的な観点から講義を行う。