2025年度後期後半基礎電磁気学2・演習

曜日・時限 月曜日4時限,金曜日4時限 期別 後期後半 週時間数 2
ナンバリング GF130104
開講学科等 情報通信工学部-通信工学科
教員名 野竹 孝志
野竹 孝志
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e9%87%8e%e7%ab%b9%e3%80%80%e5%ad%9d%e5%bf%97

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目的

電磁気学は,電界や磁界の性質や,電荷との関係を記述する物理の基本的な学問のひとつであり,情報通信工学全ての分野の基礎となる重要な科目である。特に電界,電位,電流等の電気現象の基礎は,ディジタルを含めてあらゆる回路や送受信機器の動作原理を支配するものであり,全ての通信工学科の学生が電磁現象の基本を充分に理解して習熟することを目的とする。基礎電磁気学では,これらの点を踏まえて学習することにより,電磁気学の前半部分にあたる電気現象について理解出来るようになる。本科目は,通信工学科の基幹科目のひとつであり,最重要の必修科目に当るので,時間中に毎回演習を行うことにより、電磁気学の基礎に対する理解を深めることを目的とする。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 初回は基礎電磁気学1・演習で学んだ事柄の復習に充てて、これから学ぶ本科目の準備を行う。 事前学修 基礎電磁気学1・演習の内容を復習しておく(2時間)。
事後学修 基礎電磁気学1・演習の内容を再度理解する(2時間)。
2 A,C 平行平板コンデンサの極板間の電位差(電圧)について説明する。電位差は極板間に発生する一様な電界の大きさに、極板間隔をかけることにより求められることを述べる。 事前学修 平行平板コンデンサの極板間の電位差について予習をしておく(2時間)。
事後学修 平行平板コンデンサの極板間の電位差を例題で求める(2時間)。
3 A,C 点電荷および、球状導体および物体が一様に帯電した場合の電位の求め方を説明する。電位は「単位電荷を無限遠から電界に逆らって運んできた場合に蓄積されるエネルギー」で与えられることを述べる。 事前学修 点電荷により生じる電界と電位について予習をしておく(2時間)。
事後学修 点電荷により生じる電位を例題により理解を深める(2時間)。
4 A,C 無限長線状導体および物体が一様に帯電した場合の電位の求め方を説明する。無限長直線では電位の基準点を無限遠に取ると答えが発散することを述べる。また、同軸円筒導体の内外導体間の電位差を求める問題を取り上げる 事前学修 無限長線状導体による電位について予習をしておく(2時間)。
事後学修 無限長線状導体による電位を例題により計算が行えるようにする(2時間)。
5 A,C 無限長円柱導体に電荷を与えた場合の電位の計算について演習を行う。また微小な電荷 q [C]を電界に逆らって運ぶのに要する仕事(エネルギー)の計算方法を示した課題問題を与え、電位差との関係について理解を深める 事前学修 無限長円柱導体に電荷を与えた場合の電位の計算について予習をしておく(2時間)。
事後学修 無限長円柱導体に電荷を与えた場合の電位の計算について例題により行えるようにする(2時間)。
6 A,C 電磁気において重要な量である静電容量について述べ、平行平板、同心球導体、無限長同心円筒導体(単位長さ当たり)の静電容量の計算法を説明する。また、実用上重要な2導体球や平行無限長円筒導体間の静電容量の計算法について、導体平板間との場合を含めて演習を行う。 事前学修 静電容量について予習をしておく(2時間)。
事後学修 平行平板、同心球導体、無限長同心円筒導体の静電容量の計算を例題により行えるようにする(2時間)。
7 A,C 誘電体を極板間に挿入した場合の平行平板コンデンサの静電容量について、誘電率と比誘電率の定義を述べた上で説明する。また、極板間の一部に誘電体板が存在する場合の静電容量の求め方を、電束密度の概念を導入して誘電体板が極板に平行なときと垂直な分けて示す。さらに、分極ベクトルの大きさと誘電率の関係を述べる。 事前学修 誘電体と誘電率について予習しておく(4時間)。
事後学修 極板間に誘電体がある場合の静電容量を例題により計算できるようにする(4時間)。
8 A,C 誘電体を極板間に挿入した場合の平行平板コンデンサの静電容量について、さらに演習問題を課して理解を深める。特に、両極板に一定の電荷を与えたときと極板間電圧を一定に保った場合の取り扱いの違いに注意を払って演習問題をおこなう 事前学修 極板間に誘電体がある場合の静電容量を復習しておく(2時間)。
事後学修 両極板の電荷が一定の場合と電圧が一定の場合の静電容量を例題により計算できるようにする(2時間)。
9 A,C  誘電体を極板間に挿入した場合の平行平板コンデンサの静電容量について、極板電荷を与えたときと極板間電圧を一定に保った場合の演習問題のさらに複雑な条件における事例を取り上げ解説する。 事前学修 両極板の電荷が一定の場合と電圧が一定の場合の静電容量を復習しておく(2時間)。
事後学修 さらに複雑な条件における静電容量を例題により計算出できるようにする(2時間)。
10 A,C 誘電体中で点電荷間に働くクーロン力や点電荷による電界、および空間に誘電率が存在する場合のガウスの定理による電界の計算を説明し、演習問題により理解を深める。 事前学修 ガウスの定理と誘電率について復習しておく(2時間)。
事後学修 誘電体中の電界を例題により計算できるようにする(2時間)。
11 A,C 誘電体中のガウスの定理についての復習を行い、平行平板コンデンサの極板間に存在する静電エネルー密度と極板間に蓄積される静電エネルギーの大きさについて説明する。 事前学修 静電エネルギー(密度)について予習しておく(2時間)。
事後学修 平行平板コンデンサの極板間の静電エネルー(密度)を例題により計算できるようにする(2時間)。
12 A,C 平行平板コンデンサの極板間に働く力と極板間に蓄えられる静電エネルギーの関係を説明し、単位面積当たりに働く力であるマクスウェルの応力は極板に接する面の静電エネルギー密度になることを示す。また、球導体や円筒導体間に働く力も同様に求められることを述べる。 事前学修 マクスウェルの応力について予習をしておく(2時間)。
事後学修 マクスウェルの応力により導体間に働く力を例題により計算できるようにする(2時間)。
13 遠隔授業:A,C 全体のまとめと復習 事前学修 今まで学んだ事柄の復習を全般的に行う(4時間)。
事後学修 本科目の内容を以後の専門科目に活用する(4時間)。

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

第1-2回目:静電容量につい学ぶ。
第3-4回目:誘電体と誘電率の関係を理解する。
第5-6回目:誘電体中の電界を計算出来る様にする。
第7-8回目:電束密度の定義について学ぶ。
第9-10回目:誘電体中のガウスの定理について理解を深める。
第11回目:静電エネルギーの概念を学習する。
第12回目:マクスウェルのひずみ力の特徴を理解する。
第13回目:全体のまとめと復習を行う。
以上の学習で電磁気学の基礎分野である静電界と誘電体の分野をほぼマスターすることにより,電気通信の基礎に対する理解力の飛躍的な向上を目指す。また2年次以降に電磁気学や電磁波工学で学ぶ電磁現象に対する予備知識の習得も目標とする。

本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目
〇 2024年度以降の入学生
    下記リンク先のカリキュラム・マップを参照。
  https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/

〇 2023年度以前の入学生
 修得する資質・能力:知識・理解力、応用力 【DP-F-1-1】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 50% 50% 30% 20% 100%
小テスト、小論文 20% 70% 20% 10% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 70% 20% 10% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 60% 25% 0% 0% 15% 100%

教科書・参考書

教科書:「2段階方式で学ぶわかる電磁気学」松浦秀治、海老原敏、前川泰之共著ムイスリ社
1年次の基礎電磁気学・演習1,2に引き続き、毎回の授業で使用します。

参考書:「電気磁気学」石井良博著コロナ社
「電磁気学例題演習」松森徳衛編著コロナ社
「電磁気学」東京電機大学編

オフィスアワー

月曜5限(17:15-18:00):A号館2F教員室(野竹孝志)
学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が不在となる場合があります。オフィスアワー以外であっても質問等あればいつでも教員室に来てください。

その他

微分積分の基本的な知識や,簡単な関数に対する微分積分の計算技術を一部必要とするので,数学の授業や基礎通信工学等でそれらを十分習得しておくことが望まれる。

課題については、授業内で適宜、解説・解答を行い、フィードバックします。

実務経験のある教員による授業科目