2025年度前期アンテナ工学

曜日・時限 金曜日4時限 期別 前期 週時間数 2
ナンバリング GF330113
開講学科等
教員名 何 一偉
何 一偉
職務履歴

https://research.osakac.ac.jp/index.php?%e4%bd%95%e3%80%80%e4%b8%80%e5%81%89

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目的

電波は音声や映像を遠く,広く運ぶ手段として古くからラジオやテレビ放送,衛星通信などに利用されてきた。近年,携帯電話,無線LAN,カーナビゲーションシステム等の利用が普及され,通信における電波の利用は多彩多様になっている。電波は無線通信のみならずに,リモートセンシング,計測,医療,加工等,様々な分野で幅広く利用されつつある。
アンテナ工学では,電磁気学で習ったアンペアの法則を拡張し,微分方程式の形でまとめられた拡張されたアンペアの法則とファラデーの法則,いわゆるマクスウェルの方程式について,まず勉強をする.次に,電磁波の基礎となるマクスウェル方程式により,空間に伝搬する平面波や,素電流による電磁界を導出し,平面電磁波の性質や,高周波電流による電磁界や放射特性などについて勉強する.最後に,数回に分けて,電波を効率的に放射や受信する様々なアンテナとそれらの特性についても勉強する.

授業計画

授業回 形式 学修内容 学修課題
1 A,C シラバス説明
電波の分類と用途
電磁気の量とその基本法則
アンペアの法則
ファラデーの法則
事前学修 教科書の1-7,38-39ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習する.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
2 A,C 拡張されたアンペアの法則
ファラデーの法則
回転とストークス定理
マクスウェル方程式
事前学修 教科書の39-41ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
3 遠隔授業(オンデマンド):AC マクスウェル方程式
発散とガウス法則
構成方程式
事前学修 教科書の42-44ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
4 A,C 線形媒質中のマクスウェル方程式
勾配とラプラシアン
ベクトル波動方程式
ベクトルヘルムホルツ方程式
方程式の解
事前学修 教科書の45-50ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
5 A,C 平面波
電界磁界と伝搬方向
特性インピーダンス
伝搬定数
ポインチング電力
偏波
事前学修 教科書の50-56ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
6 A,C 微小ダイポール
微小ダイポールの電磁界
微小ダイポールの放射界
放射電力と放射抵抗
指向性関数と指向性図
最大放射電界
事前学修 教科書の91-97ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
7 A,C 半波長アンテナ
半波長アンテナの電流分布
半波長アンテナの放射界
半波長アンテナの放射電力と放射抵抗
半波長アンテナの入力インピーダンス
指向性関数と指向性図
放射電力と放射電界
短縮率
事前学修 教科書の97-101ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
8 A,C アンテナの実効長
導体平板による映像電流
1/4波長垂直接地アンテナ
アンテナの利得(絶対利得,相対利得)
アンテナの指向性利得
アンテナの放射効率
事前学修 教科書の101-110ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
9 A,C アンテナの開放受信電圧
アンテナの等価受信回路
アンテナの可逆性
アンテナの最大受信電力
アンテナの実効面積
実効面積と利得の関係
事前学修 教科書の110-115ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
10 A,C フリスの伝達公式
自由空間基本伝送損
アレーアンテナ
アレーの指向性
相互インピーダンス
フレネル領域とフラウンホーファー領域
事前学修 教科書の115-122ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
11 A,C アンテナの分類
アンテナの周波数帯域
定在波型アンテナと進行波型アンテナ
フェージング防止中波放送用アンテナ
折り返し半波長アンテナ
L字型,F字型アンテナ
ループアンテナの受信電圧と指向性
方向探知用アンテナ
ヘリカルアンテナ(軸モード,ノーマルモード)
水平と垂直偏波のUHF帯放送用ヘリカルアンテナ
事前学修 教科書の125-135ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
12 A,C 八木アンテナ
対数周期アンテナ
ターンスタイルアンテナ
バットウィングアンテナ
スーパーターンスタイルアンテナ
反射板つき半波長アンテナ
スーパーゲインアンテナ
コーナーリフレクターアンテナ
双ループアンテナ(水平,垂直偏波)
事前学修 教科書の135-150ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)
13 A,C スロットアンテナ
パッチアンテナ
導波管スロットアンテナ(水平,垂直偏波)
無給電マイクロ波中継アンテナ
扇型ホーンアンテナ
角錐ホーンアンテナ
中央給電パラボラアンテナ
オフセットパラボラアンテナ
カセグレンアンテナ
グレゴリアンアンテナ
ホーンリフレクターアンテナ
誘電体レンズアンテナ
事前学修 教科書の150-173ページを授業と同程度の時間をかけて予習する.(2.5時間)
事後学修 講義内容復習し,完成できなかった課題を完成させる.講義の内容を再確認の上,適切に記憶,さらに教科書の問題を解く練習をせよ.(2.5時間)

授業形式記号

  • A:一斉授業(通常の講義)
  • B:問題発見・解決学習、プロジェクト学習
  • C:体験、実験、実習、演習など
  • D:調査 分析、解析など
  • E:ものづくり、作品制作
  • F:グループワーク(ディスカッション・ディベートを含む)
  • G:プレゼンテーション
  • H:地域・企業 連携型学習
  • I:その他

到達目標

〇 修得する資質・能力:知識・理解力、応用力【DP-F-1-1】
1.マクスウェル方程式と電磁波の放射メカニズムを理解する.
2.平面波については伝搬定数,偏波や,空間の特性インピーダンスを理解する.
3.アンテナの放射指向性,利得,放射抵抗,インピーダンスなど理解する.
4.微小ダイポール,半波長ダイポールアンテナの諸特性を熟知して,その他の種々のアンテナの特徴,用途を理解する.

評価方法と評価観点

評価方法 配点合計知識・理解力応用力コミュニケーション力態度・志向性創造力 合計
定期試験またはレポート試験 70% 70% 30% 100%
小テスト、小論文 0%
グループワーク 0%
プレゼンテーション 0%
レポート、宿題 30% 50% 20% 30% 100%
授業での姿勢(ノート、質疑など) 0%
作品、パフォーマンス(実技、実演) 0%
その他1(具体的に: 0%
その他2(具体的に: 0%
100% 64% 27% 0% 0% 9% 100%

教科書・参考書

教科書:電波工学,松田,宮田,南部,コロナ社
参考書:アンテナ・電波伝搬,虫明康人,コロナ社
アンテナ工学,遠藤敬二・佐藤源貞・永井淳著,総合電子出版
無線工学B,吉川忠久,東京電機大出版

オフィスアワー

何 一偉:水,金の昼休み(12:45~13:20),A号館2F教員室
なお,学内外の用務のため、オフィスアワーでも教員が教員室に不在の可能性があります.その場合,メールなどで連絡してください.

その他

全授業日数の2/3の出席を単位取得の必須条件とする。この条件に満たさない受講生は試験,追試,また卒業再試験を受けることができない。

課題については、授業内で適宜、解説・解答を行い、フィードバックします。

実務経験のある教員による授業科目