2025年度前期光エレクトロニクス

曜日・時限 火曜日3時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング EE330705
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 富岡 明宏
富岡 明宏
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e5%af%8c%e5%b2%a1%e3%80%80%e6%98%8e%e5%ae%8f

教員情報データベースに遷移します

目的

光エレクトロニクスとは、エレクトロニクス(電子工学)を基盤として、電子と光波(あるいは光子)を同時に制御することにより、従来のエレクトロニクスにない新しい機能や優れた性能を実現してきた学問・技術である。具体的には、情報通信、光記録、情報表示(ディスプレイ)、情報処理などのITシステムを始めとして、計測、加工、さらには医療・芸術分野まで、極めて広範囲に現代社会を支える基盤技術として重要な役割を担っている。本講義ではこれらのシステムを構成する機器の例として、半導体レーザ、発光ダイオード(LED)、光ファイバー、光センサ、光スイッチなどの光デバイスの動作を理解する。
また、次世代の光エレクトロニクスとして研究が進められているナノ構造を利用したレーザダイオードやフォトニック結晶を用いた光変調などの先端的な研究例についても紹介し、自ら次の技術革新を担うべく受講生の皆さんが興味をもって学ぶことを目的とする。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 面接授業:A 基盤技術としての光エレクトロニクス概論 事前学修 シラバスを読み、学習計画を立てておく(1時間)
事後学修 シラバスを読み、学習計画を立てておく(3時間)
2 面接授業:A 半導体レーザ、発光ダイオードに共通する量子構造 事前学修 配布プリントの「素子量子構造」を予習する(1時間)
事後学修 配布プリントの「素子量子構造」を予習する(3時間)
3 面接授業:A シングルモード半導体レーザのダブルヘテロ量子構造 事前学修 配布プリントの「シングルモード半導体レーザ」を予習する(1時間)
事後学修 配布プリントの「シングルモード半導体レーザ」を予習する(3時間)
4 面接授業:A 半導体レーザのレーザ発振の原理(共振器内光分布)(課題1)の提示 事前学修 配布プリントの「共振器内光分布」を予習する(2時間)
事後学修 課題1をレポートに書く。配布プリントの「共振器内光分布」を予習する(3時間)
5 面接授業:B,A 課題1の質疑と解説:グラフによる光分布の理解 事前学修 課題1の疑問点を明確にする(2時間)
事後学修 課題1の疑問点を解決し、再提出用課題1レポートに反映(3時間)
6 面接授業:A 半導体レーザのレーザ発振の原理(アインシュタインモデル)(課題2)の提示 事前学修 配布プリントの「レーザ発振の原理」を予習する(2時間)
事後学修 課題2
課題2をレポートに書く。(3時間)
7 面接授業:B,A 課題2の質疑と解説 事前学修 課題2の疑問点を明確にする(2時間)
事後学修 課題2の疑問点を解決し、再提出用課題2レポートに反映(3時間)
8 面接授業:A 量子論的描像―半導体レーザにおける電子と正孔の振舞い― 事前学修 配布プリントの「半導体レーザにおける電子と正孔の振舞い」を予習する(2時間)
事後学修 配布プリントの「半導体レーザにおける電子と正孔の振舞い」を予習する(3時間)
9 面接授業:A 黒体輻射―光子の量子論的状態数とアインシュタインモデルとの対応(課題3)の提示 事前学修 配布プリントの「黒体輻射」を予習する(2時間)
事後学修 課題3をレポートに書く。(3時間)
10 面接授業:B,A 課題3の質疑と解説 事前学修 課題3の疑問点を明確にする(2時間)
事後学修 課題3の疑問点を解決し、再提出用課題3レポートに反映(3時間)
11 面接授業:A 半導体バンド構造から考察したレーザ発振条件(課題4)の提示 事前学修 配布プリントの「半導体バンド構造」を予習する(2時間)
事後学修 課題4をレポートに書く。(3時間)
12 面接授業:B,A 課題4の質疑と解説 事前学修 課題4の疑問点を明確にする(2時間)
事後学修 課題4の疑問点を解決し、再提出用課題4レポートに反映(3時間)
13 面接授業:A 光ファイバーの構造と導波モード・電磁界分布 事前学修 配布プリントの「ステップ型光ファイバー」を予習する(2時間)
事後学修 配布プリントの「ステップ型光ファイバー」を復習する(3時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

2024年度以降入学生のディプロマポリシーとの対応
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
〇 専門知識・技能を修得し、実践する力【DP-E-1】
. 人と社会を理解し、自然に関する科学的知識と電気電子工学分野における基礎的な専門知識を有し、それらを適切に応用することができる
〇 コミュニケーション力【DP-E-2 】
. 知識と技術の伝達やグループ作業に必要な論理的思考力、文章力とコミュニケーション力を有し、他者と適切なコミュニケーションをとることができる
〇 他者と協力して目的を達成する力【DP-E-4】
. コミュニケーション力を活かし、他者と協調して自らの役割を果たせる
〇 総合力【DP-E-6 】
. 新たな課題に対して、獲得した知識・技能・態度等を総合的に活用し、解決できる

2023年度以前入学生のディプロマポリシーとの対応
〇 修得する資質・能力: 知識・理解力、応用力 【DP-E-1-1】【DP-E-2-2】
急速に普及したインターネットを支える光データ通信に光エレクトロニクスがどのように貢献しているかを理解し、自分の言葉で説明できるようになること。
〇 修得する資質・能力: コミュニケーション力【DP-E-2-1】
光エレクトロニクス技術の課題解決について、仲間と議論して得た知見を提出課題に反映させる。
〇 修得する資質・能力: 態度志向性【DP-E-3-1】
光エレクトロニクス技術がどのような素子や機器によって構成されているかを理解し、その機器構成と性能向上を考察する。
〇 修得する資質・能力: 創造的思考力【DP-E-4-1】
より高性能な素子・機器のどのような性能が光データ通信のさらなる発展に寄与できるか考察する力をつけること。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 0%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 20% 10% 10% 30% 50% 100%
レポート、宿題 75% 50% 30% 20% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 5% 50% 50% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 42% 24% 6% 2% 25% 100%

教科書・参考書

参考書(必要部分をプリントで配布)
「光エレクトロニクス入門」(コロナ社)西原浩、裏升吾共著
 個々の課題を解くために必要な解説は、その都度資料をオンラインで配布する。

オフィスアワー

富岡明宏:(授業期間・期間外を問わず)火曜日、2限、W201~203(富岡研究室)です。ただし、学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性があります。その場合にはtomioka@osakac.ac.jp宛てにメールを送り、時間を約束すれば、これ以外の時間帯でも対応可能な場合もあります。
2年次科目「半導体工学」の内容に基づいて講義を行うので復習しておくこと。また2年次前期・後期の「電気電子工学実験1・2」の課題「光半導体デバイスの特性測定」で得られたレーザダイオードとLEDの特性についても、本講義と強く関連しているので、実験結果を思い出して、講義に臨んでいただきたい。

その他

学生の要望に応じて、適宜、課題やテストの解答を解説する。 課題はほとんど毎回課されるが、一度でよく理解できなくても、多くの受講生が悩んだり、勘違いしている点を次週以降の授業で解説する。この解説を聞いた上で、課題を再提出することが、本講義の基本スタイルであり、課題の点数も向上しよう。全く同じことを書いているのに、自分はなぜ点数が低いのか、という質問を受けることがある。課題は答えが出ればよい、という観点ではなく、いかに論理的に読み手を説得できているか、を考慮して採点しているからである。この表現力は就職活動でも必須となるだろう。

実務経験のある教員による授業科目

富岡明宏:S61年5月~S63年9月の間、理化学研究所で研究員として勤務
理化学研究所での研究において培った光エレクトロニクスを利用する測定手法と得られた知識は、本講義で採り上げる抽象的な概念を肉付けし、具体例を通して受講生に具体的な事象イメージを伝えるのに大きな効力を発揮する。