2025年度前期幾何学1

曜日・時限 木曜日2時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング EN230108
開講学科等 工学部-電気電子工学科
工学部-電子機械工学科
工学部-機械工学科
工学部-基礎理工学科
情報通信工学部-情報工学科
情報通信工学部-通信工学科
医療福祉工学部-医療福祉工学科
医療健康科学部-医療科学科
総合情報学部-情報学科
工学部-基礎理工学科 数理科学専攻
工学部-基礎理工学科 環境化学専攻
教員名 名倉 誠
名倉 誠
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e5%90%8d%e5%80%89%e3%80%80%e8%aa%a0

教員情報データベースに遷移します

目的

初等幾何学は2000年以上前にユークリッドの原論でまとめられましたが、決して完成されたものでなく、現代でもその価値はゆるぎないものです.初等幾何学は図形を直接扱う幾何学であり、これを学ぶことで論理性や創造性を高めることが可能です.

この授業では初等幾何学の公理的構成や重要な定理などを学び、定理の証明を「書く」ことにより数学的な論理的思考力、伝達力を高めることを目的としています.

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C ユークリッドの「原論」と初等幾何学の公理系 事前学修 中学校高校の教科書の幾何の部分を読んでおく.また,ユークリッドの原論の公理系の問題点を考察しておく(3時間)
事後学修 ユークリッドの原論の公理系について復習する(3時間).
2 A,C 平行線の性質と三角形 事前学修 平行線の性質について調べておく(2時間).
事後学修 三角形の基本的性質(底角定理など)について復習・問題演習する(2時間).
3 A,C 三角形の合同(含む問題演習) 事前学修 三角形の基本的性質について復習しておく(2時間).
事後学修 三角形の合同条件について復習する(2時間).
4 A,C 平行四辺形の定義と性質(含む問題演習) 事前学修 平行四辺形について調べておく(2時間).
事後学修 平行四辺形の性質について復習・問題演習する(2時間).
5 A,C 平行比定理,二等分線定理 事前学修 比の性質,中点連結定理の復習をしておく(2時間).
事後学修 平行比定理を用いた問題演習をする(2時間).
6 A,C 内分と外分,三角形の相似,ピタゴラスの定理(三平方の定理) 事前学修 三角形の相似について調べておく.また,ピタゴラスの定理(三平方の定理)について復習しておく(2時間).
事後学修 ピタゴラスの定理について復習し、授業で紹介した以外の証明を調べる(2時間).
7 A,C 円周角の定理,接弦定理(含む演習問題) 事前学修 円についての性質を調べておく(2時間).
事後学修 円についての性質をまとめておく.とくに円周角の定理,接弦定理などの証明を復習する(2時間).
8 A,C 方べきの定理,アポロニウスの円 事前学修 線分の内分・外分,方べきの定理について調べておく(2時間).
事後学修 角の二等分線の性質とアポロニウスの円について復習する(2時間).
9 A,C 三角形の面積,ピタゴラスの定理の拡張 事前学修 高校までに習った面積の公式を復習しておく(2時間).
事後学修 面積の定義,性質を復習する.また,ヘロンの公式の導き方を復習する(3時間).
10 A,C 三角形の五心と問題演習 事前学修 三角形の五心について調べておく(2時間).
事後学修 三角形の五心について復習し,問題演習をする(3時間).
11 A,C 三角形のオイラー線,九点円定理 事前学修 三角形の五心について復習しておく(2時間以上).
事後学修 オイラー線と九点円定理に関して復習する(3時間以上).
12 A,C チェバの定理、メネラウスの定理(含む問題演習) 事前学修 線分の比の性質、三角形の性質について復習しておく(2時間).
事後学修 チェバの定理、メネラウスの定理に関する問題演習をする(3時間).
13 A,C 初等幾何の美しい定理 事前学修 トレミーの定理,フェイエルバッハの定理,モーリーの定理など,初等幾何に関する定理を調べておく(3時間以上).
事後学修 授業で紹介した証明のほか,ベクトルを用いた証明方法を復習する(3時間以上).

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

・初等幾何に関する基本的な用語・概念が説明できるようになること.
・初等幾何の計算問題や証明問題が解けるようになること.
・初等幾何に関する基本的な定理の証明ができるようになること.
・初等幾何の証明が適切に記述できるようになること.

本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目
◆ 2024年度入学生
下記リンク先のカリキュラム・マップを参照.
URL: https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/

◆ 2023年度以前の入学生
○修得する資質・能力:知識・理解力,応用力【DP(1)】
○修得する資質・能力:コミュニケーション力【DP(2)】,【DP(3)】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 40% 55% 10% 30% 5% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 40% 55% 10% 30% 5% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 20% 75% 10% 10% 5% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 59% 10% 26% 5% 0% 100%

教科書・参考書

教科書は指定しません.学習を進めていく上で,次の文献が参考になります.

(第1回の参考書)
・ユークリッド 著,中村幸四郎ほか 訳,ユークリッド原論,共立出版,2011年.
・ヒルベルト 著 ,寺阪英孝・大西正男 訳,幾何学の基礎,共立出版,1970年.
・溝上武實,初等幾何入門: 公理から考える,日本評論社,2005年.(主に第0章・第1章)

ユークリッド「原論」とヒルベルト「幾何学の基礎」は大学図書館にあります.「幾何学1」を履修する人は,かならず一度は手に取ってください.

(第2回以降の参考書)
・安藤 清・佐藤敏明,初等幾何学,森北出版, 1994年.(主に第1章~第5章)

第2回以降の授業では,安藤・佐藤「初等幾何学」が手元にあると自学自習に役立ちます.なお,Moodleの授業サイトにて各回の授業資料を配布します.

オフィスアワー

月曜5限,A棟3階教員室19(A-S350).学内外の用務のため,オフィスアワーでも教員が不在の可能性があります.

その他

・数学の教員免許を取得するための必修科目です.数学と真摯に向き合い,真剣に取り組んでください.
・授業中の演習や宿題で作図をします.円を描くためのコンパス,直線を引くための定規を,各自で用意しておいてください.

・この授業に関する連絡はMoodleの授業サイトで行います.毎回の授業前に,必ず確認するようにしてください.
・レポート,宿題などについては内容チェックの上で返却します.

実務経験のある教員による授業科目