2025年度後期伝送線路工学

曜日・時限 金曜日2時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング GF330105
開講学科等 情報通信工学部-通信工学科
教員名 野竹 孝志
野竹 孝志
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e9%87%8e%e7%ab%b9%e3%80%80%e5%ad%9d%e5%bf%97

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目的

多種多様な情報を大量・高速に伝送するためのマルチメディア情報通信は,いまや日常欠くことのできない先端技術であり,情報の担い手としてマイクロ波や光波といった非常に波長の短い電磁波が使われている.電波による無線通信は「アンテナ」工学,マイクロ波回路の中やアンテナへ給電に用いられる導波管や同軸ケーブルといった導波路の理論や受動回路素子は本講義で勉強する.マイクロ波帯では回路の寸法が波長に比べて無視することができなくなり,電圧や電流が時間的のみならず場所的にも変化するため,分布定数回路の考えに基づく取り扱いが必要となる.本講義では,分布定数回路論の理解,実際のマイクロ波帯で使用されている代表的な伝送線路,そのような伝送線路で構成される各種受動回路素子の理解を主たる目的とする.

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 面接授業:A,C 0.シラバス説明
無限長平行2線伝送線路
1.導線上の分布抵抗,インダクタンス,導線間の漏れコンダクタンス,キャパシタンス
2.平行2線上の電圧,電流の関係
3.平行2線分布定数回路の基本式
4.平行2線上の電圧(電流)の解
事前学修 教科書p.8~p.12を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.8~p.12を読んでおく(2.5時間)
2 面接授業:A,C 無限長平行2線伝送線路上の進行波
1.電圧電流の進行波
2.伝搬定数:減衰定数,位相定数
3.線路の特性インピーダンス
4.伝送電力
事前学修 教科書p.12~p.18を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.12~p.19を読んでおく(2.5時間)
3 面接授業:A,C 負荷終端有限長平行2線上の電圧電流
1.進行波と反射波による線路上の電圧表現
2.境界条件
3.反射係数と透過係数
4.入力インピーダンス
事前学修 教科書p.19~p.25を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.19~p.25を読んでおく(2.5時間)
4 面接授業:A,C 各種終端負荷の入力インピーダンス
1.短絡
2.開放
3.整合
1/4波長の線路によるインピーダンスの変換
事前学修 教科書p.25~p.27を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.25~p.27を読んでおく(2.5時間)
5 面接授業:A,C 伝送線路上の定在波分布
1.電圧の定在波
2.電流の定在波
3.定在波比
4.定在波測定と負荷のインピーダンス
損失を考慮した伝送線路
事前学修 教科書p.27~p.37を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.27~p.37を読んでおく(2.5時間)
6 面接授業:A 各種2導体系伝送線路
1.平行2線
2.同軸ケーブル
3.マイクロストリップ線路
4.TEMモード
事前学修 教科書p.58~p.64を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.58~p.64を読んでおく(2.5時間)
7 面接授業:A 整合
1.給電線による整合
2.集中回路素子による整合
事前学修 教科書p.64~p.67を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.64~p.67を読んでおく(2.5時間)
8 面接授業:A,C スミスチャート
sパラメータ
インピーダンス行列
アドミタンス行列
事前学修 「情報通信工学実験」テキストマイクロ波実験3を読んでおく9.19,p20,p29(2.5時間)
事後学修 「情報通信工学実験」テキストマイクロ波実験3を読んでおく9.19,p20,p29(2.5時間)
9 面接授業:A,C 平衡線路と不平衡線路
共有回路
電力分配器
事前学修 教科書p.67~p.71を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.67~p.71を読んでおく(2.5時間)
10 面接授業:A,C 1.方形導波管
2.TEモード,TMモード
3.TE10モード
4.導波管内の電磁界分布
事前学修 教科書p.71~p.78を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.71~p.78を読んでおく(2.5時間)
11 面接授業:A,C 1.導波管内の管内波長
2.遮断周波数と遮断波長
3.位相速度
4.群速度
事前学修 教科書p.71~p.78を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.71~p.78を読んでおく(2.5時間)
12 面接授業:A,C 円形導波管:
1.TE11モードの電磁界分布
2.管内波長と遮断波長
導波管素子:
1.同軸導波管変換器
2.空洞共振器
事前学修 教科書p.79~p.83を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.79~p.83を読んでおく(2.5時間)
13 面接授業:A 導波管素子:
3.方向性結合器
4.マジックT
5.整合素子
事前学修 教科書p.83~p.88を読んでおく(2.5時間)
事後学修 教科書p.83~p.88を読んでおく(2.5時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇 修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-F-1-1】
1.分布定数回路の基本式について理解できる
2.分布定数線路の電圧・電流の表現式について理解できる
3.種々の負荷条件に対して反射係数を求めることができる
4.伝送線路上の定在波分布について理解できる
5.スミスチャートの意味を理解できる
6.2導体系伝送線路の回路パラメータを求めることができる
7.中空導波管中の電磁界を求めることができる


評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 80% 20% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 50% 50% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 71% 14% 0% 0% 15% 100%

教科書・参考書

教科書:松田豊稔,宮田克正,南部幸久,「電波工学」,コロナ社(2008)

参考書:内藤喜之,「マイクロ波・ミリ波工学」,コロナ社(1993)

「情報通信工学実験」テキスト

オフィスアワー

月曜5限(17:15-18:00):A号館2F教員室(野竹孝志)
学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が不在となる場合があります。オフィスアワー以外であっても質問等あればいつでも教員室に来てください。

その他

課題については、授業内で適宜、解説・解答を行い、フィードバックします。

実務経験のある教員による授業科目