2025年度前期電磁気学1

曜日・時限 火曜日3時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング GF230111
開講学科等 情報通信工学部-通信工学科
教員名 野竹 孝志
野竹 孝志
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e9%87%8e%e7%ab%b9%e3%80%80%e5%ad%9d%e5%bf%97

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目的

電磁気学は,特に無線通信工学におけるアンテナ理論,電波伝搬論,移動体通信,マイクロ波回路等,あるいは光通信工学における光波伝搬論,光ファイバ工学等を理解する上で不可欠な講義科目であり、受講することで今後の高学年次での学習のための基礎知識を学習することが出来る。そのため,1年次後期の基礎電磁気学1,2・演習に引き継ぎ,電磁気学1では主とし前半の静電界と誘電体および電流の性質について,ベクトル計算やその微分積分形を用いたより解析的で一般的な表現方法について学ぶことを目的とする。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C 電磁気学の基礎となるベクトルの取り扱いについて、その基礎事項を説明する。特にベクトルの太文字による表記法と単位ベクトルの性質に注意する。 事前学修 ベクトルの解析的表示を予習のこと(2時間)。
事後学修 べクトルの解析的表示による計算を例題により習熟する(2時間)。
2 A,C ベクトルのスカラ積(内積)とベクトル積(外積)について説明する。 事前学修 ベクトルの解析的表示と基本的な計算法を復習のこと(2時間)。
事後学修 ベクトルのスカラ積(内積)とベクトル積(外積)について例題により習熟する(2時間)。
3 A,C べクトル界とべクトル関数、およびスカラ界とスカラ関数の勾配について説明する。 事前学修 ベクトル関数とスカラ関数の概念を調べること(2時間)。
事後学修 スカラ関数の勾配について例題により習熟する(2時間)。
4 A,C ベクトル界の発散の回転について説明する。 事前学修 ベクトル界の発散の回転について予習のこと(2時間)。
事後学修 ベクトル界の発散の回転について例題により理解を深める(2時間)。
5 A,C ベクトル界を用いたクーロン力の一般的な表現について述べる。 事前学修 ベクトルの解析的表示とクーロンの法則の基礎事項を復習のこと(2時間)。
事後学修 クーロン力のベクトルを用いた解析的表示について例題により理解を深める(2時間)。
6 A,C ベクトル界を用いた電界の一般的な表現方法について述べる。 事前学修 電界のクーロン力による計算法を復習のこと(2時間)。
事後学修 電界のベクトルを用いた解析的表示について例題により理解を深める(2時間)。
7 A,C 電界と電位の関係をベクトル界とベクトル解析を用いて説明する。 事前学修 電界と電位の関係を復習のこと(4時間)。
事後学修 電界と電位のベクトル解析による計算を例題により理解を深める(4時間)。
8 A,C 微小な電荷による電界や電位を電荷が存在する領域にわたって積分して、より複雑な形状の電荷に対する電界や電位を求める方法を述べる。 事前学修 点電荷による電位や電界の計算を復習のこと(2時間)。
事後学修 より複雑な形状の電荷に対する電界や電位を求める方法を例題により理解を深める(2時間)。
9 A,C 微小な電荷による電界や電位を積分して電界や電位を求める方法を述べ、無限平板や無限長直線電荷による電界や電位の関係を示す。 事前学修 無限平板や無限長直線電荷による電界や電位を復習のこと(2時間)。
事後学修 無限平板や無限長直線電荷による電界や電位の計算を例題により理解を深める(2時間)。
10 A,C ガウスの定理の微分形を説明し、電位と電界の関係からさらに、ラプラス・ポアソンの方程式を導出し、静電界における電位と電荷密度の根本的な関係の成り立ちについて述べる。 事前学修 ラプラス・ポアソンの方程式について調べておくこと(2時間)。
事後学修 ラプラス・ポアソンの方程式の導出について、を例題により理解を深める(2時間)。
11 A,C 電位と電荷密度の関係について、円筒座標系および極座標系におけるポアソン・ラプラスの方程式の導出を行う。また、円筒状に線対称、あるいは球状に点対称な電荷分布の場合に、それぞれこれらの座標系におけるポアソン・ラプラスの方程式が成立することを述べる。 事前学修 円筒座標および極座標について予め調べておくこと(2時間)。
事後学修 円筒座標および極座標におけるポアソン・ラプラスの方程式の導出について例題により理解を深める(2時間)。
12 A,C 電位と電荷密度の関係について円筒座標系および極座標系において前回導出したポアソン・ラプラスの方程式を用いて、電荷密度の分布から直接電位と電界を微分方程式の解として数学的に導出する方法を示す。 事前学修 微分方程式の概念を調べること(2時間)。
事後学修 円筒座標および極座標におけるポアソン・ラプラスの方程式の解法について、例題により理解を深める(2時間)。
13 A,C 今まで全体の復習を行う。 事前学修 今まで学んだ内容や例題を全般的に復習のこと(4時間)。
事後学修 本科目で学んだ内容をさらに例題により理解を深める(4時間)。

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

1.数学的準備(第1~4回目)
ベクトルの解析的表示,ベクトルのスカラ積とベクトル積,ベクトルの積分定理、発散と回転,ガウスの定理とストークスの定理を説明できる。
2.クーロンの法則と電界(第5~6回目)
クーロンの法則と電界の関係をベクトル界を用いた一般的な空間の表記法で学ぶ。
3.電界と電位(第7~9回目)
電界と電位の関係をベクトル界を用いた一般的な空間の表記法で学ぶ。
4.電流(第10~13回目)
ガウスの定理の積分形と微分形,ポアソンとラプラスの方程式を学び、全体位のまとめを行う。
以上により,1年次の基礎電磁気学1,2・演習で取得した静電界の基本的な問題について,より一般的な解析的表示による数学的な記述方法を身につけて,後期の電磁気学2における電磁現象や電磁波の基礎を総合的に学ぶ知識と能力を得ることを目標とする。

本科目に関連するディプロマ・ポリシー項目
〇2024年度以降入学生
下記、記載のカリキュラムマップを参照。
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
※各学科/専攻名称のカリキュラムポリシー下段の
 「カリキュラムマップ」よりご確認ください。

〇2023年度以前入学生
 修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-F-1-1】
           総合的な学習経験と創造的思考力【DP-F-4-1】

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 50% 50% 30% 20% 100%
小テスト、小論文 20% 70% 20% 10% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 70% 20% 10% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 60% 25% 0% 0% 15% 100%

教科書・参考書

教科書:「2段階方式で学ぶわかる電磁気学」松浦秀治、海老原敏、前川泰之共著ムイスリ社
1年次の基礎電磁気学・演習1,2に引き続き、毎回の授業で使用します。

参考書:「電気磁気学」石井良博著コロナ社
「電磁気学例題演習」松森徳衛編著コロナ社
「電磁気学」東京電機大学編

オフィスアワー

月曜5限(17:15-18:00):A号館2F教員室(野竹孝志)
学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が不在となる場合があります。オフィスアワー以外であっても質問等あればいつでも教員室に来てください。

その他

1年次の基礎電磁気学1,2・演習(必修)を取得していることが前提となる。
レポートの課題提出が十分ないと、卒業再試験を認めないことがある。
なお,本授業の内容が完結するには「電磁気学2」を修得する必要がある。

課題については、授業内で適宜、解説・解答を行い、フィードバックします。

実務経験のある教員による授業科目