2025年度後期前半情報工学1

曜日・時限 月曜日3時限,金曜日3時限 期別 後期前半 週時間数 0
ナンバリング EE130505
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 渡邊 俊彦
渡邊 俊彦
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e6%b8%a1%e9%82%8a%e3%80%80%e4%bf%8a%e5%bd%a6

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目的

本講義では「計算」と「通信」,「情報」という情報工学の大きな流れを論理的に理解するために必要とされる基礎的知識を習得することを目的に情報数学(離散数学)をとりあげる。情報数学は情報工学の基礎となる数学であり,情報系の専門科目だけでなく,多くの工学系専門科目の基礎的な事項ともなるので,正しく理解することを目的とする。また,本科目は学科基幹科目にも指定されている。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 集合1(集合の定義、部分集合、ベン図) 事前学修 シラバスを読み、これまでに習った集合についての事項を復習しておく(2時間)
事後学修 身近な「集合」についてベン図を使いながら具体的に考えてみる(2時間)
2 A 集合2(集合の演算と性質) 事前学修 教科書の「集合」の章を読み、演算について把握しておく(2時間)
事後学修 集合演算についての宿題をする(2時間)
3 A 集合3(ベキ集合、直積集合、通常の代数との関係) 事前学修 教科書の「集合」の章を読み、ベキ集合や直積集合などのイメージを掴んでおく(2時間)
事後学修 集合演算の性質と通常の代数との関係を具体的な例を当てはめながら確認しておく(2時間)
4 A 集合4(無限集合、ペアノの公理と数学的帰納法) 事前学修 高校で習った数学的帰納法と数列を復習しておく(3時間)
事後学修 対角線論法の流れを無限集合の観点から復習しておく(3時間)
5 A 関係と写像1(関係の表現、関係行列と関係グラフ、関係の性質) 事前学修 教科書の「関係と写像」の章を読んでおく(2時間)
事後学修 関係についての宿題をする(2時間)
6 A 関係と写像2(推移的閉包、同値関係と同値類、順序関係) 事前学修 教科書の「同値関係と同値類」の節をよく読んでおく(2時間)
事後学修 推移的閉包についての宿題をする(2時間)
7 A 関係と写像3(写像の定義、関数との関係、写像の性質) 事前学修 教科書の「写像」の節を読んでおく(2時間)
事後学修 写像についての宿題をする(2時間)
8 A データベースの基礎(データベースの概念、関係データベース、リレーショナル代数、SQL、正規化) 事前学修 関係データベースの概念と利用について調べておく(2時間)
事後学修 関係データベースに関する宿題をする(2時間)
9 A ブール代数の基礎1(束と順序集合、ハッセ図、上限と下限) 事前学修 関係と順序集合について復習しておく(3時間)
事後学修 順序集合とハッセ図に関する宿題をする(3時間)
10 A ブール代数の基礎2(ブール代数の公理、演算記号、ブール関数) 事前学修 教科書の「ブール関数」の節を読んでおく(3時間)
事後学修 ブール関数の定理についての宿題をする(3時間)
11 A ブール代数の基礎3(真理値表、ブール関数の簡単化、カルノー図表、ブール演算) 事前学修 ブール代数の定理について復習しておく(3時間)
事後学修 ブール関数の簡単化に関する宿題をする(3時間)
12 A 命題論理学命題、論理式の解釈、恒真式、標準形、形式的証明、三段論法,推論 事前学修 教科書の「命題論理学」の章を読んでおく(2時間)
事後学修 ノートと教科書の「命題論理式の解釈」の節をよく読んで復習しておく(2時間)
13 A まとめ 事前学修 それまでの教科書,ノート,演習課題,レポート内容などを総復習しておく(2時間)
事後学修 全体で不明な箇所を復習しておく(2時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

本科目に関連するディプロマ・ポリシー科目
自らを律し、学び続ける力【DP-E-5】
修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-E-1】
1.集合演算や論理演算の性質がベン図と真理値表を使って確認・証明ができる.
2.式表現で使われる内包的記法などの集合の表記が適切に読み取れる.
3.全称記号などの論理記号の意味を理解し,式を正確に読み取れる.
4.関係の意味と関係グラフ,関係行列演算の意味を理解し説明できる.
5.数学的帰納法の意味と考え方を理解し説明できる.
6.写像の定義と性質を理解し説明できる.
7.関係データベースの概念がリレーショナル代数に基づいて理解し説明できる.
8.順序集合からの束の導出過程を理解し説明できる.
9.関係グラフからハッセ図を書き,上限と下限の演算結果がわかる.
10.ブール代数の定理を理解し説明できる.
11.式変形によるブール関数の簡単化とカルノー図表による簡単化ができる.
12.命題論理と述語論理の式が解釈できる.

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 85% 10% 5% 100%
小テスト、小論文 10% 90% 10% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 10% 80% 10% 10% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 10% 20% 10% 70% 100%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 78% 9% 1% 7% 4% 100%

教科書・参考書

教科書:「情報の論理数学入門」小倉久和,高濱徹行著 近代科学社

オフィスアワー

オフィスアワーの開設時間と場所は、木曜日、13:00-14:30、A号館3階教員室41です。
学習者の理解度に応じて進度や内容を変更することがある。

その他

学生の要望に応じて、適宜、課題やテストの解答を解説する。

実務経験のある教員による授業科目

データベースシステムや通信システムの設計開発経験(8年)を活かして情報工学の基礎となる論理数学を具体例を挙げながら講述する。