2025年度後期集中人工知能

曜日・時限 不定期その他 期別 後期集中 週時間数 2
ナンバリング
開講学科等 工学部-電気電子工学科
工学部-電子機械工学科
工学部-機械工学科
工学部-基礎理工学科
工学部-環境科学科
工学部-建築学科
医療健康科学部-医療科学科
医療健康科学部-理学療法学科
医療健康科学部-健康スポーツ科学科
総合情報学部-デジタルゲーム学科
総合情報学部-ゲーム&メディア学科
総合情報学部-情報学科
教員名 古崎 晃司
古崎 晃司
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e5%8f%a4%e5%b4%8e%e3%80%80%e6%99%83%e5%8f%b8

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目的

人工知能(AI:ArtificialIntelligence)とは,人間が持つ学習・推論・理解・創造といった知能(知的活動)を,コンピュータを用いて人工的に実現しようとする学問である.人工知能技術は,知識型AIとデータ駆動型AIの2つのアプローチに大別される.知識型AIは,計算機上に表現された知識に基づいて必要な解答や知識を導出する.一方,データ駆動型AIは,大量のデータから,数理モデルやアルゴリズム等に基づいて,法則性や関係性を導出する.AI技術を現実世界の諸問題に適用するためには,これら双方のアプローチから適切な技術を選択することが重要となる.
本講義では,このような課題に応じたAI技術を適切に選択・適用できる実践力を養成することを目指し,人工知能の基本的な技術要素について講義する.具体的には,探索,知識表現,論理・推論,知識処理といった知識型AIの技術を中心に講義を行う.一部の学修内容については,「知識をコンピュータでどのように扱うか?」という知識モデリングに関するエンジニアリングデザイン能力を習得することを目指し,演習をまじえた形式で行う.その後,データ駆動型AIの基本的な技術である機械学習,ニューラルネットワーク・深層学習について講義したのち,最後に総括として,今後の人工知能技術の展望について論じる.
なお本講義は,数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムによる,数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラムレベルモデルカリキュラムにおける「AI基礎」の内容をカバーしている.

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 人工知能の歴史と応用分野(推論,探索,プロブレム,エキスパートシステム)[AI基礎:3-1. AIの歴史と応用分野]
AI倫理、AIの社会的受容性[AI基礎:3-2. AIと社会]
事前学修 3回のAIブームを中心とした人工知能の歴史,AIに関する倫理的な問題について,インターネット・書籍等で調べておく(2時間)
事後学修 講義で説明された技術を中心に,人工知能の適用事例と課題について調べる(3時間)
2 A 問題解決の定式化
事前学修 参考書やインターネットから,コンピュータを用いた問題解決の例を調べておく(2時間)
事後学修 講義で説明された問題解決の定式化の例を,自分のノートもしくはコンピュータで,実際に記述してみる.(3時間)
3 A 探索による問題解決の実行・問題分割法 事前学修 さまざまな探索方法について,調べておく.(2時間)
事後学修 講義で説明された探索アルゴリズムを実行するプログラムを作成してみる.(3時間)
4 A 知識表現1(記号論理)
[AI基礎:3-7. 言語・知識]
事前学修 コンピュータ上の論理表現について,どのような種類があるかを調べておく.(2時間)
事後学修 記号論理を用いた知識表現の例を,記述してみる.(3時間)
5 A 知識表現2(述語論理・意味ネットワーク)
[AI基礎:3-7. 言語・知識]
事前学修 述語論理・意味ネットワークの表現例を,インターネット・書籍等でいくつか調べておく.(2時間)
事後学修 述語論理・意味ネットワークを用いた知識表現の例を,記述してみる.(3時間)
6 A フレーム/プロダクションシステムと推論
[AI基礎:3-7. 言語・知識]
事前学修 エキスパートシステムについて,インターネット・書籍等で調べておく.(2時間)
事後学修 プロダクションシステムによる推論について,講義で示した例の動作を確認しておく.(3時間)
7 A オントロジー
[AI基礎:3-7. 言語・知識]
事前学修 オントロジーの例について,インターネット・書籍等で調べておく.(2時間)
事後学修 オントロジーの基本的な考え方について,講義の内容をもとにノートに整理しておく.(3時間)
8 C オントロジー構築演習 事前学修 講義で示された方法に沿ってオントロジー構築ツールのインストールを済ませておく.(2時間)
事後学修 講義で定義された課題に沿ってオントロジー構築の演習を実施して,構築したオントロジーの結果をレポートにまとめて提出する.(3時間)
9 A セマンティックウェブとLinkedData,LinkedOpenData(LOD),知識グラフ
[3-7. 言語・知識]
事前学修 セマンティックウェブ,LinkedData,LODについて,インターネット・書籍等で調べておく.(2時間)
事後学修 講義で紹介したLODの公開事例について,データを閲覧して内容を確認しておく.(2時間)
10 A SPARQLクエリを用いた知識グラフの検索演習
[AI基礎:3-7. 言語・知識]
事前学修 SPARQLクエリの基本的な使い方と例について,調べておく(2時間)
事後学修 講義で学んだSPARQLクエリを用いた検索を,自分の関心のあるデータについて適用してみる.(2時間)
11 A, C 自然言語処理の活用事例
形態素解析,単語分割,係り受け解析
[AI基礎:3-7. 言語・知識]
事前学修 自然言語処理について,調べておく.(2時間)
事後学修 講義で紹介した自然言語処理技術について,応用例や既存ツールを調べてみる.(2時間)
12 A,C 機械学習の活用事例
[AI基礎:3-3. 機械学習の基礎と展望,3-5. 認識,3-6. 予測・判断]
事前学修 認識,予測技術など機械学習の活用事例について調べておく.(2時間)
事後学修 認識技術,予測技術のアルゴリズムやツールについて調べ,実際に使ってみる.(2時間)
13 A,C 深層学習の基礎と展望[AI基礎:3-4. 深層学習の基礎と展望]
AIシステムの構築・運用[AI基礎:3-9. AIの構築・運用]
事前学修 深層学習ついて,調べておく.(2時間)
事後学修 講義で学んだ手法を用いて簡単な深層学習の演習を行う.(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-P-1-1】
 1.問題の定式化と探索等の手法による解決方法について理解すること.
 2.さまざまな知識表現方法について理解すること.
 3.オントロジー構築の基本的な考え方について理解すること.
 4.セマンティックウェブ技術を用いた簡単な知識検索の方法を理解すること.
 5.人工知能技術の基本的な要素について,知識型AI・データ駆動型AIのそれぞれの特徴を理解すること.
〇修得する資質・能力:コミュニケーション力【DP-P-2-1】【DP-P-2-2】
 6.人工知能技術の基本的な考え方について理解し,実問題に対してどのように利用できるかを人に説明できる.
〇修得する資質・能力:創造力【DP-P-4-1】
 7.具体的な課題に対して知識型AIの手法を適用し,知識の表現および利用(検索など)を実践できる.

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 30% 50% 20% 30% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 60% 40% 30% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 10% 20% 20% 40% 20% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 41% 26% 4% 27% 2% 100%

教科書・参考書

教科書:なし.
参考書:講義内で適宜,資料を提示・配布する.

オフィスアワー

火曜日5限,A-S242
課題・レポートについては,解答やコメントを適宜解説することでフィードバックを行う.

その他

この講義は,
・期日までにオンラインの講義動画を視聴し,
・期限内に課題を提出する
ことで進めます.
なお授業内外の課題については,講義内で解答あるいは考え方を適宜解説します.

実務経験のある教員による授業科目