2025年度後期生化学

曜日・時限 金曜日4時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング EN130401,EU130401
開講学科等 工学部-基礎理工学科
工学部-環境科学科
工学部-基礎理工学科 数理科学専攻
工学部-基礎理工学科 環境化学専攻
教員名 齊藤 安貴子
齊藤 安貴子

目的

 近年、生命現象の多くが「分子レベル」で解明できるようになってきている。高校からのイメージでは、生物の科目は暗記が多い科目だと考えている人は多いが、実は化学の知識を使って考えることで、論理的に理解でき納得できる分野である。したがって、本科目は、生物を化学の知識、または、分子の知識を使って理解するものといえる。
 特に、生物はどのように作られているのか、どのように機能しているのかといった内容を、生物を化学的な知識から理解することで深く知ってほしい。薬剤も食品も、さらには環境汚染物質も化学物質であり、化学物質の集合体である生物に作用する。本科目は、多くの分野の理解に役立つと考えている。
 本講義を受けるにあたり、化学が苦手でもかまわない。化学の知識も同時に学ぶことができるよう、工夫する予定である。

 生物学分野は、日々進歩し、新たな現象が解明されており、教科書に記載されていることも変化していく。一方で、正しい基礎知識により多くのことを理解することができ、様々な現象の理解もスムーズになる。本講義では、生物学の基礎の基礎を、化学的な切り口から説明をし、化学物質の集合体である生物の理解を深めることを目的とし、例として以下のような内容を授業の中で実施する。

・生物が化学物質で構成されていることを理解し、その構成単位を覚える。
・生物の中で起きている反応を化学的に理解する。
・生物を理解するために必要な物質の構造を覚える。
(アミノ酸20種類、核酸、脂質、糖質、ATPなど)
・生命が生命を維持するためのシステムを理解する。

 環境科学科2020年度入学以降の学生に関して、本科目は、食品衛生管理者資格、および、食品衛生監視員任用資格取得のために必要な科目であるため、資格取得を目指す学生は履修すること。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 面接授業:A 生物体の機能とタンパク質(1)
酵素とホルモン、収縮性タンパク質、輸送タンパク質、受容体タンパク質

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p70-95を読んで、わからないところを調べておく(3時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
2 面接授業:A 生物体の機能とタンパク質(2)
防御タンパク質、構造タンパク質

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p96-103を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
3 面接授業:A 遺伝子とその継承

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p104-128を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
4 面接授業:A 遺伝子DNAの発現とタンパク質合成

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p129-141を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
5 面接授業:A 遺伝子発現の調節

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p142-150を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
6 面接授業:A 変化するDNA

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p151-165を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
7 面接授業:A 前半の跡目と確認テスト 事前学修 これまでのレポート回答と教科書を用いて、内容を理解したうえで必要なことを覚える(3時間)
事後学修 小テストの内容をふりかえり、理解できていなかった部分を教科書を使って勉強する(2.5時間)
8 面接授業:A 遺伝子の操作

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p166-175を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
9 面接授業:A 生命現象を支える臓器と栄養素(1)
臓器の働き

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p179-184を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
10 面接授業:A 生命現象を支える臓器と栄養素(2)
細胞の活動を支える物質


内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p185-190を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
11 面接授業:A 生体分子の代謝(1)
糖質の代謝① TCA回路まで

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p191-198を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
12 面接授業:A 生体分子の代謝(2)
糖質の代謝② 電子伝達系

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p191-198を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)
13 面接授業:A 生体分子の代謝(3)
脂質の代謝
ヌクレオチドの代謝

内容に関するレポートを書いて提出する
事前学修 教科書p199-223を読んで、わからないところを調べておく(2.5時間)
事後学修 講義終了後配布するレポート回答を確認しながら、学んだ教科書の部分を再度読んでノートをまとめておく(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目
〇 2024 年度以降の入学生
 下記リンク先のカリキュラム・マップを参照.
    URL: https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/

〇2020年度から2023年度入学学生
〇修得する資質・能力:知識力・理解力【DP-U-1-1】【DP-N-1-1】
本科目により、受講する学生が・住環境から食環境までの広範囲な知識を有し、身のまわりの生活や地球環境の改善に適切に対応する能力を備えることができる。

〇修得する資質・能力:考察力・応用力【DP-U-1-2】【DP-N-1-1】
「食環境」分野では、食の安全・安心を守る知識や技術、生命を維持するための「食」に関する化学的な知識をえると同時に、食品・健康分野の知識、新たなバイオ素材や生物に作用する化学物質・有害物質の知識を有し、生態系への影響などを幅広く考察できる能力を獲得することができる。

〇修得する資質・能力:態度・志向性【DP-U-3-1】【DP-N-3-1】
また、本科目で得られる知識は、社会の発展のために役立てることができる。

<2019年度までの入学学生>

〇修得する資質・能力:知識力・理解力【DP-U-1-2,3】
本科目は、受講する学生が本学科ディプロマポリシーに記載されたバイオ化学コース、エコ化学コースに必要な広い知識を獲得し、および、深く理解することにつながる。

〇修得する資質・能力:応用力、態度・志向性【DP-U-3-1】
また、本科目で得られる知識は、社会の発展のために役立てることができる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 40% 100% 100%
小テスト、小論文 20% 70% 30% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 40% 70% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 82% 18% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

はじめの一歩の生化学・分子生物学 第3版
羊土社

U1年生前期配当 生物化学と同じ教科書を使用します。

オフィスアワー

オフィスアワーは木曜日5限です
場所は新棟A号館教員室07です。
ただし、学内外の用務のため、研究室にいないこともありますので、訪問する場合はあらかじめ講義中にお知らせするメールアドレスに連絡してください。
それ以外の時間に質問がある場合は、メールアドレスに質問を送って下さい。メールであれば、時間は何時でも構いません。疑問がわいたときに連絡ください。
メールで解決できない場合は、別途時間を決めてゆっくりと直接説明します。

その他

<U学科と2024年度以降に入学したN学科の学生さんへ>
1年生前期の「生物化学」を履修していること。生物化学の単位取得状況は問いませんが、生物化学の分野を理解していないと、生化学の内容を理解することが難しいと考えられます。
生物化学と同じ教科書を使用し、生物化学の範囲の続きを本科目で行います。
教科書をまとめたパワーポイントを表示しながら大事なところをお伝えしていきますが、見えにくい場合はPCで表示しながら授業を聞くようにしてください。

専門的な部分が多くなり、講義ではポイントの説明が中心となるため、予習を必ずしてください。
講義は、毎回レポートを書いて提出していただきます。
提出されたレポートは次週返却します。
レポートの回答例は、次週以降にMoodle上で配布します。
講義の内容を、配布したレポート解答で再確認しながら復習すること。

<2023年度以前に入学したN学科の学生さんへ>
教科書の最初の部分は事前に各自で勉強しておいてください。高校で生物を履修していないと理解できないと思いますので、これまでに生物を履修したことがない学生さんは履修をお勧めしません。

<すべての学生さんへ>
事前・事後学修に十分な時間が確保できない場合は、夏季休暇をなどを活用し、授業内容の理解をさらに深めるための学修時間を確保すること
7回目に実施する確認テストを受けない場合、および、定期試験を受験しない場合は、他に出席があってもE判定とします。

実務経験のある教員による授業科目

公官庁研究所での生化学に関する研究開発の経験を活かし、生化学で学ぶ内容がどのように研究の現場で使用されているのか説明を行うことで、学生は基礎学問の重要性をより深く理解することができる。
また、食品開発を行う学内ベンチャー起業と経営のの経験をもとに、社会で求められる技術に生化学の知識がどのように役立つのか説明を行うことで、生化学という学問を学ぶモチベーションを高く維持することができる。