2025年度前期後半基礎電子回路

曜日・時限 月曜日1時限,木曜日3時限 期別 前期後半 週時間数 2
ナンバリング EE230304
開講学科等 工学部-電気電子工学科
教員名 中瀬 泰伸
中瀬 泰伸
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e4%b8%ad%e7%80%ac%e3%80%80%e6%b3%b0%e4%bc%b8

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目的

増幅器、計算機、テレビ、携帯、ロボットから航空機や宇宙飛行船の制御に至るまで、高度な機器の知的な動作は膨大な数のトランジスタが組み合わされた電子回路が実行している。
ただし、これらの動作を担う個々のトランジスタの動作は比較的に単純であり、統一的に解釈することができる。
そこでは個々のトランジスタが増幅能力を持つことが重要である。これらトランジスタの動作を理解し、そこから回路全体の動作を把握する。
また、回路内の電圧と電流の計算から抵抗などの値を設計できるようになる。
この講義の目的は、個々のトランジスタの動作を理解するともに、簡単な増幅器の設計法を学ぶことである。とくに、個々のトランジスタの動作を表す等価回路を用いて各種増幅器の動作を統一的に理解する。

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A 能動素子の基礎 事前学修 WEBなどで能動素子の種類と動作を調べる:1時間
事後学修 増幅の原理を復習する:1時間
2 A 半導体の歴史および市場 事前学修 配布資料のトランジスタについて、種類と動作原理を予習する:1時間
事後学修 トランジスタの種類と動作原理を理解する:2時間
3 A 半導体の物性 事前学修 配布資料の半導体物性を予習する:2時間
事後学修 P型/N型の特徴、空乏層について復習する:3時間
4 A PNダイオードの動作と動作点解析 事前学修 配布資料のダイオードの動作について予習する:2時間
事後学修 ダイオードの電気特性、温度特性、モデル化、負荷線について復習する:3時間
5 A バイポーラトランジスタの電気特性 事前学修 配布資料のバイポーラトランジスタの電気特性について予習する:2時間
事後学修 バイポーラトランジスタの動作原理、各種パラメータ、モデル化、飽和特性について復習する:3時間
6 A バイポーラトランジスタの動作点解析 事前学修 配布資料のバイポーラトランジスタの動作点解析について予習する:2時間
事後学修 負荷線を用いた動作点(ベース電位、ベース電流、コレクタ電位、コレクタ電流)の決め方を復習する:3時間
7 A テブナンの定理、ノートンの定理、重ね合わせの理 事前学修 配布資料のテブナンの定理、ノートンの定理、重ね合わせの理について予習する:2時間
事後学修 テブナンの定理、ノートンの定理、重ね合わせの理を用いて問題が解けるように復習する:3時間
8 A バイポーラトランジスタのバイアス回路
理解度確認テスト
事前学修 配布資料のバイポーラトランジスタのバイアス回路について予習する:2時間
事後学修 バイアス回路の動作原理と回路設計方法を復習する:3時間
9 A バイポーラトランジスタの信号増幅の原理と小信号モデル 事前学修 配布資料のバイポーラトランジスタの信号増幅の原理と小信号モデルについて予習する:2時間
事後学修 エミッタ接地、ベース接地、コレクタ接地で用い理場合の小信号モデルの違いと意味を理解する:3時間
10 A エミッタ接地増幅回路のバイアス回路の設計 事前学修 配布資料のエミッタ接地増幅回路のバイアス回路の設計について予習する:2時間
事後学修 バイアス回路の構成と抵抗値の決め方を理解する:3時間
11 A 小信号等価回路による電圧利得の計算および電圧利得の周波数依存性 事前学修 配布資料の小信号等価回路による電圧利得の計算および電圧利得の周波数依存性について予習する:2時間
事後学修 小信号等価回路への変換およびそれを用いた電圧利得の計算方法を復習する:3時間
12 A ベース接地、コレクタ接地増幅回路の電圧利得計算 事前学修 配布資料のベース接地、コレクタ接地増幅回路の電圧利得計算について予習する:2時間
事後学修 ベース接地、コレクタ接地増幅回路について、小信号等価回路への変換およびそれを用いた電圧利得の計算方法を復習する:3時間
13 A オペアンプ 事前学修 配布資料のオペアンプについて予習する:2時間
事後学修 オペアンプの電気特性およびオペアンプを用いた演算回路の動作を復習する:3時間

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

ディプロマポリシー
2024年度入学者: 専門知識・技能を修得し、実践する力【DP-E-1】、自らを律し、学び続ける力【DP-E-5】
https://www.osakac.ac.jp/about/policy/faculty/
2023年度以前の入学者【DP-E-1-1】

電子回路の基本であるトランジスタ(電界効果トランジスタを含む)が電子回路内においてどのように動作し、どのように電気信号の増幅を行うのかを説明できる。
交流信号の増幅になぜ直流(バイアス)の追加が必要かを説明できる。
トランジスタの等価回路を用いることによって、各種増幅器の増幅度の計算と簡単な設計ができる。
直流等価回路を用いて、増幅器のバイアスの計算と設計ができる。

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 50% 50% 100%
小テスト、小論文 30% 80% 20% 100%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 0%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 59% 41% 0% 0% 0% 100%

教科書・参考書

参考書
電子回路概論、高木茂孝、鈴木健次監修、実業出版
世界一わかりやすい電気・電子回路(これ1冊で完全マスター!)、薮哲郎著、講談社
アナログ電子回路の基礎、藤井信生著、オーム社

オフィスアワー

月曜5限@A号館3階教員室39
学内外の用事により不在になることがあるので、事前にメールで連絡ください。

その他

本科目はクォータ制科目であり、週2回講義を行う。

試験問題の解き方は事前に配布する「予想問題集」に開示するので自力で解けるようにしてください。
それでも疑義がある場合は個別に対応する。

実務経験のある教員による授業科目

メモリ、デジタル、アナログの集積回路について、半導体製造会社において回路設計実務に携わってきた。
電子回路に関しては、問題の解き方を多く取り入れ実務に役立つ知識を修得する観点から講義を行う。