2025年度後期日本の近代史

曜日・時限 月曜日1時限 期別 後期 週時間数 2
ナンバリング GF110124,GP110123,KC110123,KD110123
開講学科等 工学部-建築学科
情報通信工学部-情報工学科
情報通信工学部-通信工学科
建築・デザイン学部-建築・デザイン学科 建築専攻
建築・デザイン学部-建築・デザイン学科 空間デザイン専攻
教員名 樫本 喜一
樫本 喜一
職務履歴

目的

明治維新以降の近代日本のあゆみのなかで出現してきた諸問題と日本人がそれにどう対応してきたか、またその過程で人々が形成してきた意識のありようを知り、それを通して近代日本の特徴を理解する。あわせて解決してきた事項といまも抱えている課題についても知る。また、近代日本の歴史を動かしてきた多くの人々と彼らを支えてきた社会的・歴史的基盤についても知る。具体的な事例としては、明治以降、世界の中でもっとも激烈な体験を重ねた公害問題、そして国民生活に密接な関わりをもった制度改革(身分制度・暦・貨幣経済制度・徴兵制度)についてである。公害・環境問題や社会制度の歴史的な経緯を知ること、さらにそれを通して見えてくる日本の科学技術や社会構造・社会意識の歴史的ありようを理解することを目指す。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 遠隔授業:A,B 授業の課題と方法についての説明、自ら興味があるテーマを選択 事前学修 高等学校で学んだ日本史の教科書等に目を通しておくこと。1時間
事後学修 自ら興味があって選んだ事物を関連図書などで調べてみる。3時間
2 遠隔授業:A,B 近代的産業基盤の形成と公害問題の出現が与えた現代的な意味を知る 事前学修 動力源について辞典などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
3 遠隔授業:A,B 近代化と日本の環境・公害問題の概要、近代的産業基盤の形成と公害問題の出現 事前学修 公害の意味を辞書(複数の図書)などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
4 遠隔授業:A,B 足尾鉱毒事件の歴史性 事前学修 田中正造について図書などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
5 遠隔授業:A,B 1910~30年代、公害問題の拡大 事前学修 煤煙について辞典などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
6 遠隔授業:A,B 都市化と公害問題 事前学修 大阪砲兵工廠について関連図書などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
7 遠隔授業:A,B 近代化と国民の生活①、 事前学修 旧暦について辞典などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
8 遠隔授業:A,B 近代化と国民の生活①、暦と時間、職業選択の自由など社会の大変化について 事前学修 旧暦、平民について辞典などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
9 遠隔授業:A,B 近代化と国民の生活②、農業から工業へ 事前学修 デフレの意味を辞典などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
10 遠隔授業:A,B 軍隊と国民の生活①、徴兵令 事前学修 徴兵制度について辞典などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
11 遠隔授業:A,B 軍隊と国民の生活②、日露戦争とデモクラシー 事前学修 日比谷公園など東京の主な地名について地図などで調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
12 遠隔授業:A,B 軍隊と国民の生活③、総力戦と近代社会 事前学修 ヨーロッパの主要な都市のある場所を地図で調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
13 遠隔授業:A,B 軍隊と国民の生活④、兵役法 事前学修 中国の大都市と太平洋の大きな島を地図で調べておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
14 遠隔授業:A,B 戦後復興と四大公害 事前学修 両親(祖父母)からカラーテレビや電話などの電化製品が家庭に導入された時期を聞いておく。1時間
事後学修 講義中に示した「本日のキーワード」について自ら調べてみる。3時間
15 遠隔授業:A,B まとめ 事前学修 今までの資料を読み返しておく。1時間
事後学修 ノートの整理を行い定期試験に備えておくこと。3時間

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

日本の近代化を支えた基本的な考え方である「富国強兵」、それを推進するために強化された国家主義と人権軽視の思想がどう形成されたかを知り、その問題点が公害や戦争などで明らかになったことを理解する。第二次世界大戦の敗戦後、日本の軍国主義は一応解消したが経済優先の考え方は残り、それが水俣病をはじめとした四大公害の発生などに結びついたことを理解し説明することができるようになる。
この授業を受講することで、「豊かな人格形成の基盤となり、社会との関りを考える力」【工学部DP(1)】や、問題分析能力・問題解決能力・社会のニーズに対応できる総合能力【情報通信工学部DP(1)~(3)】を身につけることができる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 60% 70% 30% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 40% 70% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 70% 30% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

教科書は特に指定しない。講義ごとに使用する資料を配布する。参考書は小田康徳編著『公害・環境問題史を学ぶ人のために』世界思想社

オフィスアワー

遠隔講義の受講後、問題発見学習のため質問などをメールにて受け付ける。受講生各自、積極的に取り組むことを望む。

その他

講義は遠隔授業を実施するが定期試験は対面で実施する予定であるので、この点に注意すること。
毎講義後に出題する小テストの得点を合算して平常点とする。
フィードバックのため毎回提出締切後に問題の正誤と獲得点数が判明するようにしているので、各自、復習に役立てるように。
また、平常点獲得が思わしくない受講生には適宜警告を与える。

実務経験のある教員による授業科目

大阪府立高校において地理歴史分野担当の講師経験有り。特に高校時代に日本史の受講経験がない学生が多い理工系大学の一般教養系授業に関して、不足する知識を補う講義の実施が可能となる。