2025年度前期情報科教育法1

曜日・時限 水曜日1時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング
開講学科等 工学部-電気電子工学科
情報通信工学部-情報工学科
情報通信工学部-通信工学科
総合情報学部-情報学科
教員名 大村 基将
大村 基将
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e5%a4%a7%e6%9d%91%e3%80%80%e5%9f%ba%e5%b0%86

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目的

高等学校の各学科に共通する教科情報科(共通教科情報科)においては,情報に関する科学的な見方・考え方を確実に定着させる指導や,情報モラル,知的財産の保護,情報安全に対する実践的な態度を育成する指導が重視される。また,専門教科情報科においては,情報活用能力を習得させ,情報産業の発展に寄与する能力と態度を育成する指導が重視される。
本科目では,共通教科情報科と専門教科情報科とが設置された経緯,教育目標と内容,学習評価,教員に求められる役割等に関する授業を行い,教職を目指す者として必要な資質・態度の修得を目標とする。
本科目の授業は,3ブロックで構成している。第1ブロックでは,教職生として持つべきである基礎的な知識を獲得し,第2ブロックでは,専門的な知識の獲得と,コミュニケーション能力,プレゼンテーション能力の向上を目的として,チーム単位のActiveLearningを行っている。第3ブロックでは,情報科教育法2に備えて,チーム単位で学習指導案を作成し模擬授業を実施している。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,I 情報科教育法を受講する上での心構え及び留意点を理解する。
情報・メディア・情報化社会・情報社会の意味を理解する。
事前学修 1.シラバスを読んでおく。(1時間)
2.高等学校における授業内でのICT活用およびコンピュータ関連授業の内容を思い出し、どのような授業内容があったかを分類する(2時間)
事後学修 1.「情報」の意味を復習し正確におぼえる。(1.5時間)
2.「情報化社会」と「情報社会」の違いを,具体例を示して説明できるようになる。(1.5時間)
2 F,G ■ActiveLearningの体験(1)
各受講生が作成した「評価」についてのレポートを題材にして,チームで話し合いまとめた結果を発表する。
発表後は,他の受講生と教員からの質疑に答え,理解度を自己評価する。
事前学修 1.「評価」についてのレポートを作成する。作業手順についてはMoodleを確認すること。(1時間)
2.作成した「評価」の内容を他者に説明できるように,熟読しておく。(1時間)
事後学修 1.高等学校での授業を思い出して,教師がどの場面でどの評価を用いているかを考える。(1時間)
2.発表後の質疑で応えられなかった内容については,確実に理解できるまで調べる。(1時間)
3 F,G ■ActiveLearningの体験(2)
各受講生が作成した「学習指導要領で用いられている用語の解釈」についてのレポートを題材にして,チームで話し合いまとめた結果を発表する。
発表後は,他の受講生と教員からの質疑に答え,理解度を自己評価する。
事前学修 1.「学習指導要領で用いられている用語の解釈」についてのレポートを作成する。作業手順についてはMoodleを確認すること。(1.5時間)
2.作成した「学習指導要領で用いられている用語の解釈」の内容を他者に説明できるように,熟読しておく。(1時間)
事後学修 1.発表後の質疑で応えられなかった内容については,確実に理解できるまで調べる。(1.5時間)
4 A,I 情報教育の目標と情報教育の3つの観点を理解し,小学校から高等学校までの体系的な情報教育の在り方について学習する。
学習指導要領の第2章第10節「情報」及び第3章第7節「情報」と,学習指導要領解説情報編を用いて,高等学校における情報教育の内容を確認する。
事前学修 1.高等学校学習指導要領の下記に示す部分を読んでおく。(1.5時間)
・第1章「総則」15ページ
・第2章「各学科に共通する各教科」第10節「情報」125ページ~
・第3章「主として専門学科において開設される各教科」第7節「情報」304ページ~
・第4章「総合的な学習の時間」351ページ~
・中学校学習指導要領第2章「各教科」第8節「技術・家庭」「D情報に関する技術」431ページ
2.高等学校学習指導要領の内容より,共通教科情報科では,コンピュータの操作方法を指導することをねらいとしているかを考える。(0.5時間)
事後学修 1.情報教育の3つの観点の関係を整理する。(1時間)
2.共通教科情報科と専門教科情報科の指導内容を復習し理解する。(1時間)
5 F,G ■ActiveLearningの体験(3)
各受講生が作成した「問題の発見と解決を効果的に活用する方法」または「アナログデータのディジタル変換」についてのレポートを題材にしてチームで話し合いまとめた結果を発表する。
発表後は,他の受講生と教員からの質疑に答え,理解度を自己評価する。
事前学修 担当する以下のいずれかのレポートを作成する(1.5時間)
・「問題の発見と解決を効果的に活用する方法」
・「アナログデータのディジタル変換」
2.作成した「問題の発見と解決を効果的に活用する方法」の内容を他者に説明できるように,熟読しておく。(0.5時間)


2.作成した「アナログデータのディジタル変換」の内容を他者に説明できるように,熟読しておく。(1時間)
事後学修 1.様々な場面を想定し,問題解決が効率的に行える方法を考える。(1時間)
2.発表後の質疑で応えられなかった内容については,確実に理解できるまで調べる。(1時間)
6 F,G ■ActiveLearningの体験(4)
各受講生が作成した「情報デザイン」についてのレポートを題材にして,チームで話し合いまとめた結果を発表する。
発表後は,他の受講生と教員からの質疑に答え,理解度を自己評価する。
事前学修 1.「情報デザイン」についてのレポートを作成する。(1.5時間)
2.作成した「情報デザイン」の内容を他者に説明できるように,熟読しておく。(1時間)
事後学修 1.発表後の質疑で応えられなかった内容については,確実に理解できるまで調べる。(1.5時間)
7 A,B 学習指導要領の第2章第10節第3款「各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い」と,学習指導要領解説情報編の第1部第3章「各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い」を用い,学習指導,指導計画,指導方法,模擬授業を行う上での留意点について理解する。
模擬授業の実施までのスケジュールを理解する。

■模擬授業の準備(1)
・模擬授業を行う範囲の決定と,その決定理由を明確にする。(チーム作業)
・模擬授業の到達目標を明確にし,指導する生徒像を想定する。(チーム作業)
事前学修 1.学習指導要領の第2章第10節第3款「各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い」と,学習指導要領解説情報編の第1部第3章「各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い」を読んでおく。(1時間)
2.指導する生徒像の想定と模擬授業の到達目標を決定し,チームのメンバーに説明できるようにしておく。(2時間)
事後学修 1.学習指導,指導方法を復習し理解する。(1.5時間)
3.チームで作成した指導する生徒像と模擬授業の到達目標をベースにして,自己の考えを評価する。(2時間)
8 B,F ■模擬授業の準備(2)
想定した生徒に沿った教材研究を行なう。(チーム作業)
事前学修 1.想定した生徒に対して,模擬授業の目標に到達するための筋道を考える。(1.5時間)
2.想定した生徒に適した教材研究を行い,チームのメンバーに説明できるようにしておく。(1.5時間)
事後学修 1.想定した生徒に対して,考案した教材を用いることで,模擬授業の目標に到達するかを考える。(1時間)
2.模擬授業を行うには,どのような学習指導案を作成すれば良いかを考える。(2.5時間)
9 B,F ■模擬授業の準備(3)
学習指導案の授業進行を作成する。(チーム作業)
事前学修 1.学習指導案を作成する際の留意点を再確認する。(1時間)
2.想定した生徒に対して,模擬授業の目標に到達する学習指導案の概略を考える。(1.5時間)
事後学修 1.作成した部分までの学習指導案の内容が,想定した生徒が理解できるようになっているかを確認する。(1.5時間)
10 B,F ■模擬授業の準備(4)
学習指導案の授業進行を作成する。(チーム作業)
事前学修 1.学習指導案のこれから作成する部分を,どのようにすれば想定した生徒が学習内容を理解できるようになるかを考える。(1時間)
事後学修 1.完成した学習指導案の内容で,想定した生徒が理解できるようになっているかを確認する。(1時間)
2.完成した学習指導案を用いて,模擬授業のイメージトレーニングを行なう。(2時間)
11 B,F ■模擬授業の準備(5)
板書計画やプリント等の配布物を作成する。(チーム作業)
模擬授業の練習を行う
事前学修 1.板書計画やプリント等の配布物を,どのようにすれば想定した生徒が理解できるようになるかを考える。(1.5時間)
事後学修 1.板書計画や授業で用いるプリント等の配布物が,想定した生徒が理解できるようになっているかを再度確認する。(1時間)
2.読みやすい板書ができるように練習をしておく。(1.5時間)
12 C,G チーム単位で模擬授業を行う。
終了後は,他の受講生と教員からの評価を受け止め,質疑に答える。
事前学修 1.学習指導案を見ずに模擬授業が行えるように,学習指導案を熟読しておく。(0.5時間)
2.模擬授業の練習を行う。(1.5時間)
事後学修 1.模擬授業を行った受講生は,模擬授業後の質疑で応えられなかった内容があれば,確実に理解できるまで調べる。(1時間)
2.模擬授業を行った受講生は,自己評価を行い,改善点があれば改善案を考える。(0.5時間)
3.生徒役の受講生は,模擬授業を分析し,改善点があれば改善案を考え,自分が模擬授業を行う場合の参考資料にする。(0.5時間)
13 C,G チーム単位で模擬授業を行う。
終了後は,他の受講生と教員からの評価を受け止め,質疑に答える。
事前学修 1.学習指導案を見ずに模擬授業が行えるように,学習指導案を熟読しておく。(0.5時間)
2.模擬授業の練習を行う。(1.5時間)
事後学修 1.模擬授業を行った受講生は,模擬授業後の質疑で応えられなかった内容があれば,確実に理解できるまで調べる。(1時間)
2.模擬授業を行った受講生は,自己評価を行い,改善点があれば改善案を考える。(2.5時間)
3.生徒役の受講生は,模擬授業を分析し,改善点があれば改善案を考え,自分が模擬授業を行う場合の参考資料にする。(0.5時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

1.教科書や高等学校学習指導要領(情報),高等学校学習指導要領解説情報編の内容を理解している。
2.共通教科情報科と専門教科情報科における情報教育の内容を理解している。
3.受講生自らが自発的に学び,知識を獲得しようとする態度をとることができる。
4.他者の意見やアドバイスに耳を傾け,理解や協力を得て課題に取り組むことができる。
5.学習指導法に係る基礎理論・知識を習得している。
6.教科書にある題材や単元等に応じた教材・資料を開発・作成することができる。
7.学習内容を分析し,適切な教材を活用することができる。
8.教材研究を生かした情報科の授業を構想し,学習者(生徒役の学生など)の反応を想定した学習指導案としてまとめることができる。
9.他者と共同して模擬授業を企画・運営・展開することができる。
10.板書や発問,的確な話し方など授業を行う上での基本的な表現の技術を身に付けている。
11.学習者(生徒役の学生など)の反応を生かして模擬授業を展開することができる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 30% 100% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 25% 30% 30% 10% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 模擬授業:::::::::: 30% 30% 20% 30% 20% 100%
その他2(具体的に: 学習指導案:::::::::: 15% 30% 30% 10% 30% 100%
100% 51% 18% 9% 4% 18% 100%

教科書・参考書

<教科書>
・文部科学省「高等学校学習指導要領平成30年告示)」(東山書房)
・文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 情報編」(開隆堂出版)

・[情Ⅰ702]「情報Ⅰ Step Forward!」(東京書籍)
  ※教科書の購入等については、第1回のオリエンテーション時に指示する。受講できなかったものは大村に連絡すること。

<参考書>
・文部科学省「高等学校学習指導要領解説情報編(平成22年5月)」(開隆堂出版)
・文部科学省「高等学校学習指導要領(平成21年3月告示)」(東山書房)

オフィスアワー

開設時間:毎週木曜日11:30~13:25
開設場所:X号館 2F 教職支援室(X-204)
※ イベントや授業等で教職支援室が利用される場合は別日に移動します。Moodleを確認してください。

※質問等がある場合、授業終了後、直接質問を受け付けます。また、 Moodle,電子メールでの質問も受け付けます。

その他

■授業形式
-模擬授業の内容により、参加学生と相談の上で、授業の一部を遠隔(リアルタイム)に変更する場合がある。

■フィードバック
-レポート提出、作業指示等をMoodleにて提供する場合がある。操作に不安を持つ者は、オフィスアワー等を活用し事前に解消しておくこと。
-複数回行う授業内小テストの解答は,採点後返却するので,誤ったところがあれば確実に理解できるまで復習すること。
-授業内での演習内容については、授業内でアドバイスを行う。

■E評価の判定について
以下の条件を満たした場合はE評価とする。
-模擬授業への未参加の者
-模擬授業に係る成果物(学習指導案・ワークシート等)を未提出の者
-欠席回数が3回以上の者

■遅刻の扱いについて
-20分以上の遅刻については欠席とします。
-2回の遅刻で、1回の欠席とします。

■留意事項
-他の受講者の学習を妨げるなど、授業態度が著しく不良のものは、退室を指示する場合があります。(欠席として扱います)
-毎授業ともノートパソコンを持参すること。

実務経験のある教員による授業科目